あらすじ ごく普通の高校生、尾上篤はある夜、異星の少女ルネと出会う。 いわば宇宙版の動画配信者を生業とする彼女の来訪の目的は、彼女たちからすれば未接触種族に当たる地球人を動画の題材にしてバズることだった。 そんな不純な動機から始まった篤への密着取材は、地球人の感覚では意外なきっかけで爆発的に拡散され、篤は一夜にして宇宙じゅうのユーザーの注目の的となる。 だがその中には篤の人気に便乗して自身の知名度を上げようと企む配信者も存在した。 ――そしてその襲来をきっかけ
第3話 予兆 例の不文律のおかげでルネは地球での不法滞在を黙認されていた。 ただそれだけに「仕事」に注力する義務が生じ、早速視聴者から寄せられた、地球人の私生活、延いては地球の文化を知りたいというリクエストに応じて早朝、篤の登校を確認するなり彼の部屋に忍び込むのだった。 ――漫画の批評を行っている最中に来客があった。まだ家にいる母が階下、玄関で応対しているのを聞くともなく聞けば、篤を訪ねて来たらしかった。 「今は学校に……」 と母が説明するなり来客は引き返したよう
第2話 ユーフォー かの特番を鑑賞していた少女はルネといい、あれから十数年を経た現在は動画配信者として活動していた。そして多くの同業者がそうであるように禁星での生活を志しており、そのために動画を制作、配信する毎日だった。 そうして自身のチャンネルの人気が高まれば親会社の運営する事務所に所属でき、その後ろ盾を得てチャンネル登録者が十億人を突破すれば定住のための権利書が発行されるのだ。が、さすがに競争の激しい世界で、活動を始めたばかりの彼女には遠い道のりだった。 そ
という挨拶には自己紹介を続けるのが通例であり、また最低限の礼儀だとは承知しておりますが、高島威美(たかしま たけみ)という名前以外言えるものが無い人間なのでこれで終わりになってしまいます。申し訳ありません。 ただそれは、作者の年齢や性別や容姿や出自や経歴などと作品を結び付けて評価されたくない! 作者がサラリーマンであれ無敵の人であれ、はたまた主婦であれ女子高生であれ大人気タレントであれ作品の真価とは無関係なんだ! 私の語りたいことは全て私の作品に集約されている! ――などと