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大木式土器の変貌

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大木式土器は縄文時代前期~中期の東北地方南部を代表する土器です。各地の博物館・資料館を巡って、時代ごと、地域ごとの特徴の変化をまとめてみました。
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2024年9月の記事一覧

大木式土器の変貌(1)【縄文土器の精華~縄文時代中期の土器】より

大木式土器の変貌(1)【縄文土器の精華~縄文時代中期の土器】より

縄文時代に、東北地方南部を中心に分布した大木式土器は、縄文時代前期から中期までの長い期間をカバーする土器型式です。関東地方では諸磯式、十三菩提式、五領ヶ台式、阿玉台式/勝坂式、加曽利E式と時期ごとに分かれた多くの土器型式に対応するのが、東北南部ではまとめて大木式です。

大木式は大木1式から大木10式まで、細分を含めると13段階に分かれています。時代によって変化する様々な土器が含まれるのですが、名

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大木式土器の変貌(2)【縄文DX ー会津・法正尻遺跡と交流の千年紀ー】前編

大木式土器の変貌(2)【縄文DX ー会津・法正尻遺跡と交流の千年紀ー】前編

前回は、大木式土器の大木7a式から大木10式までの変遷について、福島県福島市のじょーもぴあ宮畑で開かれた企画展のパネル解説をご紹介しました。

今回は応用編として、この解説を参考にしながら、福島県立博物館の企画展「縄文DXー 会津・法正尻遺跡と交流の千年紀 ー」(2024/7/6~9/1)に出展された大木式土器を観察します。法正尻遺跡は猪苗代湖の北西、福島県猪苗代町と磐梯町の境目にあった、縄文時代

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