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【読書感想】西加奈子『まく子』
2019/02/16 読了。
西加奈子『まく子』
モスで堪えきれずに泣いてしまった。
こんなにも金玉に心を揺さぶられたことはない。
小学5年生の慧が主人公の児童文学。変わっていく身体に戸惑いながらも受け入れていく過程が本当に愛おしい。
「自分の体が変わるのがこわい。女子のことを変な目で見るようになるのがこわい。大人になりたくない」
小学何年生くらいだろうか。男子と女子は気がついたら独立していた。アメーバみたいな集合体が、誰に指示された訳でもないのに、自然とふたつに分かれた。あの頃の変な気持ち。あの変な気持ちが小説を開くとドバドバ流れ出てきた。
慧は自分の身体が、自分の意志とは関係なく変化していくのを恐れている。そういう経験が私にもあった。怖いのに、隠したいのに、いつも子供に興味なんて持たない親がそういうセンシティブなところにはグイグイくる感じ。触れてくれるな。触れてやってくれるな。今なら親に言えるけど、その時は言えなかったな。
男の子の体から、人間ひとりひとりの体、果ては宇宙まで、違うことは当たり前なんだってとこまで連れて行ってくれるこのお話が、戸惑う子供にも戸惑わない子供にもたくさん読まれていくといいな。
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