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#52 エッセイの美学/エッセイ

「頭に浮かんだ言葉を、その瞬間に誰かに文字起こししてほしい。」
そんな風にふと思った、今日のとある瞬間。

自転車でぼーっとしている時に、頭の中に流れる様に文字や文章が浮かんできて、その時は(そうか!私はそんな事を考えていたのか!)となる時がある。
おそらく、ずっとその物事を考えていて、絡まっていた思考が徐々に整理され、その思考が完全に解ける瞬間に文章が流れてくるのだろう、と仮定している。そんな時ほど自然な言葉で、流れる様な文章で、個人的には作られていない美しさを感じる。

思考を粘土の様にこねくり回して創造した言葉は、どことなく自己を誇張したり、欺瞞に満ちた文章を作っている気がする。
しかし、自然に抽出された言葉は、他者を媒介した自己というよりは、自己により近い自己を表現しているような気がするのだ。

とはいえ、この文章も学術的や解説的な物であるときは、こねくり回す必要があるのだろう。そして、上記の内容が該当する(と個人的に思う)のは、エッセイ的なより個を表現する場合になるのだろう。

ある種、この偶然性や自然発生的な「美」に着目すると、エッセイというのは、私にとっては芸術的な「創造」と近似しているのかもしれない。

そんなことを感じた、今日でした。


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