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★我楽多だらけの製哲書(64)★~3年前の挑戦の場とゴータマ・シッダールタ~

(2019年の出来事の回想である)
私は今、お正月休みの余韻の中にいる。
お正月というと、日本ならば1月1日周辺のイベントであり、中華文化圏ならば旧正月というとこで、毎年1月末から2月初め辺りに設定されるイベントを思いつくが、今は4月であってそのどちらにも当てはまらない。

英語が得意なわけではないが、国外で旅行をしたり生活をしたりするとき、これまで英語のおかげでコミュニケーションが曲がりなりにもとれていたことを痛感する今日この頃である。
現在、私が住んでいる国は、英単語さえ並べれば何とかコミュニケーションはとれるという私の固定観念を良い意味でも悪い意味でも破壊してくれた。英単語が通じないことがほとんどなのである。人によっては英単語が通じることもあるが、全くコミュニケーションがとれないことの方が多く、私が勝手に作り上げていた国外での常識が常識ではないことを思い知らされている。

「サバイディー(ສະບາຍດີ)=こんにちは」
「コプチャイ(ຂອບໃຈ)=ありがとう」
ようやく簡単な言葉が使えるようになってきた。ただ、とっさにはどうしても「サンキュー」と言ってしまう。

3月終わりからシンガポールを離れ、新たな挑戦の場として東南アジアのこの国に来ている。
新年度に入って授業も始まり、新生活も落ち着きを見せてきたところで、お正月休みになった。施設利用の関係で学校が10日以上も空いてしまう大型連休となったので、家の周囲を散策するだけでは物足りず、国内線に乗って、この国の最大の観光地を訪れている。
ここは世界遺産の町として有名であり、私が住んでいる首都と比べても、その賑わいはかなりのものである。何より外貨両替のお店の多さが印象的で、ここがいかに多くの観光客を迎え入れているかの証明になっている。

この町も、住んでいる首都もそうだが、この国はとにかく至るところに仏教寺院がある。そしてオレンジ色の布をまとった僧侶を多く見かける。そして、仏教寺院の中にはまばゆいばかりに金色で塗られた数々の仏像が並べられている。ここまで多くの仏像があるならば、偶像崇拝を禁ずる宗教も、想像を超えているので、許してくれるのではないかと思ってしまうくらい、本当に数多の仏像・数多の寺院がこの国にはある。

仏像を見て回ると、その表情や姿勢が異なっており、それぞれに意味があるようである。その中でも、仏教の開祖であるブッダ(ゴータマ・シッダールタ、釈迦)の像は、やはり開祖なので特に多く、その像はブッダの悟りに関連して3つに大別される。その3つとは立像(立っている姿)・坐像(座っている姿)・涅槃像(横になっている姿)であり、立像は修行の途中で悟りを開く前の段階、坐像は悟りをいよいよ開く段階、涅槃像は悟りを開いた後で弟子たちに説法する段階だが、涅槃像のうち目を開いているものは入滅前の最後の説法をしているときを表していて、目を閉じているものは入滅した後を表していると考えられている。
この悟りとは何であるか。ブッタは悟りを開いた後、最初の説法(初転法輪)がサールナートという場所で行われたが、ここで彼の悟りの核となる内容が示された。その内容の代表的なものの一つが「四諦」である。これは四つの基本的な真理のことである。世の中で人々は日々苦しみを抱えて悩んだり迷ったりしているが、その苦しみの捉え方そのものをブッタは悟りによってパラダイムシフトさせたのである。ブッダによれば人生それ自体が苦なのである。人生というものが始まるから苦しみもついて回るわけで、出生は苦なのである。また生まれた後、病に関わることも苦であるし、老いていくことも苦である。そして死を迎えることもやはり苦なのである。ブッダはこのように苦というものの捉え方を一つの真理として示し、この真理は四諦のうち「苦諦」と呼ばれている。(他の三つは、「集諦」「滅諦」「道諦」である)
ブッダが示した様々な悟りが、2500年後の現在でも信仰されているのは、彼が普遍的な真理を明らかにしてくれているからだろう。大昔も今も人間は苦しみを抱えているが、なかなか苦の実態を捉えきれないもので、やはりブッタの教えを学びながら苦と向き合わねばならないのである。それゆえ彼は偉大であるし、後世の人々を惹きつけているのだろう。
私もこの国でブッダの教えについて改めて学び直し、高校公民科の倫理の理解を深めていこうと思う。

そういえば、しっかりと新たな仕事についての説明をしていなかった。私はラオスの首都ビエンチャンで、ビエンチャン日本語補習授業校の教員として勤めている。授業日は週3日であるが、小学生に国語と算数を教えるということで、新たな挑戦であり、授業準備は楽ではないものの、これまでにはない新鮮な刺激となっている。

今日の投稿はシンガポールの次なる挑戦の場を公式にお知らせするに留め、これからラオスで私が遭遇する出来事や見聞を広めることで描き換えられていく私の思考地図についての記述は順次進めていこうと思う。それから現在旅行で訪れているのは世界遺産の町ルアンパバーンである。(それにしても、3年後に今度はタイに住むことになるとは想像していなかった・・・)

(以下で、ラオスの写真を紹介)
#旅のフォトアルバム    #この街がすき
#ラオス    #ゴータマシッダールタ   #哲学

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