文学フリマの思い出
文学フリマなるものを知ったのは数年前。
小説は好きだけどよく読むようになったのは20代後半からだし、学生の頃に絵を描いたり文章を書いたりという創作活動を通ってきていない私には長い間感知できていなかったイベント。
今思えば、学生の頃に出会っていたかったなー。
実は申し込んだことがある
そんな私ですが、実は文学フリマに申し込んだことがあるのです。
学生から社会人まで、するーっとレールに沿って歩いてきたのですが、ずっとモヤモヤしたものがあり、アラサーくらいで”本当はアレをやってみたい”と思い立って転職を重ねた時期がありました(今となってはもっとうまくやれたなと反省している…)。
その”やってみたいこと”の中に小説家や脚本家という仕事があり、勢いでスクールに入って学び始めることに。(新しいことを始めるときにすぐに教えてもらいたがりがち。それにひとりでは書こうにも書けなかった…)
スクールで週1の授業が始まって、トータル1年強くらい通ったかな。ムラはあったけどおもしろい作品が作れたときもあって、”もしやいける?!”と胸を躍らせたときもありました笑。
あと、いわゆる同期となるメンバーは年齢も職業も様々で、他の人の作品を見るのも楽しかった。作品を通して、自分とは全然違う経験をしてきたことが分かったり、その人の趣味嗜好が分かったり。
毎週顔を合わせているので自然と仲良くなったしね。授業の後に食事にいったりとゆるく交流する機会が多くて楽しかったなー。
スクールはざっくりと初級・中級・上級に分かれていてクラスが異なるので、ペースが早い人から順に初級クラスから他のクラスに移っていくスタイル(出来不出来ではなく履修すればOKな仕組み)。
先生から言われたけど、こんなに交流のあるクラスは珍しいらしい。ほとんど交流なく終わるクラスも多いそう。たしかに私がいた初級クラスは友好的な人が多くて雰囲気も良かった。あと先生の雰囲気と指導方法も良かったと思う。嫌にならずに毎週作品を提出できたのは先生のおかげだわ。
中級クラスに行くと、新たなメンバーや先生との間に不満を抱える人がいて、そうなるとかつての仲間と会いたくなる、という流れで交流は継続していたのよね。
話が長くなったけど、せっかくだからこのメンバーで何かしたいという話になって、それぞれの作品を集めて文学フリマに出店しようという話になったんだった。文化祭を思い出すよー。楽しそうだよね。みんなで盛り上がって作品作りに取り掛かる。
定期的に会って作品の修正をかけて、印刷所に依頼して冊子にして、文学フリマの会場に届くように依頼完了!当日のシフトも考えてワクワクしていたんだけど。。
出店はウィルスによって阻まれる…!
私たちが申し込んだ文学フリマがたしか2020年の4月か5月頃の開催。
そうです、コロナ禍突入の時期です。まさに流行り始めで、大きなコンサートが直前でキャンセルになったり、逆に開催したイベントで感染者が増えて批判されたりと混沌としていた時期ですよ。
文学フリマもどうなるか不安だったけど、そうはいっても大丈夫でしょうと高を括っていたら、、
イベントキャンセルのお知らせが…!
初の文学フリマ出店は、コロナによって成し遂げられず。
そこからはコロナ禍突入なので、メンバーとも以前ほど頻繁に会うことはできなくなったよね。スクールも休止になったはず。
当初はすぐに落ち着くだろうという予測もあって、次回の文学フリマに向けて作品を作ろうと話にもあがっていたけど、私は辞退しちゃったんだよなー。私以外はほとんど参加表明していたはずだけど、おそらく何も進んでいないと思う。
その後も何人かとは会ったりしたけど、元々何の共通点もないメンバーだから関係を維持するのは大変なのよね。
私も含めて数人はすでにスクールを辞めてしまったし、続けていたとしても卒業はくるしで、なんとなーく全体的にフェードアウト。
文学フリマは大人の青春
ただ社会人になって文化祭のノリで、しかも創作物を作るってかなり楽しかったし、めちゃくちゃいい思い出になった。全然共通点のないメンバーと密な時間を過ごせたし、出会いも流れも奇跡みたいな確率だったなと思う。
実はその後自分で作品を作ってコンクールを狙ったけど、全然進捗がなくて断念。ひとりで生み出せないならダメだなと分かってしまった。。
社会人向けのスクールってみんな興味を持って入会するけど、それを本業にするには相当な努力が必要。卒業生の中にはプロデビューした人もいるけど、生徒数に対してあまりにも割合は少ない。たいていは辞めていったり趣味としてゆるく続けていく。それでいいのよね。
もうやり取りしていないけど、同期メンバーは今も書いているのかな。本気でプロを狙っている人もいたけど、どうしているんだろうか。
そういえば5月に東京で開催するらしい。やけにタグがあるなーと思って調べたら来週開催だって。このタイミングで知るなんて何かのご縁かしら。雰囲気だけでも味わいに行ってみようかな。盛り上がってそう。