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【『投資』『教育』『機能』『見極め』人材ラベリングに合わせて人材開発手法を変える】ことを徹底する

こんにちは。株式会社シンシア・ハートで代表取締役をしている堀内猛志(takenoko1220)です。
前回のnoteでは、「【辞めてもらいたい人に気持ちよく辞めてもらう】ことを徹底する」ということについて書きました。

おかげさまでハートの数以上の反響をたくさんいただきました。やはり、『大きな声で賛成はしづらいけど本当のこと』をちゃんとまとめることが重要だと感じました。「大きな声で言いやすい本当のこと」はそこら中に落ちていますが、『大きな声で賛成はしづらいけど本当のこと』はなかなか落ちていないんですよね。人事徹底では、できるだけ生々しい情報で、真剣に人事について考えるプロフェッショナルの手助けになることを目指します。

さて、今回のテーマは『人材開発』です。前回のnoteでは退職させるべき人材の見極めと、退職してもらう方法についてお伝えしましたが、退職してもらう人材だけではなく、残すと決めた人材もきちんと見極め、ラベリングし、人材に合わせた開発と管理を行う必要があります。今回のnoteでは、人材のレベルを見極め、そのレベルに沿った人材開発方法について解説していきます。


人材開発と人材管理の違い

人材開発と人材育成の違いや、人材開発と組織開発の違いを説明している記事やサイトは多いのですが、何気に人材開発と人材管理の違いを説明しているモノはないんですよね。それは、多くの人は、公平公正の観点から「社内の人材を分ける」ことに対して極点に臆病になっているからこそ、明言しづらいのだと考えます。

と言うのは、人材開発と人材管理は下記のように区別されるからです。

人材開発と人材管理の違い

「大きな声で賛成はできないけど本当のこと」のひとつに、『人の優秀さはほぼ20歳までに決まってしまう』ということがあると思います。採用が人事戦略の一丁目一番地だと言うのはこれが理由です。

これまでの日本の新卒採用においては、就活における人気企業が優秀な学生を独占していました。しかし時は流れ、優秀な学生が日系大手ではなく、起業やスタートアップを選ぶようにも変わってきています。これは規模の小さな企業にとってはチャンスです。他人が作った「ブランド」に乗っかるのではなく『自分の規律』に沿った生き方を選ぶ傾向が強まったおかげです。自立と自律の違いについては下記のnoteをご確認ください。

ただし、自分の規律で生きることができる人材を、組織に留めておくのは至難の業だと理解しておく必要があります。肝入りで育てていた若手エースが辞めてしまう問題は、規模の大小問わず様々な企業で起きています。いつか次世代の経営者になってもらいたいと思っていたエースの退職は企業にとってさぞ痛手でしょう。それくらい経営者の素質を持つ人材に出会うことも、育てることも難しいのです。

自分一人でも独立して成功できる人材を組織の中で経営者に育ってもらう、そのために、企業は真の意味での人材開発を実践をする覚悟が必要なのです。

人材開発と人材管理のためのラベリング

人材開発という言葉は様々な企業で使われていますが、表面的であり、真の意味での人材開発に取り組めている企業は少ないように思います。なぜかというと、人材管理と違い、人材開発は個人主体で考えるものだからです。

人材開発と人材管理の主体者の違い

組織とは全体最適が前提で成り立っています。これを個別最適にしようというのは無茶な話です。しかし、そもそも「自律型人材」「人的資本」とは、個人を主体として考えるべき概念であり、現状の上辺だけのメッセージの方がよほどおかしいのです。

ゆえに経営者は、真の意味での「人材開発」に取り組むための胆力が求められており、これができる経営者には、経営者ポテンシャルを持っている人材が集まり、組織を離れずに育っていきます。

一方で、組織にいる人材全員に個別最適をしてしまうと組織が壊れます。よって、人材開発の対象となる人材はごくわずかの優秀層のみでいいと考えます。

人材ラベリング

人には自尊心があります。自分のことを大事にして欲しい、大切に扱われたい、という欲求があります。それなのにラベリングされ、あなたにはその価値はない、なんて言われたくないですよね。なので、人材ラベリングは大きな声で明言されていないのだと思います。

ただし、ここで公平公正に一石投じたいアンチテーゼは「人材ラベリングはそんなに悪いことなのか?」ということです。だって、スポーツの世界だと明確に人はラベリングされ区別されているじゃないですか。強い部活には選ばれた人しか入部できないし、さらにその中で選ばれたレギュラーは練習場所や待遇が違うのは当たり前のことです。

それは企業における社員の育成でも同じことが言えます。エース人材と一般人材に同じ業務をさせ、同じ育成を行うのはナンセンスです。それをきちんと区別するためのラベリングです。

ここからは、それぞれの人材のラベリング方法とトリセツについて説明していきます。

①投資人材 約5%

人材開発のメインターゲットとなる人材です。特徴は以下の通りです。

▼投資人材の特徴
・視座、スタンス、スキルが同世代のそれと比べて圧倒的に高いレベルである
・新卒採用の人材の場合、学生時代から起業するなど一般的な人材が行っていないような経験をしており、一定以上の成功を収めている
・中途採用の人材の場合、成長企業における事業責任者や子会社代表などの経験があり、一定以上の成功を収めている
・思考力は高いが、必ずしも高学歴なわけではない
・自分一人でも事業創造をできるが、謙虚な姿勢があり、組織で自分の不足している経験や能力を得ようと考えて入社してくる
・一定の組織におけるルールには従うが、基本的には自由と権限を望むため、箱に閉じ込めようとするよりも、自由にさせた方がその力を発揮してくれる
・本人よりも高い視座から薫陶する必要があるため、能力が高くても視座が低い上司に対しては尊敬の念を持ってくれない
・ルールや規則が強すぎる組織だとすぐに出て行ってしまう
・将棋に例えると、盤面を自由に動く「飛車」「角」人材

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