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子どもたまらん文庫|「鼻の穴にビーズ」の話
産後しんどい辞典をもくもくと更新していますが、育児にまつわるしんどいことは一生かかっても書ききれないくらいありますけど、楽しいことや幸せなことや面白いことなんかはそれの5倍あります。それも忘れちゃう前にぽちりぽちり記録していければ良いなと思います。
子供を産む意味、みたいなのは昨今かなり意見の割れるところですね。私も産んで育てていてもよくわからん。
でも、子どもが生まれて、子どものいないときの幸せとはまた違う幸せさをしみじみ感じていることは事実で、笑ったり驚いたり愛したり、今のところはそれを味わっています。
娘が3歳終わりの頃、ビーズでアクセサリーを作ることに夢中になっている時期がありました。もうすぐ4歳というとまあ分別もつき始め、それまでのようにポイポイ口に入れずにルールを守って遊んでいたので、すっかり油断していたのです。
ある晩、夕飯を作っていた私のところに、娘がヒョコッと顔を出して、やれやれという表情で告げました。
「お鼻にビーズ入っちゃったんだけどぉ、とれないのよねぇ、まちがえてねぇ」
見ると、娘の鼻の右の穴が異様にでかい。えっ!?!?!?!?!?!おたまを放り投げて覗き込むと、大きめのビーズがガッツリぴったり鼻の穴にはまっており、穴から空気が抜ける角度だったため強めの呼気も歯が立ちません。
パニックになって「鼻の穴 ビーズ 何科」とググる私に、娘は「ふーん、てやってもでてこないのよぉ」と呑気そう。
でてきたネット記事が「そのうちとれるし、とれなくても大事には至らない、その時は診察時間内に耳鼻科に行きましょう」ばかりだったので、安心した私は、全身脱力しながら半笑いで娘に聞きます。
「な〜んでビーズなんか鼻に入れたの!」
はじめて娘はバツの悪そうな顔をし、「だって、入れたらどうなるか知りたかったんだもん」
「ビーズを鼻に入れたことをママに言ったら、怒られると思った?」
「ううん!でも、ながーいお話をされるかなぁ?って思った。そのお話を無視したら、怒られちゃうかな〜って思ったよ」
3歳児、ビーズつめて鼻の穴パンパンになってる中で"親の説教ダリィな"みたいなこと考えるの!?!?!
おかしいやら情けないやらで、笑いながら「明日◯◯耳鼻科さんに行くから、それまで我慢してね」と言うと、娘は鼻をモニモニしながら「ちょっと痛いのよねぇ、ご飯食べられないかも」などと眉をひそめていました。
その後、ビーズは幸い、鼻水と一緒に自然に排出されました。ひいていてよかった鼻風邪。
そのひと月後、左の鼻の穴にもビーズを詰めてとれなくなった娘は、無事ビーズ禁止令が出されました。子どもって変な生き物。
おしまい