老荘的な人間形成
中国の老荘思想は、道教へと発展したのですが、並行して仏教にも大きな影響を与えています。基本的・根本的なものの見方を説明しているのが老荘思想です。
その中の『荘子』雑篇から、人間形成についてどのように考えているかを要約してみたいと思います。
荘子では、人間形成は九段階あるとしています。
野(や) 浮(うわ)ついた心を取り去って、素朴となり、人を欺いたりしない状態。真面目に学んでいこうという段階。
従(じゅう) 多くの人の意志に随順して自ら憎愛取舎の心を起さず、偏ったこだわりを無くして、学びがこなれてくる段階。修養段階。
通(つう) 外境にこだわりが無くなり、ものごとにほぼ行き詰まらなくなった段階。道を学んで自由に対応するようになってきた。
物(ぶつ) 我欲を滅して、無欲無心な状態になる。いわゆる、これまでと打って変わった人間となった段階。禅で言うと、悟りの境地の段階。
最初の第一次的な区切りとなる。人間として、第一次完成。人成。来(らい) ものごとの真理を自得した段階。禅で言うと、大死一番して甦(よみがえ)った段階。霊感的な感じ方や働きができ始める。
鬼入(きにゅう) ものごとの真理を極めていき、神秘的な作用(霊性)が出てくるようになる。霊性のことを、鬼という。
天成(てんせい) 人間界から天界に入っていく。人間臭さが無くなり、六道の最上位に入り、自然と一体になる。この段階で第二次の人間完成。
不知死、不知生 生死を超越した段階。「無・空」の世界に入った。
大妙 主観的なものは、全て超越した世界。現前の世界を忘れた、絶対無の世界。真人、聖人となり、仏性だけが働く真如の世界に住むことになる。
4の段階までが、見性までの段階です。いわば、こだわりを捨てていく段階です。7の段階までが、悟後の修行の段階です。9までの段階が、祖師になる段階です。
まずは、私たちは最初の4段階の修行をするのです。
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