「ボクの人生を変えた、新人営業マンとの出会い」キャリアに悩むあたなたへ。転職7社、やりたいことをやって幸せになるためにボクがしてきたこと(10)
音響企画会社で、メキメキと自分のポジションを確立したボクは、入社して数ヶ月で、30人近いアルバイトの管理も任されていました。採用、教育、配置、シフト調整や人件費管理、給与計算など一通りのことをやらせてもらっていました。そんな中、アルバイト採用の広告媒体の新人営業マンとの出会いが、ボクの人生を大きく変えることになります。
営業という仕事に対するネガティブな固定観念
今でこそ、営業は楽しくてやりがいのある仕事だと思っていますが、その新人営業マンと出会うまで、営業とは、ノルマがきつくて、ただ泥臭くて大変な仕事で、自分には絶対に出来ない仕事だと思っていました。学生の頃、一日だけ住宅のポスティングバイトをした際に、ギラギラした営業マン、壁中に貼られたノルマが書かれた模造紙、そんな営業のイメージが強く印象に残っていたことも理由だと思います。
飛込み営業をしてきた新人営業マンとの出会い
新卒で入社したばかりの新人営業マンが、ある日アポなしで飛込み営業をしてきました。ちょうどアルバイト募集のための媒体を調べようとしていたときで、時間もあったため、事務所の片隅に座ってもらい、媒体の説明をしてもらいました。彼は緊張して汗ダラダラで、正直、何を言っているのか、よくわからなかった記憶があります。
それからまたしばらくして、もう少し詳しく話をさせて欲しい、ということで、教育担当の方が同行して、再び事務所に来てくれました。話自体は、やはりよくわからなかった記憶があるのですが、同行してくださった教育担当のフォローもあり、ボクが知りたいことは一通り教えてくれました。
他にも何社か話を聴いて、最終的に、その新人営業マンのところにお願いすることになりました。正直そのときは、彼が良かったからお願いしたわけではなく、単純に媒体そのものや、金額を比較したときに、彼のところが良かったから依頼をしたのでした。
初受注だった新人営業マンの喜びよう
ビックリしたのは、彼に正式に依頼したとき。電話口で、なんだか彼がいつになく騒がしく、お礼らしきことを言ってくれていたのを、今でも覚えています。あとから聴いた話ですが、新卒で入社して3ヶ月目、周りの同期はどんどん受注をしていたのに、彼はまだ受注したことがなく、ボクからの依頼が初受注だったらしく、とにかく嬉しかったそうです。
営業を経験している今なら、その時の彼の気持ちは、もちろんよくわかりますが、当時、営業をしたことのなかったボクには、その喜びようは、あまり理解できませんでした。
新人営業マンが教えてくれた課題解決型の提案営業
それから彼が何度か事務所に通ってくれて、どんな人を採用したいのか、原稿を書くためのヒアリングをしてくれました。そのときに、彼は何度か、ボクが気付いていなかった、会社の課題にも気付かせてくれて、それを解消するためには、こんな人が応募してくれたらいいですよね、といった提案をしてくれました。ただモノを売るだけが営業だと思っていたボクにとって、求人原稿を作るために、そんな気付きをもらえるとは思ってもみなく、彼が新人だったとはいえ、求人市場をある程度わかった上で話をしてくれて、色々と勉強になったと同時に、営業という仕事に対するボクの見方が変わり始めたタイミングでした。
その後、実際に応募が始まると、彼は、応募がある度に、電話口で喜んでくれました。そして面接をして採用が決まると、もっと喜んでくれました。それがボクには衝撃的で、採用媒体のただの営業マンだと思っていた人が、こんなに気持ちを一緒にして伴走してくれることが、心強くも感じていました。
彼との出会いで大きく動き出すボクの人生
おかげでボクはそれから2年後、彼が所属していた広告代理店の大本の会社、リクルートに、期間限定契約で、勉強をするために入社することになります。提案型営業、課題解決型営業、クライアントと伴走する営業。それを自分自身で体験してみたいと思ったのです。彼以外にも、他社採用媒体の営業マンや、同じ会社でも一時期彼が担当から外れて別担当になったこともありましたが、彼の熱意を超えられる人はいませんでした。おそらく同じ会社の営業マンであっても、彼でなければ、こんな気付きをもらうことは出来なかったし、ボクが営業をしてみたいとは考えなかったと思います。
あれから10年。彼もボクも、既に当時いた会社にはいないし、仕事上の繋がりはありませんが、いまだに時々会って、近況報告をしています。ボクより年下ですが、営業の大先輩であり、とても強力な営業の相談相手です。会う度に、まだまだこの人には敵わないなと思います。汗ダラダラで、何を言っていたのかわからなかった姿はもうどこにもなく、今は部下を引き連れた立派な頼れる営業マンです。
彼との出会いがなければ、リクルートに入社することもなく、今の自分は確実にいなかったことになります。あのとき勇気を出して飛び込み営業をしてくれて、とことん採用に向き合ってくれた彼の情熱に、心から感謝です。
かなやんレベル13→14
・人生を変える出会いは突然に
・情熱は人を動かす