◆「探究学習 < 青汁」という世界もある◆ まいに知・あらび基・おもいつ記(2023年7月27日)
<探究対象…実家、価値観>
「そのW杯っていうのが取れるといいね」
正確なフレーズは憶えていないのですが、確かこんな感じだったと思います。これは私が高校時代によく読んでいたサッカー漫画『Jドリーム』の中のセリフです。この漫画のキャラクターに富永という選手がいるのですが、彼は日本代表のゴールキーパーでワールドカップ予選を戦っていました。途中オフの期間があり実家に帰ってくるのですが、そのとき他の親戚はワールドカップの話題で盛り上がっている中、富永の母親はサッカーのことはよく分からないのですが、とにかく富永の体調のことを気にかけていました。そして、富永の表情が険しいことも心配していました。【情報の収集】
今回、実家に帰ってみて、ふとこのシーンを思い出しました。それは、自分がこだわっていて、努力を重ね、それが大きな価値を持っていると感じているものの、その価値は必ずしも普遍的とは言えないのではないかという問いに関わっていると思います。【課題の設定】
漫画の中とはいえ日本代表のサッカー選手のワールドカップに関わる話と、一介の教員である私の話を並べるのは大それたものだと思いながらも、しかし構造上の共通点を感じています。【整理・分析】
富永の母親は、ワールドカップ出場どころか、サッカーのルールさえ分かっていません。ゴールキーパーという役割のことも分からず、「一人だけボールをぶつけられている」というセリフなども出てきます。そして、「そのW杯っていうのが取れるといいね」というセリフで、富永がこだわっているものに対する価値を認めつつも、それ以上に大切なことは富永の体調だったのです。また、そのとき富永が正ゴールキーパー争いで心穏やかではない内面についても、表情の変化から読み取って心配していました。【整理・分析】
私の場合は、海外の色々な在学教育施設で教員をしたり、探究学習の教材開発や記事執筆をしたりして、それらの活動にそれなりの価値があると感じていたわけです。しかし私の母親は「すごいねえ」とか「頑張っているねえ」という言葉で私のこだわりの価値を認めてはくれているものの、そういう話の具体的なことは分かっていません。それよりも、海外で暮らしていて体調は大丈夫なのか、食事は大丈夫なのかということの方が高い価値を持っているようなのです。【整理・分析】
古代ギリシアのソフィストであるプロタゴラスの言葉を借りると、「万物の尺度は人間である」ということになるでしょうか。何に価値を見出すかは、人それぞれで相対的ということですね。【情報の収集】
今回の実家訪問で親の反応を受け取り、ここ最近は特に、自分が世の中で非常に価値の高いことをしているんだというような自己暗示をかけすぎて、虚栄や傲慢が膨らんでいたように感じています。これは虚栄や傲慢のエスカレーションをリセットするチャンスなので、親には感謝しなければなりません。【まとめ・表現】
このことを含め、実家に帰ると色々と気遣ってくれるのは大変ありがたいのですが、健康に良いからということで、どうしても持って帰りなさいと「青汁」を渡されてしまいました。飛行機はLCCを利用しているため、機内持ち込み荷物の重量限度が7kgで、私の荷物はすでに7kgでギリギリの中、大変ありがたいお土産をもらい、これ以上、荷物は持ち込めないと思います。【まとめ・表現】
まあチェックインカウンターや保安検査場を通過すれば、そのあと重さは確認されないので、搭乗口のロビーの売店で追加の買い物はできますが、問題はこの青汁でチェックインカウンターなどを切り抜けられるかです。もし重量オーバーだった場合、他の何を捨てるか考えねばなりませんね。【まとめ・表現】
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