【小説】ウーマン・スナイパー・ウィズ・カメラ 〈「六十度」#5〉
クレオールコーヒースタンド 小説サークル「六十度」五号 掲載作品
写真の好きなところは映る生命を標本化して所有できるところなんです。撮影は言ってしまえば狙撃です。対象をフレームで捉え、引き金を引くようにシャッターを切り、命を消し去った物として固定化するという事なのです。記憶ではなくデータとして持ち歩ける事にあたしはエロスを感じるのです。たまに引っ張り出してはあたしが殺したモノたちを愛でるところが堪らなく愛おしいのです。一例ですが、待ち合わせに遅刻して申し訳なさそうな元彼の