JR東海在来線車両でもうすぐ会えなくなる車両に乗る その2(311系)
この車両は、名古屋圏の通勤客に「JR東海という選択肢もあるんだぞ」という意気込みを見せた渾身の車両だと理解しています。それまでは、名鉄一択の時代が長かったですから。
JR第1世代の転換クロスシート車両
この車両のデビューは、平成元年で関西圏と同じように名古屋の東海道線の「新快速」用としてデビューした車両ですね。同世代の似たようなJR各社の車両では西日本は221系、北海道は721系、九州は811系ですね。まだこの時代は、インバータ制御車ではなかったですね。なお、すべて3ドア転換クロスシートという共通点があります。
運用と沿革
311系がデビュー後の東海道線の日中のダイヤ構成は、豊橋ー大垣で日中30分毎の新快速として運転されていました。さらに30分毎に米原または大垣ー浜松の快速が間を挟むように運転されていました。こちらは、117系で運転されていましたね。
転機が訪れるのは99年の313系デビューですね。特別快速(大府通過)がデビューしたり名古屋圏の快速は日中、豊橋ー大垣で統一されたりしてブラッシュアップがされました。すると、どうしても313系の陰に回ることが多くなっていきました。さらなる313系の追加投入と117系が淘汰されていくと朝夕ラッシュ時の運用が中心になっていきました。
居住性
アコモデーションは古さは否めませんが、柔らかい座席は今乗ると新鮮に感じました。詰め物もしっかり入っています。日中の時間帯もバリバリで動いていてほしいな感じます。(静岡地区で一部入っているようですが)313系になれてしまった身にはソフトな乗り心地のありがたみを感じます。ホント、今の車両は固い乗り心地のものが多くなったのでしょう。
まとめ
僅か60両しか作られなかった、希少性高い車両ですがかなり意欲的作品だと思います。名古屋ー岐阜18分や名古屋ー豊橋49分といった、名鉄に対抗しようとした名車両としてその歴史に刻まれることでしょう。後継車両がロングシートということでこの優秀な転換クロスシートからの移行には残念な気持ちがおさまりません。ぜひ、みなさん311系にご乗車くださいませ。おすすめです。