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戦争を学ぶ

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戦争を学びたい人のためのマガジンです。軍事学のテーマを中心に、戦略、戦術、兵站、戦史などに関する記事を収録します。
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#洋書

ベトナム戦争におけるリモート・センサーの運用を記述したWiring Vietnam(2007)の紹介

ベトナム戦争で北ベトナムがアメリカの軍事的支援を受ける南ベトナムの対抗し、1975年には南北…

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第一次世界大戦におけるフランス軍の戦略と作戦を分析したPyrrhic Victory(2008)の紹…

第一次世界大戦(1914~1918)でフランスは西部戦線の作戦で中心的な役割を果たしました。フラ…

軍事上の必要性と社会の価値観をいかに調和させるか?『市民と軍人』(1985)の紹介

現代の国際社会でアメリカが指導的地位を維持できている要因の一つは、その軍事的能力の優越に…

砲艦外交を戦略として読み解くGunboat Diplomacy, 1919-1991(1994)の紹介

イギリスの研究者ジェームズ・ケーブル(James Cable, 1920-2001)は外交官として勤務した経験…

第一次世界大戦でドイツが英米に送り込んだスパイ:Spies of the Kaiser(2004)の紹介

1909年、イギリス陸軍省に外局として秘密情報局(Secret Service Bureau)が設置されました。…

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現代の陸軍の新しい組織構造を大胆に提案したBreaking the Phalanx(1997)の紹介

1990年代に発表された陸上戦の研究成果の中で、特に注目された著作の一つにアメリカ陸軍軍人ダ…

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手っ取り早く戦術の初歩を学びたい人のためのHow to Win on the Battlefield(2018)の紹介

軍事学で避けて通れないのが戦術の議論ですが、それを一から学習しようとすると、さまざまなハードルが現れます。戦術の基礎には、武器や装備、部隊の編成や運用、地形や気象などの予備知識があり、地道に戦例を学ぶことを通じて原則の意義やその適用の仕方を理解していかなければなりません。法学の学習と同じように解釈を学ぶためには具体的な事例に抽象的な概念を落とし込むという練習が必要となるのです。 こうした学習に入る前に、そもそも戦術家はどのような視点で状況を見るのか、どのような考え方を持って

いかに国家は戦費を調達するのか? How States Pay for Wars(2016)の紹介

戦争を遂行する能力を構築するためには、財政的な裏付けが必要です。軍隊を構成する人員、武器…

なぜ現代の内戦は長期化する傾向にあるのか? Neverending Wars(2005)の紹介

内戦は経済発展が遅れた発展途上国で起きやすいことが知られており、研究者も民族や宗教に起因…

第一次世界大戦の太平洋戦線を記したThe Neglected War(1995)の紹介

第一次世界大戦(1914~1918)はその名の通り世界規模で遂行された戦争でしたが、その歴史はヨ…

アジア太平洋の戦争史で兵站の意義を考えるMilitary Logistics and Strategic Perform…

その国の軍隊が与えられた任務を達成できるかどうかは、産業動員や兵站支援の成否によって大き…

地方政治の視点でベトナム戦争の特徴を捉えた War Comes to Long An(1972)の紹介

1945年8月に第二次世界大戦が終結したとき、それまで日本に支配されていた東南アジアのインド…

核の使用を自制させる規範の形成を分析したNuclear Taboo(2007)の紹介

国際政治で核兵器の運用方針を説明する理論を構築するため、研究者は合理的選択アプローチを採…

ベトナム戦争で米空軍はどのように戦術を刷新したのか? The Air Force Way of War(2015)の紹介

1972年12月18日、アメリカ軍は100機を超えるB-52爆撃機を用いたラインバッカー2作戦を開始し、北ベトナムのハノイとハイフォンに対して爆撃を加えました。この作戦は12月29日まで続きましたが、北ベトナム軍は激しく抵抗し、アメリカ軍は予想を上回る損失を被りました。 このような経験を踏まえ、アメリカ空軍は組織や運用を抜本的に見直す必要性を認識するようになりましたが、その道のりは平坦ではありませんでした。詳しい経緯についてはBrian D. Laslieの著作『空軍の戦い