カスタマー○○まとめ
はじめに
ログラスCSの杉崎と申します。
本noteをご参照いただき、ありがとうございます!
本記事を書こうと思った背景
転職活動をする際、これまでの経歴(ERPベンダーの導入・保守→コンサルタント)を活かせる「お客様接点がある部署」という観点で探していました。
※SaaS提供企業だと、カスタマーサクセス(CS)という部署が該当します
なので転職活動前は、カスタマーサクセスは「Onb+保守フェーズ全般をする長期的に関係性を築いていく部署・仕事」という解釈でした。
おそらくSaaSベンダー以外の方から見ると、そのような解釈をする方が多いのではないでしょうか。今回はそういった方に向けて、カスタマーサクセスとは何かという点についてお伝えしたいと思います。
そもそもカスタマーサクセスとは
カスタマーサクセス(Customer Success)は、顧客の成功を追求するための概念です。
似たような概念として、カスタマーサティスファクションやエクスペリエンス・サクセス・ジャーニーがあります。
CS繋がりだとカスタマーサポートという言葉もありますが、こちらは顧客のサポート部門という機能なので、今回は外します。
カスタマー○○の歴史
先述した4つの概念は、起源が違います。
カスタマーサティスファクション
顧客満足度調査を通じて顧客の満足度を測定し、顧客の満足度を向上させる取り組みとして始まりました。主な目的は消費者センターへのクレーム対応件数を減らすことと再購入してもらうことでした。
ただし、購買行動を追跡するうちに顧客の満足度には心理的満足と条件面での満足という2つの要素があることが認識され、心理的満足でなければ再購入をしないことが判明していきました。
そこで発生した考え方として、ロイヤリティを訴求する方法が生まれました。それがNPSです。
NPSを使った取り組みとして、カスタマーエクスペリエンスやカスタマージャーニーが生まれました。
カスタマーエクスペリエンス・カスタマージャーニー
カスタマーエクスペリエンスは製品・サービスの購入前後の一連の行動における体験全体を重視する考え方です。
有名なカスタマーエクスペリエンスとして、スーパーマリオの1-1面があげられます。ぜひ下記のNoteをご参照ください。
他にも海外事例ですが、ウェルスファーゴ社という証券会社はカードを紛失した体験に着目し、カード紛失とともにamazon社やNetflix社など主要なサービスにAPIで自動連係し、カード番号変更をしてくれるサービスを提供しているそうです。
そこから住所なども一切合切を連携するプラットフォームとすることで差別化を狙っています。
参照元:CX(カスタマー・エクスペリエンス)戦略: 顧客の心とつながる経験価値経営(田中達夫 https://amzn.asia/d/9IVg6e5)
カスタマージャーニはややマーケティングに近い領域で使われます。
なので、顧客が製品・サービスと出会い、そこから購入・契約に至るまでの道筋をイメージし、描いて可視化することやその概念を意味する言葉となっており、もう少し広いスパンで使われると解釈していただければよいかと思います。
カスタマーサクセス
では、本題のカスタマーサクセスです。
カスタマーサクセスが着目されたのはSalesForce社がSaaSとしてソリューションを展開し、チャーンが非常に多かったことが発端になります。
SaaSとなったことで、「製品が始めやすく辞めやすく」なったことで、継続商売の中でいかにロイヤリティを上げるかに着目した取り組みがカスタマーサクセスです。
参照元:カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則(ニック・メータ (著), ダン・スタインマン (著), リンカーン・マーフィー (著), バーチャレクス・コンサルティング (翻訳))
なので、よりデジタル/継続に特化した概念がカスタマーサクセスといえます。
カスタマー○○まとめ
ここまでカスタマー○○をまとめてきました。私なりの解釈では下記の図のようになります。
機能としてのカスタマーサクセス
ここまで論じてきた通り、カスタマーサクセスは概念でもありますが、部署としても職種としても定義されます。
おそらく世の中にカスタマージャーニーやカスタマーエクスペリエンスという部署・職種はありません。
SaaSという形態で、継続およびアップセル・クロスセルという明確なミッションが与えられたことで、部署や職種として区切りやすいことがその相違点だと思われます。
カスタマーサクセスとシステム保守の違い
では、これまでのシステム保守と何が違うのでしょうか。
こちらの本では現代版三河屋さんであると定義しています。
参照元:カスタマーサクセスとは何か―― 日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」 (弘子 ラザヴィ https://amzn.asia/d/4xZaXPG)
では現代版とは何か、というポイントはこちらです。
上3つの要素は三河屋さんと変わりませんが、「データ分析を活用して予測的に動くこと」「スケーラビリティであること」が重要と定義されています。
なので、新聞のような継続的サービスであっても、カスタマーサクセスを実現する場合、購読者がどの記事をどれくらい読んでおり、顧客にとって「よりよい価値=ロイヤリティ」を追求して改善することがカスタマーサクセスと定義できます。
カスタマーサクセスの機能
SaaSにおける営業プロセスを定義したThe Modelではカスタマーサクセスの提供する機能は下記のように定義されています。
以上のように営業後の全ての顧客接点を担っています。
すべての機能をいきなりすべて持つことは相当困難です。
よって、会社ごとのプロダクトに対して「どんな価値を提供するのか=顧客の成功とは何か」を見定めてPhase毎に「今提供すべき価値は何か」を考え、機能を発展させていく部署がカスタマーサクセスであるといえます。
また、そのPhase毎で求められる価値が変遷するため、カスタマーサクセスの職種は多種多様に渡ることになります。
終わりに
今回はカスタマーサクセスの概念と機能についての説明を中心に実施していきました。
次回、元々コンサルだった人がどういった部分で親和性があるのか、またGapに対してはどういった認識でいればいいのかについてnoteを記載していこうと思います。
例によって宣伝ですが、ログラスという会社への興味、コンサル→スタートアップへの転身に興味がある方はこちらからご連絡ください!
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