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1-1 教育機関の概念をおさらい

 高等教育について述べていく上で概念の初歩的理解を自分の学習を兼ねておさらいしておきたいと思います。
 まず、学制での小学校・中学校・高等学校・大学の6・3・3・4年の区分を初歩的な点から述べていきます。
 義務教育である小学校・中学校ですが、小学校は初等教育、中学校は前期中等教育とされています。
 この歴史的経緯について簡単に述べますと、戦前の小学校から国民学校への転換と関連しており、尋常小学校(国民学校初等科)が小学校の母体、高等小学校(国民学校中等科)が中学校の母体となっていると云われています。
 これは厳密なものではなく、戦後の学制改革で無理やり行われた側面が強く、小学校は母体がはっきりしているものの、中学校は実質的に新設されたものと言われています。このあたりの詳しい話は、論文や専門書等で詳しく書かれているものもあるはずなので、見つけたら紹介していきます。
 高等学校ですが、名前は高等ですがあくまでも後期中等教育です。よく勘違いされやすい名前ですが、これは旧制(戦前)の高等学校が高等教育に分類されていたことと関連します。
 新制(戦後)の高等学校は、旧制の中等学校(中学校、高等女学校、商業学校、農業学校等)を母体にしているところがほとんどです。ただ、一部例外がありまして、旧制の私立大学の予備教育を行っていた、高等教育に属するはずの予科とよばれた課程の中には、あえて新制高等学校になったものもあります。
 有名なのは、早稲田大学の予科だった高等学院で、あえて新制大学の教養を担当することなく高校教育の手本となる教育を行うとして、独立して新制高等学校になりました。
 このような例外はありますが、基本的には後期中等教育であって、高等教育ではありません。
 最後に新制大学(短期大学を含む)ですが、ここには旧制の中等学校卒業者を対象とした教育機関のほとんどが含まれ、戦後に行われた審査を通過した高等教育機関はほとんどが大学か短期大学に昇格し、旧制大学を含めて新制大学として立ち上がり、現在では大学とよばれる学校のすべてが高等教育に分類されます。
 では、学制の概略を説明したところで、高等教育に絞って分類していきます。
 すでに一般論となっていることではありますが、現在の高等教育(実際は中等後教育とかいろいろな言い方がありますがここは高等教育で統一します)は、高等学校を卒業したか卒業したと同等と認められる者が進学する教育機関で行われる教育すべてと定義していいかと思われます。
 ここには大学、短大は当然ですが、その他にも高等専門学校の後期(4、5年生)および専攻科、専修学校の専門課程、各種大学校なども含まれます。
 大まかに分類すると以下のようになるかと思います。
  大学:短期大学、大学、大学院
  その他:高等専門学校後期及び専攻科、専門学校、大学校
 厳密に言うと、大学院のみの大学もあるので、この場合は大学卒か同等の資格を持つ者が進学するところとなりますが、これも高等教育となります。
 以上、簡単に高等教育を述べるうえでの基本を、自分へのおさらいを兼ねて定義してみました。

次回は



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たこま
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