フェンシングのマーケティングトレースやってみた
マイナースポーツ、ベンチャースポーツをどう流行らすか、人気に火をつけるかという点に今興味があります。
そのヒントのために、直近話題(?)の「フェンシング」についてマーケティングトレースをしていきたいと思います。(自分はフェンシングについて全くしらない素人なので、もし間違ってたらすみません!)
現状のフェンシング
現状のフェンシングを取り巻く、環境や状況については、以下のnoteを参考にさせていただきました。記事でもあるようフェンシングの競技者人口を増やすのは難しいため、「みる」「ささえる」人をいかに増やすか、が現状のフェンシングの目下課題か思います。
フェンシングはPRをチャンスポイントにしていた
マイナースポーツや、メジャー化していないものが、マス化するにはマスメディアを味方につけるのが、重要だと思っています。ex) 将棋、ラグビー
マイナースポーツのことを積極的に情報収集をしにいく人は少ないため、マスメディアによる「受動的に情報触れる機会」をつくり、少しでもコンテンツについて触れる、興味を沸かせる瞬間を作る必要があるからです。
では、フェンシングはどのようなPR戦略を実施したのか。
まずSWOT分析をしてみました。
フェンシングの強みはなんといっても、太田雄貴さんの存在でしょう。度々テレビで取り上げたり、Twitterでの投稿も目にするよう、スポーツ界において一目置かれている存在だと思います。ただ、太田さんがむやみにフェンシングの魅力を発信したところで、PR効果はそんなにあるとは思いません。
個人的に、PRされる/口コミがおきる ためには2つ以上の理由が必要だとおもっています。フェンシング協会はおそらく1つめの理由を「太田さん」という存在と仮定し、2つ目の理由をつくることに専念されているのだと思います。
そんな中、2つ目を「メディアが取り上げたくなるような大会」にすることで、実際に多数のメディアに取り上げられていました。
どういうことがかというと、以下4Pにおいて全てフェンシングの今までのイメージ/実態とは異なることを仕掛けたのです。
詳細は割愛しますが、#71全日本フェンシング協会において、上記フェンシングの観戦自体をコンテンツ化することで、
①フェンシングが進化しているらしい (グローブ座で実施。LED体験、モーションキャプチャ等)
②チケットを5,000円代にしても売り切れになるほど
③それをあの太田さんが実施している
という3つの「メディアが取り上げる理由」をつくり、その結果マスでの露出に成功したといえます。
もし自分がCMOだったら
上記大会でのPR戦略については、フェンシングの強みを活かし、メディアを味方につけた素晴らしい事例だとおもっています。かつ、会場での演出などもかなり進化していると思います。ただしフェンシング自体が一般化しているかといえばまだだといえます。
実際上記大会でも観客の半数以上はフェンシング関係者の方ということですし、その方々も太田さんやその周りの方からの口コミ、招待という「営業」であったと記事にも書かれていました。
そのため自分がCMOだった場合、することは、「フェンシング観戦初心者ユーザーの裾野を広げ、まず試合観戦をするハードルを下げる」ことにコミットしたいと思います。(今のフェンシングリピーターの多数は、今後も自然リテンションするはずなので、リテンションやアクティベーションは新規獲得の後に注力)
具体的にすることは以下です。
①ターゲットの特定
②フェンシング自体のUSPを尖らせて届ける
③受け皿の強化
ターゲット、USPの特定
マイナースポーツにおいて、もっとも個人的に難しいとおもっているのが、ターゲットの特定です。野球やサッカーのように、過去経験がある人と特定しても、そもそものパイが小さいため、事業としてスケールしません。よって、非経験者までターゲットを拡大する必要があります。ただ、非経験者といっても大きなカテゴリであり、その中で規模があり、フェンシングと親和性が高いセグメントを見極めるべきです。
個人的に、次のターゲットとしては、「新しいもの好きの、スポーツ観戦ファン」がコアターゲットに定めるべきなのかなと思っています。
具体的には、特定の野球、サッカー好きというわけではなく、直近流行なスポーツを追いかけている or 直近盛り上がっている以下のスポーツ初期観戦者かと思います。
▼対象スポーツ
・バスケ (B league)
・卓球 (T リーグ)
・ラグビー
・横浜ベイスターズ
上記スポーツのコアファンではなく、「直近1~2年で、スタジアムまで足を運んだユーザー」が親和性が高いと思えます。
彼らは「勝敗」「応援」を楽しむのではなく「新しいエンターテインメント」としてのスポーツの進化を楽しんでいるのではないかなと思っています。
そうしたユーザーにとって、例えば以下のようなフェンシング自体の魅力が伝わり、「最新感」「×テクノロジー」「新しいスポーツ体験」を訴求したら、「(フェンシングは興味ないけど)新しい体験ができる」として態度変容が起きやすいのかなと思いました。
具体的に、どうこのターゲットにプロモーションするかは、別の機会に考えますが、やはりPR、デジタル にチャンスがあるかと思ってます。
受け皿の強化
このリサーチを機に、一度フェンシングのチケットを購入しようとしたのですが、初心者にとっていくつか壁がありました。
・そもそもチケットをどこで買えばいいかわからない
・どの大会が「盛り上がる」大会なのかわからない
・フェンシング協会のHPでチケットを購入するのができない(ように思える)
上記ターゲット、USP設定をした場合、おそらくチケット購入を求める人は、普段のフェンシングではなく、「新しいフェンシング」を見に来ている人かと思います。また購入にいたる経路としては、検索が主流になるかとおもいますので、検索順位1位にくる受け皿である、フェンシング協会のHPの改修をすすめるでしょう。
「スポーツ観戦をしたい」と思うのは、友達に誘われる時以外だと、映像をみた時の刹那的な心情変化がおきた時だと思います。よってその少ないポイントをすくいあげるような、受け皿を強化するのが、重要だと思います
もっと幅出し、深掘りすべき点あるかとおもいますが、直近のフェンシングについてまとめてみました。
長文・駄文失礼しました!