お金に支配される現代人と真のゆたかさについて。
スマホの電波が届くかわからないほどの高さのタワマンに住み、専属の運転手に高級外車で送迎してもらい、日本人の平均年収を優に超える値のつく腕時計をさらっと身につけ、「いかにも」な雰囲気を放つきらびやかなお店の個室で、○○牛ではじまり、添えてで終わる長々しい名の料理をスナック感覚で味わう、道明寺司のような暮らしを世間一般では「ゆたか」と呼んでいる。
親ガチャで金のたまごを引いた生まれながらの勝ち組である司ぼっちゃまの暮らしは、テンプレ金持ちのそれだが、お金の奴隷である現代日本を生きる者たちからは、さぞ羨望の眼差しで見つめられたことだろう。
今回はゆたかさについて考えてみる。
ゆたかさについて考える上で引き合いに出されるのは「お金」である。
お金がある人はゆたかであると一般的に言われることが多い。しかし、お金持ちと言われる人々でもしあわせに見えない人は多くいる。
そもそも「お金」とはなんなのだろうか。
人は物を交換することで発展してきた生き物であり、猿との違いはそこにあった。ただこの物々交換では、自らの欲しい物と相手の欲しい物が常に一致するとは限らない。そこで、よりスムーズな交換ができるよう、自らの持ち物を米や塩、布、農具など、誰もが欲しがるものに替えておき、それを相手の持ち物と交換するという方法がとられた。
しかし、常に米を持ち運ぶことはボブザップでないと到底無理であるし(ボブサップでも常には無理)、生物などは日持ちもしないため長期にわたって保管できない。そのため保管、持ち運びに優れた石や貝を貨幣として使用するようになった。その後に金や銀をつかった今の通貨がうまれていったのだ。形は変われど通貨は物品の価値を担保したものである。
つまり、「お金」とは財と交換できる価値が担保された手形である。
そして、お金は財と交換してはじめてお金としての役割を果たすのだ。
また、現代ではお金を使用することで、財との交換が出来るだけでなく、サービスを受けたり、人の時間も買えたりもする。時間がお金で買える時代がくるとはクロノスもびっくり。
お金を使えば、掃除、洗濯、料理など1人でこなすには骨が折れるであろう苦痛を誰かに請け負ってもらうことまでできる。苦痛さえも解放してくれるお金。お金すごい。
ところが現代人はなぜだか異様なまでに「お金」に執着する。執着するだけならいざしらず、本来、苦行から開放してくれるツールがお金であるのに、人々はお金を持たないことに苦悩し、消耗している。
苦痛を解放してくれるアイテムお金を手に入れるために毎朝満員電車に乗り、謝りたくない相手に頭を下げ、なにより大事であるはずの健康を投げ打ちひたすらにお金を稼ぐために働く。
苦痛を解放するためのお金を得るために、苦痛を強いられる日常が多くの人の目の前に広がっている。
皮肉にも使っていたと思っていたアイテムに支配されている現代人は、アルテマウエポンを手に入れるために寝る間も惜しんで素材を集めるゲーマーと似ている。
いつしか、もっと稼がなければ。稼がねば生きていけない。稼がねば死ぬ。そういった脅迫観念に駆られ、身を削りながら生きている状態は、望んでいた「ゆたかさ」とは真逆の位置にいる。
では、どうすれば真にゆたかに生きることができるのであろうか。
何度も言うがお金の価値はお金を使うことによって効果を発揮するものである。
しかしながら、現代では、お金を使用するのではなくお金をたくさん所有していることが至高であり、口座残高=人のHPであるかのようにさえ思われている。
何かあった時のためという名目で身を削ってお金を稼ぎ、貯める。身を削ったことで病気にかかり若くして死ぬ。HPはいくらあっても死ぬときは死ぬ。お金こわい。
たしかにお金があることで、服や鞄をこしらえたり、おいしいご飯を食べることができる。他にも遠くに行きたい時に、自分で運転することなく、タクシーの運転手にお金を支払うことで代わりに運転してもらうことが出来るので、運転という苦痛を体感することなく、さらには本来運転で使うはずであった時間で、本を読んだり、睡眠時間にあてることができる。
つまり、持つお金の総量が増えれば増えるほど物質的なゆたかさを得ることができるし、やりたくない苦痛から逃れることもできる。また、選択肢を持つことができる。
ただ、物質的なゆたかさとはこだわりすぎると限度がない。それは度を超すと、ブクブクと大きくなり、人からゆたかであると思われたいという「見栄」となる。そして、そういった見栄を張る人、通称「偽のゆたかさマウント」をとる人の欲求はモノで満たされるのではなく、自分は他者からゆたかだと思われているという優越感で満たされているのだ。
そしてそれと同時に、所有したモノ、地位、名声を失うかもしれないという苦悩に苛まれることとなる。金持ちなのに幸せでなさそうな理由の1つはこれである。
つまり、物質的なゆたかさを過度に増大させてしまうと真のゆたかさからは遠のいてしまうし、物質的なゆたかさを得るために、精神的なゆたかさを消費している状態ではゆたかになることは出来ないのだ。
真のゆたかさとは?
では、真のゆたかさとはなんなのか。
それはお金への執着を断ち切った先にある。
とはいってもお金が全くない状態では生きていくことができないし、絶命してしまう。
だからこそ、生きていけるだけのお金をもつということは最低条件になる。そして無理をしないことも大事だ。健康を損なうと人は死ぬ。
真のゆたかさとは、小さな事でしあわせを感じることができる力である。もしくは小さなしあわせに気づくことができる力である。
100万円のバッグを買うことでようやくしあわせを感じることが出来る人は、100円のアイスでしあわせを感じることができるとは思えないし、年収1000万円で見栄や虚勢をつくためにモノに固執する人間と、年収100万円でもなんかたのしそうに日々生きてる人とでは圧倒的に後者がゆたかである。
仕事を終えて飲むキンキンに冷えたビールがまじうまい。これをしあわせとよぶ。
これに気づけるあなたはゆたかである。
しあわせを感じる力、しあわせに気づける力は人生をハックする。
人生というゲームを攻略する上でアルテマウエポンはシナリオ攻略に必須なアイテムではない。アルテマウエポンを作ること、最強装備を作ることを目的にゲームをしているのではない。6Vのメタモンもシナリオ攻略には必要ない。
たのしむためにゲームをしている。
ちなみに、筆者はいくらの醤油漬けでしあわせになれる。しあわせの値段300円。コスパいい。
プリンじゃないの?と思うかもしれないがプリン体だし。いくら。
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