42歳、8社目の転職【中】転職活動編
何度も転職をしてきましたが、実は今まで、転職活動の期間が1ヶ月を超えたことがなく、面接を受ける企業も5社前後だったのがほとんどでした。けれども今回は1ヶ月半かかり、面接は20社ほど受けています。今までに比べるとおよそ2倍の期間かかっているので、1ヶ月半であっても私にとってはとても長く感じた活動期間でした。(退職編はこちらから)
気付けば社外に相談相手がたくさん
7社目までの転職活動を思い返してみると、ほとんど人には相談せずに次の職を見つけていました。でも今回は、10人以上の人たちに相談しています。(私にとって)長丁場となった今回の転職活動は、そういった周りで支えてくれた人たちのおかげで乗り越えることが出来たのです。
キャリアコンサルタント仲間で親友である宮内さん、キャリアツーリズムせんのみなとの高崎さんと長嶺さん、プロ人事集団のHRギルドでお世話になっている松本さんと山田さんと吉永さん、人事仲間の親友であるはっせさんとなつめさん、R時代からの仲のふっきー、仕事に関係ない友人たち、そして同じ人事チームだったナオ君。退職するかどうかの決断をするために悩んでいた1週間とその後の転職活動中、多くの人に支えてもらえているという安心感は、とても心強いものでした。
オンライン時代の転職活動
書類選考は100社ほど、面接は20社、責任者ポジションとあってどの会社も最終面接までは3回以上なので、1ヶ月半で延べ40回ほどの面談面接を受けました。どちらかと言うと今回の転職活動は、狙いを定めていたわけではなく、幅広く受けていたので、ありがたく最終面接まで残ったのが6社でした。
今年になってから副業も始めていたし、今までも考えたことは何度かあったので、今回の転職でも独立を考えはしました。ただ、私はチームで何かを成し遂げていたいと思っていて、もちろんそれは組織に属さなくても可能ではあるものの、やはり組織人であることを選びました。
退職する会社の引き継ぎや、引き継ぎとは別に最後の大きな仕事も残っていて、さらには今回は退職を先に決めていたので、のんびり転職活動をする時間はありませんでした。ただ幸いにもフレックスタイム制でリモートワークが自由選択だったので、毎日1社以上、有給休暇をもらった日は多くて6社も1日に面談面接を受けていました。これはもう、オンライン時代だからこそ出来たことでした。コロナ前のように一次面接から直接会社に訪問するのが当たり前であれば、この期間にこれだけの数を受けることは不可能でした。
たまには面接を受ける側になってみて
人事として、普段は新卒採用も中途採用も面接をする側でしたが、たまには面接を受ける側になると、気付くことはたくさんありました。
まず、自身へのフィードバックをしてもらえることは、この歳になるとあまりなくなってきます。もちろん、面接後にフィードバックをいただき凹むこともありましたが、おっしゃる通り、ということばかりでしたので、凹みながらも真摯に受け入れることを心掛けたり、あるいは一度会ったきりの面接で言われたことなので、普段の私を知る人たちに相談をしてみることで、自身を見つめ直すことが出来ました。
そして自身が面接後にフィードバックをもらって気付いたのですが、当たり前のことながら、面接官はフィードバックをもらえません。紹介会社を通して感想を聞けたとしても、基本は立場がありますので、面接を受けた人が本音の本音で感想を言ってくれることはそう多くはないわけです。こういう面接をしてくれるとこちらも話しやすくなるんだとか、こういう面接をされると違和感や嫌な思いをするんだとか、こういう面接のやり方があるんだとか。
恐縮ながら最終面接を辞退した会社の人事様より、紹介会社を通して辞退の理由をさらに教えて欲しいとやり取りがあったことがありました。そこまで言うならと、僭越ながら私も包み隠さずお伝えしたのですが、もともと面接の当初から聴く姿勢など見習わなきゃと思っていた会社様で、そういった姿勢がとても勉強になりました。
他人の人生を聴くのが好きな私にとって、転職活動という口実で、短期間で様々な考え方を持つ多くの方々とお話させていただけたことは、私にとっては貴重な時間でした。各社の大切な採用活動の中で時間を頂戴した人事や経営者の皆さまに、改めて感謝です。
人事って仕事は幅が広くて奥が深い
人事部長をしていた私ですが、それは私の能力というよりは、たまたま、ぼっち人事で入社した時期から今までの間に会社の力で成り上がったようなものなので、世の中の人事という仕事をしている人たち、責任者をしている人たちは、本当に凄いなと、なんとも子供っぽい感想を持ったのも、人事責任者のポジションを中心に転職活動をしたおかげです。
人事責任者ポジジョンの求人は、当然のことながら、一人だけのピンポイントな募集です。会社によって、規模もフェーズも異なり、人事責任者を募集するに至った背景も異なります。異なるレベルが、想像以上に異なりました。そもそも人事領域が広いだけあって、さらには最近は戦略人事といった言葉も出てきているくらいで、その解釈もバラバラです。「面接官と私の能力、被ってるやん」ってことも少なくありませんでしたし、経営目線を求められるポジション募集もあれば、現場目線を求められるポジション募集もあり、同時にたくさんの会社を受けていたからこそ気付けた一方で、頭の整理を追いつかせるのに必死なこともありました。
日本の会社は特に、スキルも大切ですが、カルチャーマッチも非常に大事。でも責任者レベルである以上、カルチャーマッチだけでも足りないわけで、そのピースを埋められる場所を見つけに行くことは、100社書類選考してもらっただけでは、本当は足りなかったくらいなのかもしれません。そして、リファラル(縁故)採用といった知り合いの紹介だからと言って、必ずしもピースに当てはまるわけでもないので、ハイクラスの人材紹介やヘッドハンターをしている方たちの情報網は本当に凄いんだろうな、ということも感じた転職活動でした。前職でも責任者レベルの採用は、決まるものもあれば年単位で決まらないものもあったので、そこに携わって入社後の活躍も含めた成功をさせている人たちのことも改めて尊敬します。
こうして、このタイミングで出会えた人たちの中から、縁あって最終的に入社に至った会社は、まさかの人事職ではなかったのです。