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”人の4倍の成果を出す人”は何が違うのか - <2-8の法則>の応用 -

エピソード

社外の知り合いで、ものすごいパフォーマンスを発揮している人がいる。組織の中で戦略室長として成果を出しながら、別の会社を2つ立ち上げて成果を出しつつ、さらに趣味の領域でも目覚ましい成果を上げている。
確かに普段忙しそうにはしているものの、ちょっとの残業や長時間労働くらいではとてもできない量である。どうやってこなしているのか聞いたこともあったが、本人的には特に特別なことをしていない感覚であった。
ところが最近読んだ「世界一流エンジニアの思考法」(牛尾 剛著)にそのヒントとなることが書かれていた。ポイントは、<2-8の法則>の応用であった。

グローバル一流のエンジニアの「優先順位」

まず本書において、グローバルの一流エンジニアが持つ「Be Lazy」(怠惰であれ)というマインドセット(以下)が紹介されている。

・望んでいる結果を達成するために、最低限の努力をする。
・不必要なものや付加価値のない仕事(過剰準備含む)をなくす。
・簡潔さを目指す。
・優先順位をつける。
・時間や費やした努力より、アウトプットと生産性に重点を置く。
・長時間労働しないように推奨する。
・会議は会議の時間内で効率的かつ生産的に価値を提供する。

牛尾剛.世界一流エンジニアの思考法(文藝春秋)

一見当たり前のようであるが、この中の「優先順位をつける」について、日本人とグローバル一流との考え方の違いが紹介されていた。

「優先順位をつける」というと、
日本人の場合は、「大事なものから順番にやっていこう、時間が許せば全部実施したい」という意味が多いと思う。
グローバル一流の場合は、「大事な最初の1個をピックアップしたら他はやらない。その一つにフォーカスしよう。」という感覚なのだという。

牛尾剛.世界一流エンジニアの思考法(文藝春秋)より抜粋

<2-8の法則>の応用

さらに興味深いのがここからである。
この優先順位の考え方を、<2-8の法則>に応用すると以下のような考え方になる。

我々日本人はすぐに「あれも、これも」やらないといけないと思いがちだが、「すべき」より、「実際にできるキャパ」を考えるほうが生産性には有用だ。いわゆる〈2-8の法則〉でも、20%の仕事が80%の価値を生むのだから、20%をしっかりやればよくて、100%全部やろうとすると工数もかさむし、時間が足りない。
100個のタスクがあったら、本当に重要なのは20%程度なのだ。海外チームのメンバーを観察すると、20%のタスクを終えて80%の価値を出したら、残りの80%はやらずに、次の80%の価値を生む20%の新しいタスクに取り組んでいる。そうすれば、100%の仕事に時間を費やしたケースに比べて、40%の工数で160%の価値を持つ仕事ができることになる。
ざっくりとしたイメージでいうと、彼らが無理なく生産性が高いのは、こうした理由による。実施すべき「物量」が少なく「価値」が高いものを如何につくっていくかの工夫を常日頃からしているのだ。

牛尾剛.世界一流エンジニアの思考法(文藝春秋)

つまり、「20%の工数で80%の成果を出す」ということを、5つのカテゴリで実施することにより「100%の工数で400%の成果を出す」ということにつながる。
冒頭のような、”この人、これだけの成果をどうやって出しているの?”という人は、このような考え方で動いている可能性が高い(冒頭の人は半分グローバルな方なので、本人は当たり前と思っていてやっている可能性がある)。
非常に興味深い考え方であった。

参考になった書籍

まとめ

  • 「優先順位をつける」考え方は、日本人とグローバル(一流)との間で異なっていることがある

  • <2-8の法則>で、20%の工数で80%の成果を出す、にとどまらず、それを5つのカテゴリで実施することで、最大400%の成果を出すことができる

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