起業の科学 スタートアップサイエンス

◎起業の科学を読んだ感想、要約

目次
Chapter1 IDEA VEIFICATION 【アイデアの検証】
Chapter2 CUSTOMER PROBREM FIT 【課題の質を上げる】
Chapter3 PROBLEM SOLUTION FIT 【ソリューションの検証】
Chapter4 PRODUCT MARKET FIT 【人が欲しがるものを作る】
Chapter5 TRANSITION TO SCALE【スケールするための変革】

Chapter1 IDEA VEIFICATION 【アイデアの検証】 要約・感想
スタートアップの9割が失敗すると言われている中、成功する事業アイデアはどう生まれるのか。事業アイデアの考え方、検証方法が紹介されている章。
■スタートアップにとって「良いアイデア」とは以下の3点を認識する必要がある。
・解決する課題の質を高める(「イシュー度」「解の質」両方を高める)
・誰が聞いても良いアイデアは避ける
・「高い専門性」「業界(現場)の知識」「市場環境の変化に対する理解度(PEST)」
スタートアップの生死を分けるのは、Product Market Fit(PMF、市場で顧客から熱狂的に愛される製品のこと)を達成できるかできないかである。スタートアップのビジネスアイデアは「ソリューションドリブン」、「プロダクトドリブン」が比較的多いが、実は「課題ドリブン」でなくてはならない。「課題ドリブン」でビジネスを考える時に大事になってくることが、「イシュー度」と「解の質」である。
では、課題の質は何で決まるのか。以下の要素が重要である。
・高い専門性
・業界(現場)の知識
・市場環境の変化(PEST)に対する理解度
視点、知識、経験が重要であり、創業者個人に求められるものである。
また、スタートアップのビジネスアイデアは誰が聞いても良いと思われるようなアイデアではいけない。直感的に考えてみると100人中、100人みんなが「いいね!」と言ってくれるアイデアなら、挑戦した方がスタートアップの成功率は上がるように思える。しかし、逆説的だが、誰が聞いても良いと思えるアイデアは、長期的に考え、スタートアップにとっては避けるべきアイデアである。なぜなら、誰が聞いても良いと思われるようなアイデアは、市場が飽和しており、資金やリソースが潤沢な大企業が参入する可能性が高いからである。以下のようなイメージ。

誰が聞いても良いアイデア→他の企業も検討している→市場が競合で混み合う→リソースやオペレーション、製品価格の戦い→リソースが多い(大企業が有利)→リソースが少ないスタートアップは圧倒的に不利→スタートアップは負けてしまう

スタートアップに避けるべきアイデアとして以下の7つは本書で紹介されている。
1.誰が見ても、最初からいいアイデアに見えるもの
2.ニッチすぎる
3.自分が欲しいものではなく、作れるものを作る
4.根拠のない想像上のもの
5.分析から生まれたアイデア
6.激しい競走に切り込むアイデア
7.一言では表せないアイデア

■スタートアップのメタ原則
・スタートアップとスモールビジネスの違い
・unlearnする常識を理解する
・大企業の戦い方とスタートアップの戦い方の違いを理解する

スタートアップとスモールビジネスの違いを理解していない起業家は多い。両者の違いを以下の通りである。

画像1

上記を理解し、大企業が新規事業を進める時の手順をunlearnし、事業開発を進める事が重要である。

■アイデアの蓋然性を理解する
・スタートアップの成功要因「1.タイミング 2.チーム/実行力 3.アイデアの突き抜け度 4.ビジネスモデル 5.資金」
・スタートアップの10のフレームワーク
・ターゲット市場に狙いを定める

スタートアップとして良いアイデアの基本概念とメタ原則を理解したら、次にしなければならないのが、「アイデアの検証」である。自分がやろうとしているアイデアが、自分の人生を懸けてまで取り組むに値するのか、判断する。スタートアップが成功するために、必要な要素は突き詰めると以下の5つである。

1.アイデア
2.プロダクト
3.チーム
4.エグゼキューション(実行、実施方法)
5.タイミング

上記5つのうち、何が最も大事なのかというと、タイミングであると述べられている。スタートアップの成功に大きく寄与する要素として「Why you?(なぜあなたがやるのか)」と「Why now?(なぜ今やるのか)」が同じくらい大事である。
上記を理解した上で、スタートアップのビジネスアイデアのアイデアの検証手段を10個紹介されている。

【スタートアップの10のフレームワーク】
フレームワーク1:中間プロセスの排除
フレームワーク2:バンドル(一つに束ねる事)を解いて、最適化する
フレームワーク3:バラバラな情報の集約
フレームワーク4:休眠資産の活用
フレームワーク5:戦略的自由
フレームワーク6:新しいコンビネーション
フレームワーク7:タイムマシン
フレームワーク8:アービトラージ(需要に対して、供給過多になっている市場からリソースを持ってくるアイデア)
フレームワーク9:ローエンド型破壊(既存製品の過剰な部分を削ぎ落として、安価な商品を提供するアイデア)
フレームワーク10:As a service化する(プロダクトを売り切るという発送から脱して、サブスクリプション化するアイデア)

上記のフレームワークはあくまで型でしかない。実際には、多くのスタートアップのアイデアの多くが、これら10のフレームワークを複数組み合わせたものになる。
これらのフレームワークを駆使し、まずは、ターゲット市場に狙いを定める。小さくても良いので、市場を独占する事を考える。
「小さくても良いので市場を独占せよ。競走は負け犬のすることだ」(PayPal共同創業者ピーター・ティール氏)

Chapter2 CUSTOMER PROBREM FIT 【課題の質を上げる】
課題の質を上げるため以下のことを認識しておく必要がある。
・課題仮説を構築する
・前提条件を洗い出す
・課題〜前提の検証

課題の質を上げるには、カスタマーの持つ真の痛みを探り、それを解決できるアイデアを課題に捉えることは、スタートアップがProduct Market Fit(PMF、人が欲しがるものを作れる状態)達成の大前提だ。
まず、スタートアップの初期段階で最も重要な質問は「想定したカスタマーの課題は本当に存在するのか?」ということだ。カスタマーの課題の有無を確認するためにもリーンキャンバス、カスタマージャーニー、ペルソナを用いて、しっかり課題の検証をする必要がある。

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