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日本史の苦手なわたしが8ヶ月歴史の勉強をしてみたら

あれ、なんかわたし、ちょっとわかってきたんじゃない?

きょう、通信制大学院のオンライン講義を受けて驚いた。
わたしはいつの間に、歴史について少し理解できるようになっていたんだろう。

少し見えてきたかな?

日本史が苦手だったわたし

わたしは今年の4月から通信制大学員での歴史遺産に関する研究をはじめたばかりだ。もともと学部は文芸コースの専攻で、歴史(日本史)はまったくの初学者。なのに歴史に関する研究をするだなんて身の程知らずもいいとこだ。

きょうの講義は仏教美術に関するもので、歴史や当時の社会状況、さらに美術史に関する基本知識がないと理解は困難だとシラバスには書いてあった。

基本知識、ない。ないに決まってるやん。だって、うっかり日本史の勉強を始めてしまったけど、そもそもわたし世界史専攻だったし。漢字苦手だし。

とはいえそうも言っていられない。あわてて、事前配布資料の論文に目を通した。むずい。漢字が多い。読み方すらわからない言葉も多い。

氍毹座?

なんじゃそりゃ。

※説明しよう、氍毹座は「くゆざ」と読む。仏像などの台座の一種のこと。

そう、わたしは日本史が苦手だった。ほんとうにここだけの話なんだけど、鎌倉とか平安とか戦国時代とか、時代の順番さえあやふやだった。日本史といえばウグイスを鳴かしたり鳴さなかったり、平安京で鳴いたりするくらいの知識しかなかった。(それ、知識か?)

そんなわたしが旅と衣服をきっかけに歴史に興味を持った。日本を旅するようになって、日本の衣服や伝統的な繊維製品がどうやら「藩政」や「歴史」に関係していることを知り、近世〜近代のことをもっと知りたくなった。それに…じつはゴールデンカムイの影響も大きい。土方歳三の活躍した幕末や、明治時代のことをもっと知りたくて。

ゴールデンカムイ展の次は新選組展とかやるな(京都文化博物館にて・2022年)
『ゴールデンカムイ』に登場するイケオジ土方歳三の若かりし頃(左)

最初から挫折

そんな不純な動機でうっかりはじめてしまった歴史研究。わたしはしょっぱなから後悔した。

「古文書読めますか?」

「読めません」

まさに「おとといおいで」状態。しまった。

でもね、やりはじめてしまったものはしかたない。へこたれずにどうにか進むしかない。

そこで、わたしが現状を打破するために編み出した方法は次の5つ。

はたらく社会人大学院生が歴史を学ぶためにした5つのこと

  1. 耳で学ぶ

  2. 足で稼ぐ

  3. 言うことを聞く

  4. 手を動かす

  5. とりあえず3回読む


  1. 耳で学ぶ

まずは、基礎知識を入れることから始めた。一応ざっと学べる本を買って読んだけど、「う〜ん、やっぱり漢字がネックだわ」と思った。漢字が5文字以上並んでいると、その場でクルリとまわり右したくなっちゃう。

だから、耳で聴くことにした。それなら漢字を読まなくてもすむし、移動中やドレスの作業中に聴けるので、時間も有効に使える。

わたしが気に入っているSpotifyの歴史系ポッドキャストBEST3

・大人の近代史
最初にはまったポッドキャスト。これを聞いて近代史に興味を持った。今もいちばんすき。なんども聞いてる。時々ゴールデンカムイの話題が出るとめちゃくちゃうれしい。

・聞き流す歴史チャンネル
(当時)現役の高校教師さんが配信。日本史のことを教えてもらった。声も好き。日本史を流して理解するのに一番いいかも。

・歴史を面白く学ぶコテンラジオ
有名どころ。すごく頭良さそうな感じ。ときどきびっくりするくらいの神回があって泣きながら聞いてる。

「空海」の回とか、3回くらい繰り返し聞いた。名古屋に行った時に、「関ヶ原の戦い」を聴きながら関ヶ原を通ったのも思い出。

聴いて学ぶのはほんとうにおすすめ。


2.足で稼ぐ

あまりにも基礎知識がなさすぎるから、テキストや論文だけ読んでいてもぜんぜん頭に入ってこない。こりゃ、現物見たほうが早いわ。と現地へ。「そうだ、京都行こう」が地でやれるのが関西在住者の強み。とにかく知識のないわたしは足で稼ぐしかない。

京都・東寺

実物を見て、その場所の空気感を感じることって、けっこう重要。場所の距離感とか、位置関係とか、地理がわかっていると、理解が早いし、ひらめきにつながることも多い気がする。

今年は勉強と研究のためにいろんなところに行ったな。直接的に役立つことはなくてもすべてが繋がっていて、少しもムダではなかった。

▼今年行ったところ
(リンク先でそれぞれの旅のエッセイが読めます)

広島県尾道市 
京都府京都市
奈良県奈良市
和歌山県和歌山市
岡山県倉敷市
広島県
・秋田県
青森県
・兵庫県姫路市
兵庫県赤穂市
兵庫県明石市
愛知県名古屋市

3.言うことを聞く

先生の言うことを聞く。手厳しく、耳の痛いアドバイスもあったけど、「この本を読んでください」と具体的なアドバイスをいただいたら、その本をすべて読むようにした。わたしは「すすめられた本はすべて読む」ということを学部のときから実行している。これはほんとうによかったと思う。

むずかしくて、全然頭に入ってこなくても、「これって関係あるのかな?」と思うものも、とりあえず全部読んだ。

読んでよかったと思う。やっぱり、次にどんどんつながるので、ものすごく意味があったと思う。

学部のときから思ってたけど、これだけは素直にやっといたほうがいい気がする。


4.手を動かす

本を読んだら、次に手を動かす。

資料をコピーして、マーカーを引く。書き込みをする。紙のノートに手書きで書く。書き出して、整理する。時代を年表にしてみる。

とにかく手を動かすことが大事。

わたしはどうやら、耳、足、手など、身体的にやるほうが向いてるみたい。ふだん手を動かす仕事をしているからなのかな。ひらめきはいつもそこからやってくる。


5.とりあえず3回読む

難しい本も、論文も、とりあえず最低3回読むことにしている。1度目は、ザーッと流して読むだけ。めっちゃむずい。目が滑る。二段組の本とか、目が滑ってどこを読んでいるのかわからなくなる。ぜんぜん頭に入ってこない。それでもまずはよし。なんとか読む。

2回目は、わからない単語に印をつけながら読む。なんじゃそりゃ。はじめて聞いたわ。そんな言葉ばっかり。

3回目に読んだら、わからないなりにも、少しは流れが理解できるようになっている。すごいものだよね、人間って。


そんなことを繰り返していたこの8ヶ月間。やってもやってもわからないこと、知らないことばかりで、きりがない。果てしない。

でも。

でもね。

きょう講義を受けたら、びっくり。

あれ?

これ、わたしちょっとわかるぞ。

Spotifyで繰り返し聞いたし、なんなら現地に行って見てきた。高野山まで行ったもん。ふわりと高野槙と奥の院の樹々、そしてお香の香りが蘇った。うん、知ってるわたしそれ。わたしの体が知っている。

高野山にて

肌感で理解したんだな、わたしはきっと。

8ヶ月、がむしゃらに自分のやり方で歴史を勉強したら、なんとなく理解できるようになった。まだまだだけど。

でも、体を動かして、体で理解するのって、強い。


そして、ちょっとわかるようになると、歴史が断然おもしろくなった。え〜、知らなかった。全部現代に繋がってるやん。と、いちいち感動する。あれも、これも、この時代からの流れだったのか! とハッとする。

もともとの知識があまりにもないために、成長率的にはすごかったと思う。伸び代しかないってやつを、地でやっちゃった。

歴史、おもしろ。

まとめ

日本史ぎらいが8ヶ月歴史の勉強をしてみたら、世界の解像度が上がって、歴史を学ぶのがめちゃくちゃおもしろくなった、という話でした。

最後にわたしの勉強術をまとめておきます。

  1. 耳で学ぶ

  2. 足で稼ぐ

  3. 言うことを聞く

  4. 手を動かす

  5. とりあえず3回読む

でした!

まあでもそれと、研究が順調かどうかはまた別の話で…。
ひとつ乗り越えたら、またひとつ壁が立ちふさがる。そういうものなのかな、研究って。

でもそれはそれで、楽しんでいこうっと。

高野山のやきもち、美味しかった!


それではまた〜!

お互い勉強がんばりましょう!



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タケチヒロミ(Roulottes)
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