オリックス・バファローズ、神戸開催の6試合を「神戸シリーズ2025~がんばろうKOBE 30th~」として開催へ
◆震災から30年、神戸の地にオリックス・ブルーウェーブが復活
阪神・淡路大震災で傷つき、復興の途上にあった神戸の人たちに希望と勇気を与えたプロ野球チームが、被災30年の節目の年に帰ってきました。
オリックス・バファローズは震災発生から30年となる2025年1月17日、2025年シーズンに神戸市須磨区のほっともっとフィールド神戸で開催する6試合を「神戸シリーズ2025~がんばろうKOBE 30th~」として開催する旨を発表しました。
「神戸シリーズ2025~がんばろうKOBE 30th~」を一言で説明すると、バファローズの前身球団で、グリーンスタジアム神戸(現ほっともっとフィールド神戸)に本拠地を置いていたオリックス・ブルーウェーブの復刻試合で、選手・監督・コーチは懐かしのブルーウェーブ時代のユニフォームを着て戦います。
復刻企画の詳細については後日発表されるとのことですが、試合当日のほっともっとフィールド神戸では、1995年当時の報道写真も展示されるそうです。
なお、この復刻試合でスポンサーを務めるのは、神戸港でレストランクルーズ船を運航している「THE KOBE CRUISE」です。
同社は阪神・淡路大震災の際は寸断された鉄道網に代わり、大阪・天保山~神戸港間で臨時の航路を運航しており、今回の復刻試合の趣旨に相応しいスポンサーと言えます。
「神戸シリーズ2025~がんばろうKOBE 30th~」として開催されるのは、2025年シーズンにほっともっとフィールド神戸で開催される全6試合(以下参照)です。
5月31日・6月1日 埼玉西武ライオンズ戦
7月4日・5日 千葉ロッテマリーンズ戦
7月17日 東北楽天ゴールデンイーグルス戦
8月27日 千葉ロッテマリーンズ戦
全6試合のうち半数にあたる3試合が、マリーンズ戦となっています。
マリーンズ戦ばかりがほっともっとフィールド神戸での開催になった背景として、一つにはマリーンズならではの特別な事情(詳細は下記リンク参照)の存在が挙げられるかもしれませんが、それと合わせて1995年シーズンにブルーウェーブの本拠地胴上げを阻止した相手が他ならぬマリーンズだったという歴史的事実の存在もあるのかもしれません。
さらに言うと、ほっともっとフィールド神戸では古くから七夕の時期にブルーウェーブ→バファローズ主催のマリーンズ戦が組まれることが多く、両軍のファンにとって忘れてはいけない数々のドラマが生まれていることも忘れてはいけません。
せっかくの「神戸シリーズ2025~がんばろうKOBE 30th~」ではありますが、私は高校時代からマリーンズも応援しているため、マリーンズ戦についてはビジター専用外野席でマリーンズを応援する予定です。
それでも、バファローズにとって歴史的な意義を持つ復刻試合というわけで、懐かしい青波戦士のユニフォームに身を包んだバファローズ選手陣を応援したいという気持ちも強いので、今回の企画実施が決定したことでイーグルス戦もしくはライオンズ戦にも参戦することを決めました。
◆懐かしのブルーウェーブグッズも登場
バファローズの「神戸シリーズ2025~がんばろうKOBE 30th~」開催に当たっての力の入れようは、これだけに留まりません。
この企画の開催が発表された2025年1月17日より、ブルーウェーブ時代からの歴史を持つ神戸三宮のオフィシャルグッズショップ「B-WAVE」で、ブルーウェーブのロゴの入ったタオル、キーホルダー、クリアファイル、トートバッグといったオリジナルグッズの発売が始まりました。
私も早速キーホルダーを購入し、現地観戦に携える予定です。
「B-WAVE」のショーウインドーには、ブルーウェーブのユニフォームやグッズが陳列されており、5月からの復刻試合6試合に向けて準備万端という雰囲気でした。
ちなみにバファローズは、以前にもブルーウェーブの復刻ユニフォームを着用して試合を開催したことが何度かありました。
ブルーウェーブの復刻試合は2010年の「がんばろうKOBEデー」(対東京ヤクルトスワローズ戦)に始まり、2011年、2013年、2015年、2019年、2020年にも開催されており、古くからのファンを喜ばせるとともに、近年ファンになった層に球団の忘れてはいけない歴史を語り伝えてきました。
先日、日米両国で野球殿堂入りを果たしたイチローさん、監督としてバファローズをリーグ三連覇・日本一に導いた中嶋聡スペシャルアドバイザーをはじめとする名選手が、故仰木彬監督のもとで躍動。
震災直後の1995年シーズンにリーグ優勝、翌1996年シーズンにリーグ連覇・日本シリーズ優勝を果たし、復興に向かって歩み始めた神戸の人々の心の支えになったオリックス・ブルーウェーブ。
オリックス球団と近鉄球団の合併後からファンになった新参者の身ではありますが、被災30年という節目に開催されるこの企画が、多くのファンにとって球団の歴史を振り返る機会に、そして次の世代に震災や球団の歴史を語り継ぐ機会になるよう願うばかりです。
あわせて、ブルーウェーブのユニフォームを纏ったバファローズの選手にも、対戦相手チームの選手にも、この復刻企画の意味を噛み締め、白熱したプレーを見せてくれることを期待したいものです。
◆おまけ
阪神・淡路大震災から30年を迎えるにあたって、オリックス球団のみならず多くの地元企業が歴史を語り継ぐための取り組みを実施しています。
たとえば、ブルーウェーブ→バファローズの前身にあたる阪急ブレーブスの親会社であった阪急電鉄は、震災直後の苦しい状況のなかどうにか運転を再開した神戸市内の一部区間に投入された8000系8003Fに震災を語り継ぐためのヘッドマークを掲出。神戸線・神戸高速線の大阪梅田~新開地間で1月いっぱいまで運行中です。