『ブラック・ジャック』展に行った話。
♠諸注意♠
世の中、様々な『情報』はございますが、今回は『ブラック・ジャック』展の投稿になります。よろしくお願いいたします。
また、紹介する作品の一部で『事件』についての記述があります。
どうしても残しておきたいことなので、併せてよろしくお願いいたします。
♠初めに♠
戦時中でも漫画を愛した。
腕を病に侵されたからこそ医者を目指した。
会社倒産、一家離散。『手塚は終わった』と言われてもペンを握った。
漫画の神様『手塚治虫』
森美術館での展示会は、ただ圧巻。
無事、出口に辿り着けるのか心配になるほど、地の果てが見えない。
『ブラック・ジャック』の全てがそこにあった。
京都での展示会は、より展示内容が”濃縮”されていた。
それでも手塚治虫先生の伝えたい『万物に生命は宿る』と語りかけてくる。
『20ページあったら描ける。』
再起をかけて創り上げた、渾身にて不朽の名作『ブラック・ジャック』。
現在、美術館「えき」KYOTOにて絶賛開催中の展覧会の内容と併せて、昨年、森美術館で開催された展示会も本項で紹介していく。
♠個人的お気に入りエピソードBEST5♠
①『六等星』
本当に仕事が出来る人の話。
この話が世代を超えても愛されている事が何より嬉しい。
②『めぐり会い』
”大事な部分”を切除する話。
至上のラブストーリー。
③『浦島太郎』
植物状態の人間を治療しただけの話。
医療に『善』も『悪』もない。あったのは『無念』。
医療の万能さより愚かさを描いた名作。
④『2人のジャン』
冊子への再掲などが見当たらないため、事実上”お蔵入り作品”になっている(?)エピソード。シャム双生児の話。
『”自分達”は実験動物ではない』と訴えかけるシーンがつらい。
⑤『しずむ女』
公害病の話。
OVA版で原作改変あっても名作になった話。ただ、やるせない。
同じ公害病であれば『ふたりのピノコ』”大きな組織”が加害側というカテゴリであれば『やり残しの家』も見ていただければなと。
♠その他おススメエピソード♠
※似たエピソードを複数まとめて紹介しています。
◎『アリの足』『友よいづこ』『選ばれたマスク』『時には真珠のように』『ちぢむ!!』
個人的オススメ・ブラックジャック先生エピソード。(『笑い上戸』なんかもオススメ)紹介している話は過去話が多いけれど、他人に指示させて自分を縫合させたり(銃創)自分で自分手術したり(ピノコ再び)複数人同時手術したり(こっぱみじん)一度人体を分離させて手術で元通りにする(タイムアウト)とか、わりと神業と人でなしの境を行き来するエピソードが多い。面白い。
『正義か そんなもんはこの世の中にありはしない(約束)』名言です。
◎『ピノコ・ラブストーリー』『ハッスルピノコ』『ピノコ再び』
『畸形嚢腫』『おとずれた思い出』
個人的オススメ・ピノコエピソード。
臓器が反転してる子の手術で、鏡持ってナイスアシストするピノコマジおくたん。(ピノコ・ラブストーリー)
『おとずれた思い出』はOVA版のイメージ強いかな。
「ばいばい、おねえちゃん」・・・ヴッ!!!(心臓を抑える)
◎『シャチの詩』
先生が岬に居を構えてから最初の”患者”の話。\トリトン!/
動物(自然)のエピソードとしてはこれが一番。アニメも名作。エピソードとしては最後せつないんですけれど、手塚先生の動物のエピソードとか見てしまうと、『知能』が高いのは果たしてどちらだろうと考えさせられる。
あと題名が『うた』なんですけど、『し』をかけ合わせてるのかなと…手塚先生ならやりそう。あと『コマドリと少年』『万引き犬(ラルゴ…)』『ネコと庄造と』『宝島』『ディンゴ』『オペの順番』なんかはおススメ。
◎『2度死んだ少年』
5年前に『事件』が起こった際に持ち出された物語なので、一言。
今回もですが、去年この原稿に出会えた事は意味があると思っています。
目の前で見た時は、正直苦しかったです。
個人的には『犯人は生きた上で、しかるべき罰を与えてほしい』ことだけです。情状酌量、それも踏まえて『死』で全てを有耶無耶にしてほしくない。
3年ほど前からSNS上で戦っている人がいます。激化した切欠が、その人が追悼式前に『生きた人が(火の中で)どのように焼かれるのだろう』とSNS上に残した事。世の中、可愛いのであれば事もなし。医学以上に倫理の限界か。
◎『灰色の館』
全身やけどの兄の治療を依頼する美しい妹の話。
『医者は人のからだはなおせても……ゆがんだ心の底まではなおせん』
名言です。
◎『満月病』『ふたりの修二』
前者は、人の見た目をすぐにからかってはいけない事を教えてくれるエピソード(ただし不摂生の場合は私も知らん)。後者は、最近のオリンピックの『性差』があったので紹介。
◎『勘当息子』『もらい水』『幸運な男』
”親(特に母親)”にまつわるエピソード。アニメにもなっていたかと。
最初は1番手のかかる子が○○だった話。2番目はいわゆる”姥捨山”。最後は騙すつもりが結局ほだされた話。出生がアレだからもあるけれど、基本的にブラック・ジャック先生マザk…ゲフンゲフン。
◎『海賊の腕』『なんという舌』
手塚先生自身が両腕が大変になった経験があるからか『腕』に関するエピソードが多いのでオススメなのを紹介。あと、他人の人体を移植する話が多い印象。『復しゅうこそわが命』『ミユキとベン』『焼け焦げた人形』
(無理やり含めるなら『医者はどこだ!』)
(胴体同士を生きたまま引っ付ける話は『空からきた子ども』
◎『コレラさわぎ』
ブラック・ジャック先生が”コレラ”に罹ったかもという話。
普段カッコイイしかない先生のギャグ顔が見れるエピソード。
◎『赤ちゃんのバラード』『最後に残るもの』
赤さんエピソード2選。
前者はコインロッカー・ベイビー。後者は六つ子に生まれたよ~♪(だけど生き残れたのは・・・)
◎『にいちゃんをかえせ』
象足病の話。兄弟可愛い。
◎『動けソロモン』
アニメーターの青年の話。
他にも見たことあるけれど、たまーにこっそり内輪ネタ仕込んでくるのは嫌いじゃない。
◎『アヴィナの島』
たしか、原稿の展示あったはず。見た時、強烈だったので。
とても綺麗なバカボンのパパが描かれています。
来年80周年の楽しみを込めて。
あと詳細は省きますが、個人的に印象的な話をタイトルのみ。
『オオカミ少女』『人間鳥』『水とあくたれ』『スター誕生』『刻印』
♠おみやげばなし♠
東京・京都会場で入手したモノを紹介。
♠さいごに♠
『ブラック・ジャック』との出会いは、一番はアニメシリーズ。
手塚記念館は(前行った時、無くなってたかな)アニメーションの動画体験したかった記憶しかないし、漫画だと喫茶店で文庫版読んだ記憶。
私の中での手塚先生は、『負けず嫌い』のイメージが強いです。
あとは机とチョコレートを齧りながら、最期まで死に物狂いでペンを走らせた漫画家。さらに机の中から『やはり叡智は万物を司るのか』という代物が出てきたエピソード。好きですよ(*´꒳`*)ニコッ…!
手塚先生の線の魅力は適度な乙女心と曲線なのでね…!!!(*´꒳`*)ニコッ…!
何を言っているんだろう…。
疲れているのかな?
『ブラック・ジャック』は『正解』のない『味変』ストーリーかなと。
一話完結型ではあるんですけれど、大まかに分類すると似たエピソードって結構多いんですよ。時事ネタとか『ここぞ』というネタが来た時に『味変』だなと。
あと正しい事をしたからと言って、それが『正解』じゃない。
正しい行いが独りよがりだったり、正解に辿り付くには多少非人道的な事もある。相手(患者)にとって何が『正解』なのか見極めなさい。と見つめ直すきっかけを貰える作品かなと。
超個人的感想です。
漫画家としてのテクニックの話。あれだけ『激務』と言われていたにも関わらず、線が綺麗。ホワイトの修正はあれど、目立った誤魔化しがない。
シンプルに『線』だけで全て場の雰囲気を表現している。
あとスケッチの精密さ。ぜひ間近で触れて頂ければなと。
長くなりましたが、見て頂きありがとうございます。
今日も良い一日をお過ごしください。