不動心を邪魔する八つのことがら(885)
私たちは、できるなら不動心を持ちたいと願っています。不動心とは、どのような状況になっても心動かされないことです。しかし、心を揺り動かせてしまうことがらが頻繁に起こります。
[注] 不動心とは心に感じるものがあっても引きずらないこと。
例: 嬉しいと感じてもいいが、そのことに浮かれず引きずらない。
心を動かすものとして、「利衰毀誉称譏苦楽」の八つがあげられます。
「利(り)」 自分にとって都合のよい利益をもたらすもの。
「衰(すい)」 自分にとって、利益をそこなうのもの。利の反対。
「毀(き)」 陰口を言われること。
「誉(よ)」 陰でほめられること。 毀の反対。
「称(しょう)」 表だって賞賛されること。褒(ほう、ほめる)とも。
「譏(き)」 目の前でせめられること。貶(へん、けなす)とも。称の反対。
「苦(く)」 悪い縁によって身心が苦しむこと。
「楽(らく)」 身も心も喜ぶこと。苦の反対。
私たちは本来、純粋で清浄なる心に従って生きているのですが、上記の八つによって惑わされ、疑いがさらに深く疑うというようになってしまうのです。その結果、心が動き、喜怒哀楽という感情に引きずられてしまうのです。
感情に引きずられると、ああだこうだと思うようになり、不動心を保てなくなります。
では、どうすればいいかと言うと、
・八つのことが起きた時、それを「あぁ、そうなっているんだ」と思う。
(まずは、そのままに受け止める)
・次に、「なぜ、そうなったのか」と観察する。
・そして、「気にしない」と思う。
(ああそうか、とあるがままに受け止める。前の段階で理由が分かれば、
「あぁ、そうだったのか」と分かるので、なるほどと思える)
このように意図的に思うことができれば、不動の心に近づくことができるのです。
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