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朝日の砂糖漬け(ショートショート)
夏の朝日を集めたものに、ゼラチンと砂糖を加えて熱する。
その後で乾燥させてできるものが朝日の砂糖漬けだ。
季節ごとに味が変化するのだけれど、夏の朝日は、その日一日の太陽からのエネルギーの一部が溶けだしていて、そのためか少しピリッとした爽やかな辛さがある。いわば、しょうがのような辛さ。
僕は夏の良く晴れた朝、いつも窓を開けて朝日を集める。朝の四時頃には起きるようにしている。なぜかと言えば、その時間帯から徐々に朝日が顔を出し始めるからだ。特に、空の色が変化する瞬間。
青っぽい空気が、白く変化するタイミングがある。その時に一番新鮮な朝日が採れる。それを見計らうというわけだ。
”一日分のエネルギーの一部が溶けだしている”だけのことはあって、それをひとつ食べるだけでとても活力が湧いてくる。
普段の生活で、ときどきエナジードリンクに頼ってしまうときはあるけれど、こういう自然のものから作った栄養を摂ると、何となく体の調子もいいような気がするから不思議だ。