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異文化の懸け橋

おはようございます!
 
田中清玄という人がいます。
 
政治活動家であり、
実業家でもあるようです。
 
この人が、
生物学者である今西錦司と
経済学者であるハイエクを
対談させたことがある
と文春が報じていました。
 
今西錦司は、
動物にも文化があると
霊長類学を立上げた人で、
棲み分け理論で有名です。
 
生物は多種多様で、
自分に適したところに棲みついていて、
その中では主人公であり、
他の生物と棲み分けているとしています。
競争で進化してきたという
ダーウィンの進化論とは一線を画します。
 
ハイエクは、自由主義論者です。
競争をすることにより
経済は発展するとして、
小さな政府が良いと主張します。
 
1980年代、アメリカのレーガン、
イギリスのサッチャー、日本の中曽根等の
新自由主義の学問的支柱となり、
民営化などを推し進めることになります。
 
しかし、田中清玄は
そうした考えに危うさを感じたのでしょう、
「アメリカの資本主義は
富裕階級の独裁政治にすぎない」
と述べています。
 
そして、棲み分けを唱える今西錦司と
自由主義を唱えるハイエクとの対談を
京都の妙心寺で実現させます。
 
生物学者と経済学者の対談は、
何度か行われましたが、
議論はかみ合わなかったようです。
 
しかし、今振り返ると、
その問題意識と先見性には驚きます。
 

 
更に不思議なのは、
ハイエクが自由主義を唱える過程では、
政府の介入を必要とするケインズ等との
激しい論争で不遇時代があり、
田中清玄が助けていたということです。
 
お金まで送り、支援したようです。
 
そして、ハイエクはノーベル賞を受賞します。
 
それほどまでに支援したハイエクに
違和感をもち、
日本まで呼び寄せ
今西錦司にあわせるという
田中清玄の不思議さです。
 
異なるものの懸け橋となり、
新しいものを生みだそうとするスタンスに、
とても頭が下がる思いを抱きます。
 
その他、
田中清玄の思想と活動は
不思議なことばかりで、
しばらく勉強してみます。
 
今日もよろしくお願いします。
 
安島

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