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【読書感想】朝井まかて『藪医 ふらここ堂』
2020/01/23 読了。
朝井まかて『藪医 ふらここ堂』
江戸時代の小児医のお話。
時代小説は久しぶりだったけど、朝井まかてさんの時代ものはキャラクターの書き分けが絶妙でスラスラ読める。
朝井さんの小説は覚悟があると常々思っている。この藪医ふらここ堂も綺麗なとこだけじゃない、ちゃんと人間や医業のダークな部分も描いている。堕胎や子殺しをちゃんと書くから、信用できる。
「産み落としたばかりの子は己のものでもあるんだよ。己の躰の中で養った我がものだから、我が手で殺せるんだ。(中略)だから、神様の預かりものなんだって、己のものなんかじゃないんだって、誰かが説かないとならないのさ」
産婆であるお亀婆さんの言葉は、今を生きる私にもまっすぐ届く。