【要約】WORK SHIFT。本当の働き方改革とは!?
これから、どんどん時代の変わるスピードが速まっていきます。
それなのに、不満を抱いたまま今の会社に勤めていていいのでしょうか?
今回は、働き方改革をする上で、おさえておきたい考え方が語られている著書『WORK SHIFT』を要約して解説いたします。
今回お話する内容は、
①未来を形作る5つの要因から、時代がどう変わるのか?をご紹介。
②未来のために、私たちが取り組むべき3つのシフト(転換)を具体的に解説。
③この本を読んでいて、見出すことができた1つの結論。
正直、今回の記事は長文になると思っています。
それほど、職に関する悩みは深刻なのです。
それぞれの見出しの最後にまとめを作っていて、流し読みでも理解できるようにしておきますので、ご安心を。
なかには、自分が努力してきたこととは真逆のことを指摘されるかもしれませんが、そういう人ほど考え直す機会を作るべきです。
この先、私たちはとても大きな変化を経験するに違いない。「よい人生」を送るための条件について、これまで漠然といだいていた常識の多くを問い直す必要があるだろう。変化に目を閉ざすのは無謀で危険だし、過去にうまくいったやり方が未来に通用すると決めつけるのも楽天的すぎる。それは、自分と大切な人たちの未来を危険にさらす態度と言わざるをえない。
働き方の未来を的確に予測し、精神的な幸福と経済的な豊かさを得られる働き方を見つけることは、将来の自分と大切な人たちにあなたが贈れる素晴らしいプレゼントだ。未来について考えて行動することを後回しにし、手遅れになるのは避けてほしい。
(出典:WORK SHIFT)
【未来】を形作る5つの要因とは?時代はどう変わる?
まず、未来を形作る5つの要因をご紹介します。
要因1:テクノロジーの進化
要因2:グローバル化の進展
要因3:人口構成の変化と長寿化
要因4:社会の変化
要因5:エネルギー・環境問題の深刻化
要するに、
機械や科学技術が進歩して、
世界的なつながりが増えて、
価値観の違う世代が社会の中心となり、少子高齢化が進み、
人間関係のあり方が変わり、
エコに関する危機感や関心が高まる。
といった要因たちが未来に影響します。
これら、1つ1つの要因を解説する必要はないでしょう。
なぜなら、本書は2012年に出版された本で、2025年問題に向けて書かれたものです。
現在、2020年です。
つまり、すでに半分を経過しているところで、この要因たちの影響を受ける目前まできているのです。
そして、これらの要因が影響して、時代がどう変わるのかというと、3つの暗い現実が考えられます。
これは、未来に対して何も準備せず、漫然と迎えることで陥ってしまう暗い現実です。
「漫然と迎える未来」
暗い現実1:いつも時間に追われ続ける未来
暗い現実2:孤独にさいなまれる未来
暗い現実3:繁栄から締め出される未来
それぞれがどんな未来なのか、簡単に要約して説明します。
暗い現実1:いつも時間に追われる未来
テクノロジーが進化するおかげで、どこでも働くことができるようになる。
グローバル化が進展すると、時差が違う国にいる相手に合わせることもある。
よって、プライベートな場所と時間が失われ、3分とゆっくりできない。
物事に取り組む上で、能力の向上や幸福感を味わおうと思ったら、1つのことに長時間集中する必要もあるのに、細切れな活動を強いられる。
暗い現実2:孤独にさいなまれる未来
上記と同じような要因で、オフラインでの(つまり生の)人との関わりが失われていく。
現代にみられる家族との関わりだけでなく、会社にいる同僚との気軽な付き合いもなくなっていく。(飲み会がなくなるのは個人的には嬉しいby筆者)
人間の幸福度に最もプラスに影響してくれるのは、肩の凝らない友人関係ということが心理学的にもわかっているけれど、未来は体温のない機械との付き合いが増える。
暗い現実3:繁栄から締め出される未来
格差が広がり、それがわかりやすくなるおかげで、「勝者」と「貧困層」の溝は深まる一方。
収入に対する満足度は、絶対ではなく相対的な価値で決められる。
他人と比較することによって、不幸や不信の感情は強まっていく。
どうでしょうか?
本書で語られている未来についての推測を私なりにまとめてみましたが、全く共感できない内容ではないかと思います。
すでに起こっている現象もあれば、想像に難くない変化もあるはずです。
ここでは、ネガティブな未来について、推測できるものをご紹介しました。
ポジティブな未来については説明しません。
その理由は、この記事を最後まで読んで頂ければわかります。
☆ここまでのまとめ☆
・テクノロジー、グローバル化、人口構成、人間関係、環境問題、の5つの要因が未来に影響を与える。
・それによって、プライベートの喪失、孤独感、格差による不幸と不信感、の3つのネガティブな未来が予測される。
・ポジティブな事例については紹介しない。それはこれから解説する。
【転換】取り組むべき、3つのシフト!
前項で、推測できる(ネガティブな)未来をご紹介しました。
ここからは、時代の変化に合わせて私たちも変化するために、取り組むべき3つのシフト(課題)を解説します。
それは、3つの資本を形成するという取り組みです。
「3つのシフト」
第一のシフト:知的資本
第二のシフト:人間関係資本
第三のシフト:情緒的資本
まず、1つ目の課題として、第一のシフト『知的資本』について解説しましょう。
『知的資本』を向上させるために、必要な考え方をひとことで言うと、
専門技能の”連続的”習得です。
著者さんは、「ゼネラリストから連続スペシャリストへ」転換しようと提案されています。
今までは、1つの会社にいて、個人的な専門性を身につけるというよりは、上司に言われたことをこなすだけの何でも屋さんだったかもしれません。
しかし、これからは、その幅を狭くしてでも高度な専門知識と技能が必要とされてきます。
そして、”連続的”と強調したのは、転換点は一度ではなく、時代の変化に合わせてどんどんと専門性や実際の仕事内容を転換させていく必要があるからです。
一度会社に入ったら定年まで守られる終身雇用という制度も概念もなくなり、自ら変化を作っていかなくてはなりません。
そのためにも、専門技能の連続的習得に合わせて、セルフマーケティングが必要です。
自分の市場価値を把握し、自分の能力や人材価値を売って、転職していくことや、
世間のニーズに合わせて、方向性を決めていく努力が欠かせません。
どれだけ長い期間仕事に就いていようが、その会社でしか通用しない知識や能力は、あなたの資産価値にはならないのです。
「俺はもう何年もこの会社に勤めてきたんだ!」と豪語するおじさん(やおばさん)を尻目に、私たちは未来に向けた努力に注力しましょう。
次に、第二のシフト『人間関係資本』について解説します。
ひとことで言うと、人的ネットワーク(関わる相手)の種類を考えて、関係性を築きましょう。って話です。
種類といっても、人間関係で取捨選択しろというわけではなく、未来の自分(や相手)のためになる関係性を育みましょう。ということです。
本書では、未来に必要になる三種類の人的ネットワークが書かれています。
・三種類の人的ネットワーク
『ポッセ』
『ビッグアイデア・クラウド』
『自己再生のコミュニティ』
それぞれの言葉の意味は知らなくてもいいですが、どのような種類に分かれるのかを解説します。
『ポッセ』とは、いわゆる『仲間』のことです。
普段、一緒にいて活動することの多い、仕事仲間のような関係性をイメージしてください。
自分が専門的に携わっている仕事で使われる言語は、家族や部外者である友人の前で話しても通じないでしょう。
そんな、仕事上で深い話し合いができる種類の相手が『ポッセ』です。
『ビッグアイデア・クラウド』は、『友達の友達』です。
「弱い紐帯」という言葉をご存知でしょうか?
自分にとって、転職のきっかけとなったり、次につながるアイデアを与えてくれるのは、上記の「強い紐帯(仲間)」よりも「弱い紐帯」であることが多いといわれています。
ずっと同じ仲間とばかり付き合うのではなく、友達の友達か知り合い程度の種類の相手と関わってみることが、前進につながることもあります。
この種類の相手が『ビッグアイデア・クラウド』です。
『自己再生のコミュニティ』とは、要するに『精神的な支え』です。
親友や恋人のことで、頻繁に会っては食事を共にしたり、冗談を言い合って安らぎの空間を共有する種類の相手です。
自分と同様の専門性を持っていない点でポッセと異なり、SNSなどではなくオフラインで関わるという点でビッグアイデア・クラウドとも異なります。
ちなみに、『自己再生のコミュニティ』に「家族」は意図して入れませんでした。
この『三種類の人的ネットワーク』を紹介する上で最も重要なことは、自分の人間関係を意識的に育むということです。
「家族を大事にしろ」「身近な人に感謝しろ」と他人から押し付けられた価値観に反応するだけの時代は終わったのです。
長くなってしまっていますが、次で最後のシフトです。
第三のシフトは、『情緒的資本』です。
ひとことで言うと、古い約束事(価値観)から脱却しよう!です。
仕事の世界の「古い約束事」とは?
私が働くのは、給料を受け取るため。その給料を使って、私はものを消費する。そうすることで、私は幸せを感じる。
(出典:WORK SHIFT)
本当の幸せを手に入れたいのであれば、この物質主義の価値観から脱却するシフトが求められます。
なぜなら、私たちは物を手に入れる前より後の方が、それに対する価値を感じなくなり、それなのに「もっと欲しい」とより多くを求めてしまうからです。
その結果は、今よりもっと幸せを求め、今よりもっと消費するために、今よりもっと働くことになるだけです。
「仕事=お金を稼ぐこと」という価値観から脱却し、自分のニーズに沿った経験をしていけるように、仕事や活動をオーダーメイドしていかなくてはなりません。
つまり、私たちが転換するべき情緒的資本は、自分は何をしている時が幸せなのか?を把握できる「経験主義」です。
簡単に説明できてしまうことですが、自分たちが信じてきたものを変えるという一番難しいシフトです。
ぜひとも、社会や他人に押し付けられた約束事を脱却して、自分が価値を感じることができる経験とは何か?を把握できるように努めましょう。
☆ここまでのまとめ☆
・『知的資本』とは、専門技能の連続的習得とセルフマーケティングを行うことで、自分の資産価値を向上させていくこと。
・『人間関係資本』とは、自分が必要とする人間関係の種類を把握し、意識的に育んでいくこと。
・『情緒的資本』とは、古い価値観(物質主義)から脱却し、自分が本当に価値や幸せを感じることできる経験が何なのかを把握できるようになること。
【結論】これは、「転職」の本ではなかった!
この本を手に取った時の私は、転職を成功させたいという願望がありました。
しかし、読み終わった後、考え方がガラリと変わりました。
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【人生を変える3つの知】
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