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お辞儀と拝礼は異なるものだ (880)

挨拶(あいさつ)にはいくつかの意味がありますが、今回は相手に対して敬意(尊敬する意)や謝意などを表すという意味で用いたいと思います。
 [注] 敬意を表すことを、「礼」とも言います。

さて、敬意・謝意を表す挨拶には、何通りかのジェスチャーがあります。

・手を上げる挨拶 基本的には、仲のいい人同士の挨拶。
 人間関係が構築されていない時には、やらない方がいい。

・会釈(えしゃく) お辞儀の一種。軽く頭を下げる(15度位)。

・お辞儀(おじぎ) 相手に向かって腰を折り曲げる動作。
 「ちょうどよい頃合い」の「時宜」が語源であり、
 「ちょうどよい状況」、「状況を見極めて対処すること」
 となり、「他人への配慮」といった意味が出てきた。
 中国では人に感謝や謝罪をささげるという意味を持つ。

次に、非常に深く頭を下げて敬礼するような場合を考えてみましょう。頭を深く下げることを、「拝(はい)」と言いますが、挨拶というよりも「おがむこと」になります。

・拝礼(はいれい) 頭をさげて礼をすること。おがむこと。

・礼拝(らいはい) 神仏などの信仰対象を拝むこと。
   仏教では合掌礼拝。上半身を45度ほど傾ける。
   キリスト教では「れいはい」と言う。
   イスラム教では立ったり座ったりして祈りを捧げる。

最後に、儀式での礼です。

・三拝(さんぱい) 三度拝礼すること。
   無言三拝や念仏三拝がある。
   身体的な行いと、ことばで表す行いと心に思う行い
   の三つの行いを浄(きよ)めるという思いで拝礼する。

  [注]仏教儀式での三拝
   座具を広げて、膝、肘(ひじ)をつき、両手のひらを
   上に向けて耳まで上げる(釈尊を頭上に捧げるという
   意味)。3回繰り返す。

  [参考]中国の清の時代までは
   「三跪九叩頭の礼(さんききゅうこうとうのれい)」
   があった。 (詳細は略)

会釈、お辞儀、拝礼、儀式拝礼という順に、より丁寧になっていくという感じですね。

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