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ご近所散歩の小さな発見
家のすぐそば、たくましい高木の林がある。木漏れ日が清々しい小径の散歩は、息抜きにはもってこい。私だけでなく、どうやらカラスも気に入ったようだ。写真の「頭上注意」の貼り紙は、ずいぶん前から目にしていた。
今日、初めて見上げたカラスの巣。この時期だからもう古巣になっているだろう。上の方に、怪しげな黒いモヤモヤ。あれかな?
これは拡大写真。やっぱりこの黒いかたまりが巣のようだ。とうにお留守の佇まい。なんでもっと早く見ておかなかったんだろう。いやいや、不用意に見上げて親ガラスを怒らせていたかもしれないな。どうであれ、悔しさはちょっと残る。
足下に目を移せば、ひっそりと小さなキノコがぽつんぽつん。台風の前、ここには巨大キノコが生えていた。その姿はどこにもない。
新たな命よ、頑張れ踏ん張れ。でも樹木の栄養まで吸い取るな。しばし無責任な応援に興じてみる。
緑地帯の小径を抜けて、駅前に出た。ロータリーには長身の少年が立っている。その脚は、無駄な肉がいっさいない。まっすぐ細く、希望に飛び立つバネのようだ。
ふと自分の脚に目をやると、年月を経た重みでずっしり着地。それがちょっと可笑しくて、ジーンズの上から太ももをぺちんとはじいた。
帰ってきたら腹ごしらえ。揚げ野菜とエビの冷やしそうめんでごちそうさま。
暑くても外の空気に包まれるのは気持ちがいい。
カラスの巣と、小さいキノコと、美しき脚と、揖保乃糸。
多分忘れてしまう、静かな昼下がりが過ぎ去った。