国立大学の学部増設の形態 その5
国立大学の学部増設の形態について、述べています。
前回は
学部の学科などを分離して、学部に昇格させる一般的な例を、今回は中部地方について見ていきたいと思います。
新潟大学
昭和52年に人文学部を法文学部と改称して、その後昭和55年には法文学部の法律部門、経済部門、その他の部門で分割して、法学部、経済学部(現在の経済科学部)、人文学部を設置しています。平成29年には、全学部の学科等を横断的に履修する 創生学部を設置しています。
富山大学
新制大学に設立時に、工学部の母体となった旧制高岡工業専門学校は、戦中に旧制高岡経済専門学校から理系転換された専門学校で、戦後に経済専門学校に復さなかった関係で、経済専門学校時代の遺産は、新制大学の文理学部に伝えられ、文理学部は文学科・経済学科・理学科の構成になっていました。
その遺産を生かして、昭和27年に文理学部から経済学科が分離して、経済学部が設立されました。
平成30年には、工学部の都市工学系学科などが分離して、都市デザイン学部が設立されています。
福井大学
平成28年に、教育学部を改めた教育地域科学部の地域科学課程を分離して、国際地域学部を設立し、教育地域科学部は教育学部に復しています。
山梨大学
平成24年に、教育学部を改めた教育人間科学部の非教員養成系の一部と、工学部の生命系学科をそれぞれ分離して、生命環境学部を設置し、教育人間科学部は教育学部に復しています。
信州大学
昭和41年に、文理学部の文系学科と理系学科が分離して、それぞれ人文学部と理学部、教養部(廃止)として設立されました。その後、昭和53年には人文学部の経済学科が独立して、経済学部(現在の経法学部)を設置しています。
岐阜大学
昭和41年に、学芸学部を分割して教育学部と教養部を設置しました。その後、平成8年に、教養部を母体に地域科学部を設置しました。
静岡大学
昭和40年に文理学部の文系学科、理系学科、教養課程を分割し、それぞれ人文学部(現在の人文社会科学部)と理学部、教養部を設置します。平成7年には、教養部を母体に、 情報学部を設置しました。平成28年には、全学部の学科等を横断的に履修する地域創造学環を設置しています。
名古屋大学
昭和25年に、法経学部の法学部門と経済部門を分離して、法学部と経済学部を設置します。その後、昭和26年には、新制大学設置時に間に合わなかった農学部が設置されます。
昭和38年に設置した教養部を母体に、平成5年には情報文化学部が設置され、平成27年には、情報文化学部と工学部電気電子・情報工学科を合併して情報学部が設置されています。
富山大学については、度々登場していますので、関連する記事を纏めておきます。
富山大学だけでも結構ボリュームがあるので、論評も含めて後日大学自体を纏めて記事にしたいと思います。
次回は、