国立大学の学部増設の形態 その1
国立大学の学部増設の形態について、述べています。
前回は
全く新規に学部を増設する場合
新規に学部を増設するには、大規模な予算の割り当て、人員の手配などが必要になる為に、国策として造られた学部がほとんどです。
事例1:医学部の増設
一県に必ず一校は医学部を設置する方針から、新規に医学部を増設した形態として、秋田大学医学部、山形大学医学部、愛媛大学医学部、琉球大学医学部があります。
以上の4校については、全くの新設で造られました。予算は別途に手当てされ、教職員も、既存の大学医学部などからのリクルートで手配されました。ただ、前記の3校の学部増設時に、学内での意見の統一などに手間がかかった経験から、琉球大学以外のその後の新設医学部は、学内手続きの不要な、単科医科大学として新設されています。
事例2:工学部の増設
経済成長が進む昭和30年代から、技術者不足を解消する為に、国立大学の一部でも、国策で工学部を増設する動きが見られました。
昭和30年代には、岡山大学工学部、埼玉大学工学部が設置されます。
昭和40年代には、鳥取大学工学部、長崎大学工学部、三重大学工学部、大分大学工学部の4校に設置され、一旦は国による設置は終わります。
平成9年にイレギュラーな形で、香川大学工学部(現在の創造工学部)が設置されますが、これ以降は新設の工学部の設置はありません。
既存の国立大学で、全く新規に学部を増設した大学は、以上の医学・工学といった国策での対応が迫られた2例に限られ、それ以外は、何らかの母体を持って設置されています。
次回は
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