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成功するための話術

UCLA大学院教授のピーター・バーグさんの著書成功する話術の書評を行なっていきます。

目次
第一部 ストーリーなくして、ビジネスはない
 第一章 足りなかったのは「ストーリー」だった!
 第二章 ストーリーって何だ?
 第三章 だれもが「それ」を持っている
 第四章 バックストーリー(ストーリーの背後にあるストーリー)
第二部 ストーリー話術の技法
 第五章 構え!
 第六章 狙え!
 第七章 撃て!
 第八章 ネバー・エンディングストーリー
 第九章 新たなストーリーの始まり

この本で一番伝えたいことは、人を動かすことができるのは「ストーリー」であるということ。
ストーリーとは何か。ストーリーを作る、伝える方法などを解説、まとめていきます。

■ストーリーとは?
ストーリーとは、顧客や従業員、株主、メディア、パートナーを動かす話術である。
聴き手の感情を揺さぶり、行動を駆り立てることがストーリー目的である。
ストーリーを作る、伝える上で欠かせない要素がハッキリとしたメッセージを明確に伝え、聴き手の心を動かし、こちらが指し示す方向に誘導することである。

■人を動かす話し方とは?
冒頭(共感)→中盤(興味づけ)→結末(納得感)
上記の順番で伝えることである。
冒頭:意外性のある挑戦や問題を示し、聴き手に注目させる。
中盤:挑戦に打ち勝つことや、問題への答えを見出すための主人公の葛藤を示し、聴き手の感情に訴えかける。
結末:聴き手の予測に反する啓発的な解決策を示し、聴き手に行動を呼びかける。
ストーリーでは、鍵となる情報が感情と絡めて語られる。つまり、ストーリーの情報は単なるロジック表すためでなく、サスペンスを引き起こすために用いられる。
感情を伝える上で以下の点を意識すべきである。
1.聴き手の共感できるキャラクター
2.ストーリーを動かすドラマ
3.「Aha体験」... 語り手の体験した感情、目的、意味の追体験ができる
4.「me to we」要素→「わたし」から「わたしたち」へ
上記を意識し、聴き手に与えようとしているものは何かを確認する。聴き手に与えようとしていることを語り手が理解できていない場合、話の核がブレたり、一貫性のないストーリーになってしまうので、ストーリーを構成する前にしっかりと聴き手に与えるものを確立することが重要である。ストーリーを伝え、聴き手が「そうか」となればストーリー成立である。

■ストーリー話術の技 〜ストーリーに命を吹き込むために〜
ストーリーは3つの要素(構え!、狙え!、撃て!)を意識し構成し、伝えることがコツである。

◯構え!(目的を定める、聴き手の関心を知る)
まず、ストーリーを作る目的をおさらいする。ストーリーとは、聴き手の感情を揺さぶり、行動に駆り立てることが目的である。
それを理解した上で、ストーリーを作る目的を定め、聴き手の関心を入念に調査する。十分な準備はストーリーを作る上で必須の項目である。十分な情報収集・準備なしに聴き手を納得、行動させるようなストーリーを作ることは難しい。聴き手にストーリー伝えた時に、語り手の本気度が伝わらなければならない。聴き手の関心を特定した上で、ストーリーの目的・核心に感情を込め、聴き手の興味に興味を抱くスタンスをとり、ストーリーを伝える必要性がある。

◯狙え!(語るべきストーリーを選択し、具体的に伝える)
ここでは、ストーリーの具体性を伝えることの大切さを説いている。具体性を伝える上で重要なポイントは4つある。
・語り手、聴き手、商品、顧客、商品、集団。目的に即した主人公を選ぶ
・直接経験した内容を話す
・比喩と類推を用い、効率よくストーリーを伝える
・「行動への呼びかけ」は、感情で伝える(映画、本、歴史の言葉を引用することも効果的)
主人公とは、聴き手に視点を与える役割を持っており、ストーリーへの共感と具体性を持たせることができる。
次に、比喩と類推の美点は、その効率の良さにある。これらがうまく作用する時、伝えたい感情と意味を、たった一つのイメージや言葉で表せる。
最後は「行動の呼びかけ」であるが、ストーリー聴き手を動かす力を本当に持っているかどうかを確かめるには、どうすればよいのだろうか。この質問の答えは、聴き手に感動を与えられるどうかにかかっているというものだった。感動を与え方は、涙、驚き、笑い、恐怖という感情や感情の変化を伝えることで、人間の本能的な感動という感情を呼び起こすことができる。

◯撃て!(ストーリーを効果的に伝える)
最後は、ストーリーを効果的に伝える方法を以下に紹介する。
・意図を持って話す
・聴き手に気付きを与える
・「NO」を「ON」に変換する。→批判や不安を推進力に変える。
・会場に入った瞬間からストーリーを全身で伝える
・聴き手の感情、興味、意識を全身全霊で聞き取る
・対話するように伝える
・「私のストーリー」から「私たちのストーリー」へ
ここで伝えたいことは、ストーリーを伝えるには、本気であるということを客観的に伝える。ストーリーは、初めは、語り手が構成するものだが、伝え始めてからは対話するように作っていくものだということである。全身全霊で相手の関心を引き出しながら、二人三脚でストーリーを作ることで聴き手にも共感が生まれ、行動を起こすことができるということである。


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