【後日談】ある小学校の校長にいわれた衝撃的な言葉
『子ども達に商売の絡む話はやめてくれ』
と、言われつつ、小学四年生から質問の銃弾を雨あられと浴びせられ、結局、作った原稿以上のものを聞き出されてしまった僕。
後日、当時その小学校に息子が通っているという社員から聞いた話に、耳を疑った。
『あの校長先生、親や子どもから人気あるんですよ。昼休みに子どもと遊んでるのもしょっちゅうで。子どもと一緒に登校したり、めっちゃ良い先生ですよ』
良い先生とは、人それぞれ考え方があるだろう。毎日接している子ども達とその保護者が満足ならば、それでいいのかもしれない。
でも僕は、その校長先生を良い先生だとはどうしても思えない。
トラブルを避けるのは長として当たり前だとしても、せっかく外部から人を招いたのにも関わらず、自分や学校のものさしで箝口令を敷いてしまっては、子どもの知る機会を奪ってしまうのではないだろうか。
それに商売に関わらせたくないという言い方。
まるで商売そのものが汚いもののように言う先生は一定数いるが、来ている服、持っている教科書、履いている靴、乗っている車、全ては商売があるから手に入れられるんだ、ということを失念しているとしか考えられない。
商売の大切さを子どもに教えることも教育の一環ではないのか。
僕がふれあった小学四年生、いや、あの学校に登校している子ども達のほとんどが商売を業とする会社に就職するだろう。
好むと好まざるとに関わらず、この社会から商売は切り離すことはできない。
確かに商売は難しく、大変で、汚れた一面もあるだろう。流行りものに振り回される先生達は、子どもの幼さを食い物にされているように感じるかもしれない。
それでも、いや、だからこそ商売の成り立ちやルール、楽しさを教えていかなければならない。
それを知ることで子ども達なりに『商売』に対して考えることが出来る。その機会を得ることは、親や子どもに気に入られるより、遥かに大切なことのように僕は思う。