カラフルチェストとのカオスな日々〜収納の最適解とは〜
約10年前、一緒に暮らしていた家具がある。「カラフルチェスト」は、当時結婚したてだった夫と選び、我が家にやってきた。見た目が私の"どタイプ"で、細かい収納場所がたくさんあって、きっとそいつとの日々は快適で充実したものになると信じていた。
見た目は可愛いが、ただそれだけだった
最初に部屋の中での置き場所を決めた。そして、そこには日常でよく使う小さめのもの、たとえば文房具や切手、爪切りや耳かきなんかをしまうことにして、どの引き出しに何を入れるかを決めた。そこまではよかった。
日常的に使い始めると問題が出てきた。どこに何を入れると決めたかさっぱり覚えられないのだ。
そいつはこんな見た目をしていた。引き出しの数は16個、それぞれに大きさや形、色が違う。奥行きは結構長くて、引き出しの位置もランダムだ。
これらの特徴すべてが、私にとっては何がどこに入っているのか覚えられない原因だった。一つの引き出しに複数のものを収納するので、複数の引き出しに複数の小物。その中からお目当てのものを探す作業は、まるであてっこゲームのよう。
「爪切りどーこだ!」「セロテープどーこだ!」
日常生活はそんな遊びをするほど余裕のあるものではない。次第にストレスが溜まっていった。なにがどこへ行ったかわからないし、なにをどこにしまえばいいかわからない。結局チェストの上がモノだらけになった。
さよなら、カラフルチェスト
残念ながら、カラフルチェストは引っ越しを機に処分することにした。「可愛いだけじゃダメなんだ。ごめんな」。まるで、若い時の失敗した恋愛みたいだ。
その次に選んだのは、木製の四つ引き出しのあるチェストだったが、引き出しが大きすぎて中が整理できず、結局何がどこにあるかわからなかった。そんなチェストとも次の引っ越しを機にお別れすることにした。
そして、考えた。日常の収納にはどんな要素が必要か? こんな収納が苦手すぎる私にとって、最適な入れ物は一体どこにあるのか?
必要条件は"中が見える" "好きな数だけ設置できる"
いろんな失敗を経て、わかってきた条件がある。
それは、まずは"中が見えること"。うっすら透けてるくらいでもいいので、中に何かが入ってるのかどうかがわかることが大事だ。
「見えないのはないのと同じ」になってしまう私。たとえば、フタつきのケースとか収納だと、そのまま一年位封印してしまい、ないままで生活してしまうこともよくある。そのせいでストックがあるのを忘れてしまい、同じものをたくさん購入してしまったりする。だったら、あることがわかるようにスケスケのものを選べばよさそう。
そして、もう一つの条件は"好きな数だけ設置できる"こと。入れたいものって、その時々によって変化する。だからこそ、自分なりに数を変えてアレンジできることが大事だなぁと考えた。あと、一つ一つの収納場所は大きすぎず、小さすぎないことも重要だ。
https://www.muji.com/jp/ja/store/cmdty/detail/4550583831776
私なりの最適解は、無印良品の「ポリプロピレン 小物収納ケース 小」だった。決して見た目はオシャレとは言えない。カラフルチェストと比べてみても、「かわいいなぁ」とはなかなか思わない。
ただ、こいつはすごい。中が見える。奥行きが深すぎないから、奥までちゃんと見える。さらに、一つ一つの大きさがちょうど良く、そこに収まるだけのものは自分にとってちょうど把握しやすい最適だった。
結局この子を8個くらい設置して、そこまでちゃんと場所は決めずに運用している。たまにあてっこゲームになる時もあるけれど、透けて見えるから大体当たりをつけて「どーこだ!」ができるのが良い。
だからと言って収納ができるようになったわけではない
結論から言うと、いまだに我が家は特に片付いてるわけではない。むしろ、散らかっている。なぜかと言うと、場所を決めたからといって、その場に戻すことができるわけではないからだ。最初は張り切って場所を決めたりラベリングするけど、そのうち「入れにくい」とか「使う場所としまう場所が遠い」とか言う理由が出てきて、さらには理由がなくたって、どうしても戻せない。
これは小さい頃からずっと言われ続けてきて、自分でも苦手だと認識してるけど、本当になんともならない。お手上げ状態だ。
そして、私は特に場所を決めてなくてもそんなにストレスではないけど、多分家族はストレスが溜まってると思う。もう少しちゃんと場所を決めてほしいなぁと思ってるだろうし、ものが見つからないストレスとは日々戦ってくれている。私自身も、もうちょっと正答率の高いあてっこゲームをできたらいいなぁとは思ってる。
収納の最適解とは?
それぞれにとって、使いやすい収納って全く違うと思う。あとは求めるレベルも違う。私は、ある程度この辺にあるってわかるレベルでものが片づけばいいし、机の上にある程度ものが乗っていても、正直そんなに気にならない。
でも一方で、収納を絶対にちゃんとしたい、机の上に何も置きたくないって人がいるのも理解できる。本当にそういう人って素晴らしいなぁと思うし尊敬しかない。
だから、それぞれの求めるレベルで、自分のスキルや性格に合わせた収納が大事なんだなぁとあらためて思う。カラフルチェストとのカオスな日々は、そういうことを教えてくれた。
だから、いつかかわいいそいつとまた家具屋さんかなんかですれ違いたいなと思ってる。多分もう二度と使わないとは思うけど。