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中国の歴史上の人物の呼び方

中国の古書などでは、人物の呼び方にいくつかのパターンがあり、迷ってしまうことがあります。今回は、人物の呼び方についてまとめてみたいと思います。

まずは、現代ではどのような名前になっているかをみましょう。

・姓と名からなる。一般的に1文字の姓、1または2文字の名である。
・夫婦別姓が原則。子供は父親の姓を名乗るのが原則。
・同世代に共通となる漢字(輩行字<はいこうじ>)を用いることもある。
  例: 毛沢東の弟は、毛沢民 <=沢が輩行字

次に、古代中国人の名前をみましょう。

・姓名は現代と同じ。ただし、名は諱(いみな)と呼ばれる。
 姓とは別に氏で呼ぶこともある。一般的には字(あざな)で呼ぶ。
  (ただし、上位者が諱を呼ぶこともある。)
  例: 孔子の場合 <=子は男性への敬称
    姓は孔、諱(名)は丘、字は仲尼。よって孔仲尼と呼ぶ。
・聖人などは、死後に諡(おくりな)が与えられることがある。
  例: 孔子の場合、文宣(王)など
・一定の名声のある人は、自分で号(ごう)という別名を付けることがある。
  例: 陽明学で有名な王陽明の場合
    姓は王、諱は守仁、字は伯安、号は陽明。諡は文成(公)。

 ただし、姓・諱・字を連結して呼ぶことはない。

最後に出家者の場合を、禅師を例にとってみましょう。

・出家前の姓名はあるが、一般的に性名で呼ばない。
・出家時に二字の諱が与えられるが、それを法諱(ほうい)と言う。
 禅問答の古書には、法諱の下の字だけで呼んでいる。
・修行における号(道号)が与えられ、号+ 法諱で呼ばれる。
  例: 雲門宗の祖である雲門禅師の場合
    号が雲門、法諱が文偃。諡は匡真(大師)。
    よって古書には、雲門偃禅師と書かれている。
・号は一般の字の役割。本人は、号ではなく、諱で謙虚に自称する。

[参考] 日本では戒名を付けるが、「○○□□居士」という6字の場合、「○○」が道号に相当する。

色々とルールがあるので、参考にしてほしいと思います。

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