e―まくらのそうし / takesky2
最近の記事
【映画コラム/考察】『ベルイマン島にて』ミア・ハンセン・ラブ監督「母性の幻影によって残されたパターナリズム(父権主義)②」《2022年印象に残った映画》
『ベルイマン島にて』ミア・ハンセンラブ監督 『ロスト・ドーター』マギー・ギレンホール監督 『仮面/ペルソナ』イングマール・ベルイマン監督 ※この記事は、『わたしは最悪。』と一部、関連させて考察しています。 『ベルイマン島にて』におけるパターナリズム(父権主義) 『ベルイマン島にて』は、イングマール・ベルイマン作品の撮影現場でもあり、ベルイマン自身が後半の人生を過ごした場所でもあった、フォーレ島を舞台にした作品です。 主人公のクリスは、新進気鋭の映画監督で、年上のパ
マガジン
記事
【映画コラム/考察】『わたしは最悪。』ヨキアム・トリアー監督「母性の幻影によって残されたパターナリズム(父権主義)①」《2022年印象に残った映画》
『わたしは最悪。』ヨキアム・トリアー監督 『あのこと』オードレイ・ディヴァン監督 『テルマ』ヨキアム・トリアー監督 『ロスト・ドーター』マギー・ギレンホール監督 『テルマ』とパターナリズム(父権主義)からの解放 『わたしは最悪。』について語る前に、ヨキアム・トリアー監督の前作『テルマ』について触れておきたいと思います。 『テルマ』は、ジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』がそうであるように、一見、だだのオカルト・ホラーテイスト作品のようで、本当は、テーマ性を持
【映画コラム/考察】『ペイン・アンド・グローリー』ペドロ・アルモドバル監督「痛みと愛情と映画(愛を伝えるシニフィアンとしての映画)」
『ペイン・アンド・グローリー』(2019) 『セクシリア』(1982) 『神経衰弱ぎりぎりの女たち』(1988) ※現在、『ペイン・アンド・グローリー』は、Amazonプライム会員特典で視聴できます。 アルモドバル監督作品の対極にある半自伝的ストーリーとしての『ペイン・アンド・グローリー』 『ペイン・アンド・グローリー』(2019)は、これまでのペドロ・アルモドバル監督作品とくらべて、コメディ要素や極端な設定や劇的な展開がほとんどない作品です。 ペドロ・アルモドバル監督
【映画コラム/考察】『ロスト・ドーター』『パワー・オブ・ザ・ドッグ』などに見るジェンダーフリー映画の潮流「"男らしさ"による抑圧/母性社会の肯定から"母性"による抑圧へ」
『荒野にて』(2018)アンドリュー・ヘイ監督/『ROMA/ローマ』(2019) アルフォンソ・キュアロン監督/『パワー・オブ・ザ・ドッグ』(2021)ジェーン・カンピオン監督/『ロスト・ドーター』(2021)マギー・ギレンホール監督 【関連記事】 Netflix『パワー・オブ・ザ・ドッグ』『ロスト・ドーター』とジェンダーフリー映画の潮流 年末に近づくと、アカデミー賞を意識した作品が全米で公開ラッシュになりますが、ここ最近は、特にNetflixの年末の配信ラッシュが目を引