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過去3年間(2022-2024年)の佐渡国際トライアスロンAタイプの天候と2024年の分析


気候

新潟地方気象台発表の大会当日午前11時の天気は下表のとおり。
今年は去年の異常な暑さに比べれば比較的涼しかったが、2022年よりは暑かった。水温は3年間ほぼ同じ、今年は北寄りの風で風速は昨年よりも少し弱いが、2022年よりは強い。3年間の中では今年は気温もそれほど高くなく、風もあったので比較的良いコンディションだった。

過去3年間の天気

参加者数

Aタイプの参加者は、2022年は895人、2023年は872人、2024年は728人だった。今年は台風の影響で佐渡ヶ島に来るのが難しい人たちがいた事と、新しいロングの大会が2週間後にあるという日程が参加者の減少要因と思われる。完走率は、2022年72.1%、2023年68.7%、2024年73.8%、と3年間では一番完走率が高かった。やはり天候と完走率には相関がありそうだ。

棄権者数

過去3回の大会の棄権者数の種目毎の割合は下記の通り。

Aタイプ棄権者数

スイム棄権者数


スイム棄権者の割合は年々増加しているが、他のパートの棄権者数と比較すると少ない。2024年には棄権者の割合は1%を超えている。水温は毎年同じで、今年は波もなく良いコンディションだったにも関わらず増加している。でも全体から見ると1%と少ない数なので誤差と言えるかな。

バイク棄権者数

バイク棄権者の割合は2023年が11.5%と最も高く、気温が31.8°Cと非常に高温だったことが影響していると考えられる。2024年にはバイク棄権者の割合が6.10%と大幅に減少している。これは2022年の7.43%よりも少ない。今年は気温が比較的穏やかだったことや、風速の影響で体温調整がしやすかったのだろう。

ラン棄権者数

ラン棄権者の割合は3年間ほぼ同水準だが、2024年には若干減少している。ランは最終種目であり、体力消耗が激しいためか、全体的に高い棄権率を示している。ただし、今年は比較的涼しく風が吹いていたので体温調節を助けた可能性があり、若干の減少が見られる。

各種目の分析

スイムラップ分析

スイムの制限時間は8:15までの2時間15分つまり、135分間ある。100mをどのくらいのペースで泳ぐかを計算すると

135分÷4000m X 100m = 3.375分=3分22.5秒

100mを3分22.5秒のペースで泳げば良いので、完走を目指すのにスイムが得意である必要はない。2024年の全体のスイムの平均タイムは1時間26分16秒(2分9秒@100mペース)だった。スイムラップの分布を見ると、70分(1分45秒@100mペース)から100分(2分30秒@100mペース)の人数が一番多く、全体の83%がこの範囲に入っていた。

年齢別のスイムラップ分布

20代: 平均タイムは約80分で、年齢層の中では最も速いタイムを示している。20代の選手は、体力と持久力のピークにあるため、スイムパートでのタイムが良いと考えられる。
30代: 平均タイムは約82分で、20代に比べわずかに遅くなっている。この年代の選手も比較的高いパフォーマンスを維持しているが、加齢に伴いわずかなスピード低下が見られる。
40代: 平均タイムは約85分となり、30代からさらにタイムが増加している。40代は、体力やスピードの低下が顕著になる時期だが、それでも多くの選手は依然として良好なスイムタイムを記録している。
50代: 平均タイムは約87分で、明確にスイムタイムが長くなっている。この年代の選手は体力や回復力の面での課題が増え、特に水中での持久力に影響が出やすいことが伺える。
60代: 平均タイムは約90分で、加齢によるパフォーマンスの低下がさらに顕著になる。
70代: この年代の選手は参加者が少ないため、タイムの平均を正確に示すことは困難だが、一般的にタイムはさらに増加し、90分以上となることが予想される。

年齢が上がるにつれて、スイムラップのタイムは徐々に増加している。これは体力や筋力の低下、回復力の遅れが影響していると考えられるが、特に50代以降でその差が顕著になる。しかし、40代後半や50代でも依然として高いパフォーマンスを維持する選手が多く存在し、特にトレーニングや経験が重要な要因となっている。

バイクラップ分析

バイクパートの全体の平均時間は7時間12分である。各年代での完走タイムのピークは、6〜7時間の範囲に集中している。多くの選手がこの時間帯にフィニッシュしており、特に40代と50代の選手はこの範囲に最も多く分布している。
年代別のタイム分布:
20代:平均タイムは約6時間46分。参加者が少数だが、タイムは比較的早い(6時間以内)選手もいれば、平均的な6〜7時間台に近い選手も存在している。若い世代の体力を活かしたパフォーマンスが目立ち。
30代:平均タイムは約6時間54分。参加者が増加し、6〜7時間のタイムに集中している。30代はトライアスロン経験を積んだ選手が多く、安定したタイムが見られる。
40代: 平均タイムは約7時間6分。30代よりもさらにタイムが伸びている。40代は加齢に伴う体力の減少が顕著になる時期だが、多くの選手はまだ良好なバイクパフォーマンスを維持している。
50代
:平均タイムは約7時間16分で、バイクパートでのタイムは明確に長くなっている。この世代が最も多くの参加者を抱えており、平均タイムである7時間付近に集中している。体力と経験を活かしながらも、参加者数が多いことが全体の平均タイムに影響を与えていると考えらる。
60代・70代:データが不足しているため、詳細な平均タイムは確認できないが、一般的には加齢に伴うパフォーマンスの低下が顕著となり、バイクラップは7時間半を超えることが予想される。タイムは7時間以降に集中しており、体力の衰えを感じさせるものの、競技を完走する意欲が強い世代。7〜8時間の範囲で完走する選手が多数いる。
平均タイムとの関係:
全体の平均タイムが7時間12分であることから、多くの選手は6〜7時間、あるいは7〜8時間のタイムに分布していることが分かる。特に40代と50代の参加者数が多く、この世代のタイム分布が全体の平均を押し上げていると考えられる。

年齢別のバイクラップ分布

ランラップ分析

ランラップタイムを年代別に集計し、平均タイムを算出した。結果は以下の通り。

20代:平均ランラップは5時間14分
30代:平均ランラップは4時間47分
40代:平均ランラップは4時間59分
50代:平均ランラップは5時間17分
60代:平均ランラップは5時間30分
70代:平均ランラップは5時間13分

この結果から、30代が最も早いペースで完走しており、年代が上がるにつれてランタイムが長くなる傾向が見られる。特に50代以降は、平均ランラップが5時間を超えることが確認された。一方で、20代と70代の平均タイムに大きな差がない点も興味深い。

トライアスロンは、特に若い世代ではエリート層や競技志向の参加者が多い一方、参加者全体においては幅広いレベルの選手が含まれる。20代の中には、初めてのトライアスロン参加者や体力的に未熟な選手も含まれることが考えられ、これが平均タイムを引き上げている可能性がある。

一方で、70代の参加者はトライアスロン経験が豊富なベテランや、身体の限界を理解しつつ、自分のペースでレースに取り組む意識が高い傾向があると考えられる。そのため、パフォーマンスを安定させやすく、結果として平均タイムが20代と近くなっている可能性がある。

年齢別のランラップ分布

まとめ

天候と参加者数

過去3年間の大会を通して、天候と完走率には明確な相関が見られる。特に2023年は異常な暑さが原因で完走率が低下したが、2024年は比較的涼しく風もあり、完走率は73.8%と3年間で最も高くなった。参加者数は年々減少しており、2024年は台風の影響や他のロング大会との日程の重複が要因となり、参加者数が728人まで減少した。それでも天候の良さが完走率を押し上げたと言える。

スイム種目の分析

スイム棄権者数の割合は2024年に1%を超え、増加傾向にあるが、全体から見れば依然として低い数値だ。コンディションが良好であったにもかかわらず棄権者が増えた原因は、参加者の高齢化や経験の少ない選手の影響かもしれない。ただ、スイムの平均タイムは2分9秒/100mであり、多くの選手が十分なタイムで完泳しており、スイム種目は他の種目と比べて安定していると言える。

バイク種目の分析

バイクの棄権者割合は、特に2023年に高く、気温の上昇が大きく影響した。2024年は気温が穏やかで風もあったことから、棄権率は6.10%まで減少した。年齢別のタイム分析では、40代と50代が最も多くの参加者を抱え、完走タイムのピークは6〜7時間の範囲に集中している。この年齢層は経験が豊富で、安定したパフォーマンスを発揮している。

ラン種目の分析

ランの棄権率は他の種目よりも高い。レース後半で体力消耗が激しいことが原因と思われる。しかし、2024年は天候が良かったため棄権者は減少傾向にあった。ランの平均タイムを見ると、30代が最も速く、50代以降は徐々にペースが遅くなる傾向が見られる。それでも70代の選手は、20代と近いタイムを記録しており、長年の経験や自己管理能力が影響していると考えられる。

総括

全体的に、2024年の佐渡国際トライアスロンは、天候の安定により完走率が向上した大会だった。年齢別のパフォーマンス分析では、30代から50代の選手が特に安定したタイムを記録しており、経験と体力のバランスが取れていることが確認できる。一方で、高齢層の選手も安定したペースで完走しており、トライアスロンは年齢に関わらず挑戦できる競技であることが改めて示された。

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