自分は天才だと思っている人。
いや、まぁあの、俺なんですけどね。
もちろん自己紹介の挨拶は「初めまして。天才です」から始まるよ!好感を持たれて失敗しない自己紹介は、謙虚さがとても大切なんだ!
その前に、ずっと天才天才と思って天才って書いていると、ゲシュタルト崩壊して天才の漢字が奇妙に見えてきて意味もわからなくなってきたので、それはもう天才ではないのですが、天才とは何かわからないのに、天才について長々と謎のエッセイを書ける俺は、天才だと思うんですよね。
結論から言おう。
俺は天才ではない。
違うんかい。
天才であるならば、とっくの昔に偉大なる発明をして、いや発明じゃなくてもいいけど、何らかの才能を発揮し、多くの人に認められているはずだ。
俺が「書く天才」であるならば、俺のエッセイが本になったり、賞を取ったり話題になったり、世界で認められているはずだ。
しかしそうはなっていない。
なぜか。
それは俺が天才すぎて、周りが理解できていないからだ。
時代が俺に追いついてない、というやつだ。
いや、ホントは違う。
違うんかい。
才能はない。あったとしても才能は開花していない。
誰にも認められていないし、努力もできない。人気もカリスマも実力も経験も、豊富な知識も何も無い、ただの変人だ。
あるのは消えそうな自惚れと、壊れそうな自信だけ。
そしてただ単に、自分が天才だと思って生きた方がお得なだけだ。
その方が幸せだから、天才だと思っている。
例えば、俺は今こうして文章を書いている。
自分で「何て面白くないんだろう」「つまらないな」「こんなの誰も読んでくれないよ」と思って書いていて、一体何が楽しいのか。
好きだから書いているのに、書けば書くほど気分が落ち込むではないか。
反対に「俺は天才だ」「俺の書くエッセイは最高なんだ」と思って書けば、書けば書くほどテンションが上がる。
もちろん、決して「自分は天才だ」なんて書かないし、偉そうに上から目線で書くわけではない。
ただ心の中で自分で勝手に「天才だ」と思っているだけなので、誰にも迷惑をかけることはない。
誰にも迷惑をかけないなら、好きなことを思った方がいい、楽しいこと、嬉しいこと、自分に都合のいいことを考えた方がいい。
ただ、自分が天才だと思っているのに、いつまで経っても認められないと、反響がないと、人はやがて正気に戻る。
そして心が折れる。
心が折れた時の音を、あなたは聞いたことがあるかい?
ポキリ。だよ。
ポキッとかバキッじゃない。ポキリ。知らんけど。
そして思う。
「やっぱり自分はダメなんだ」「才能がないんだ」「面白くないんだ」と。
その時は、先に書いたように「自分が天才すぎて誰も理解できないんだ」と思えばいい。
「まだ時代が追いついていないだけだ」と。
鏡を見て「自分は不細工だ」と思っても、何も良いことがない。
1ミリも1円も得しない。
むしろそう思い、そう言葉にした途端、自分の脳は「自分は不細工」と認識し、本当に不細工になってしまう。
だから本当はどうであれ、鏡を見たら「なんて俺はイケメンなんだろう」「やっぱり私は可愛い」と思うべきだ。そう言うべきだ。
そう思っていなくても、そう思う練習をするべきだ。と俺は思う。
だってそう考えた方が、前向きで素敵じゃない!
ねぇ、あなたもそう思うでしょう?
しゃべり方、急にどうした。
俺は全ての現実を素直に受け入れてしまったら、絶望して終わってしまう。
だからなるべく前向きに考えて、自分を応援している。
立ち止まらないように、倒れないように、己を鼓舞している。
さて、1000文字も越えたようだし、ここまで来たらほとんど誰も読んでいないだろう。
タテマエの時間は終わりだ。
ここからは本音で書いてやるぜククク。
実は、俺は本当に天才だと思っている。
しかし、何も注目されていないし、この世界で有名でもないし、飛び抜けた才能があるわけでもない。
でも天才だと思っている。
周りは「よくそんなあほみたいな顔と頭脳で、よくそんなギャグセンスで、よくそんな性格で、よくそんな生き様で天才だと思えるな」と俺を非難するだろう。
酷いな。言い過ぎやぞ!
でも、だから天才なんだ。
天才である可能性はゼロどころかマイナスなのに、俺は自分を天才だと思っている!
あほなのと違うか?
いや、天才とあほは紙一重。
むしろ表裏一体。陰と陽。
雑魚なのに意味無く天才だと思って生きていることは、それはもう天才なんだよ!
わけわからん。
自分でもわけわからんが、これが天才の世界なんだ。
天才はわけがわからんのだ。
一般人には理解できないのだ。
それでいい。
それでいいんだよ?
誰に言うてんのかな。
俺が言いたかったのは、決して自惚れろって言っているわけじゃない。
傲慢な態度を取れと言っているわけじゃない。
自分は天才だ。自分はカッコイイ。自分は運が良い。そう思って生きた方が、前向きで明るくて幸せでしょう?ってことが言いたいのだ。
だがしかし。
ここで大きな問題がある。
それは、俺が超絶ネガティブ野郎だってことだ。
マイナス思考の権化。
やる気もない、元気もない、常にマイナスの感情が襲ってくる。
どうやっても、どう考えても明るく楽しくなんて考えられない。生きられない。月曜日が怖い!もう消えて終いたいよ!
プロ。プロだよ。マイナス思考のプロなんだよ俺は!
なにっ、暗すぎる?消極的すぎるだって?
じゃあ聞くが、なぜお前は何の根拠もないのに、なぜ前向きに、プラスに物事を考えることができるんだ。
アンタはなんでいつも陽気で明るくできるんだ。なぜそんなに笑顔でいられるんだ。
天才かよ!
俺は心の中で、いつもそう思っている。
俺の周りは天才だらけだ。
どんな人生であろうと、どんな困難があろうと、配られたカードだけを使って必死に生きている。
凄いよ。天才だよ。
そして何を隠そう、俺も天才なんだ。
ということは、人間は誰しも天才なんだね。
人間には無限の可能性があるんだ。
な、なんてことだ。
何も考えずに一気に書き始めたら、天才的なエッセイが出来上がっちゃったよ。
天才は「俺は天才」なんて周りには言わない。
言ってる天才もいるだろうけど、天才とは周りが認めて言うものだろう。
でも自分のエッセイを書く時ぐらい、言ってもいいんじゃないかな。
あ、そういえば俺、今まで天才を英語で何て言うか知らなかったよ。
ジーニアス(genius)って言うんだって。
初めて知ったし、初めて口にしたよ!
天才だぜ。