参院選、私たちの挑戦と敗北。
この夏、私たちの挑戦は失敗した。
3年前、18歳選挙権が導入された。
お笑いの力で、政治に対する敷居を下げたい。
そう思い、株式会社 笑下村塾を設立した。
この3年間、前回の参議院選挙から
ずっと走り続けた。
貯金が0になったこともあった。
でも、クラウドファンディングでお金が集まった。
仲間が大きな病になってしまった。
でも、オンラインサロンのメンバーが支えてくれた。
そして、友人が大企業を辞め転職してくれた。
総務省と一緒に学校現場で使える動画を作った。
国会に芸人さん100人集まりライブをやった。
この3年間、確実に笑下村塾は、人や社会を巻き込みながら、大きくなってきた。
そう信じていた。
戦後2番目に低い投票率
しかし、今回の参議院選挙は、
戦後2番目に低い投票率ー。
18歳の投票率が51%から34%に下がった。(参院選で比較)
なぜ投票率が低かったのか、
全体の総括は、ブログで記載しました。
「なぜ18歳は選挙に行かなかったのか検証しました」
https://ameblo.jp/takamatsu-nana/entry-12497944113.html
(noteでも時間ができたら、まとめます!)
今回は、私たちの活動について自己検証をしたいと思います。参院選では、出張授業とSNS、2つに注力をいれました。
①47都道府県対抗 投票率バトル
「もっとも18歳が選挙に行かない県は?」
18歳の投票率ワースト10の県に
無料で出張授業に行くことにした。
費用200万円はクラウドファンディングをした。
https://camp-fire.jp/projects/view/166465
ご支援してくださった方、本当にありがとうございます。あと3日です。ご拡散お願いします。
これをやったのには、狙いがある。
これは、社長相川美菜子が発案者だが、そういえば遡ること6年ぐらい前?
「秘密のケンミンSHOW」という番組に出演させていただいた時に、都道府県のランキングや帰属意識のすごさに驚いた。
自分の県が、何かのワースト1位に選ばれたらショックではないか。
その汚名返上のため、頑張るのではないか。
今回ワースト10に選ばれた県の人が頑張ることで、順位が入れ替わり、新たにワースト10にノミネートされた県が抜け出すために頑張る。この競争を繰り返すことで、全体の投票率が上がるのではないだろうか。
そう考えた私たちは、
初めて出張授業に行く学校の地域を限定した。
しかし、私はこのクラファンをやると決意したすぐ後に、盲腸で入院し、事務所はてんやわんや。
退院後、6月末にお金は徐々に集まり始めているものの学校が決まっていないというハプニングが発生。学校の募集を開始していなかった。。。
7月1日から実質動き始めた。SNSで受け入れ学校を募り、各都道府県の学校の電話をリストアップし、ひたすら電話をした。
いろんな人脈を駆使し、1週間でほとんどの県での開催が決まった。皆さま、拡散のご協力いただき、ありがとうございます。私は退院間もなくで、ふらふらしていたので、あまり私自身は機能していませんでしたが、ひたすらインターン生や作家さんの勤務日を増やしてもらうお願いをし、facebookでその県の知り合いがいないか探した。
その県出身の芸人さんがいた方が地元メディアは来てくれるだろうと考え、全都道府県出身・在住の芸人さんのキャスティングに成功。響の長友さん、にゃんこスターのスーパー3助さん、キングオブコント優勝された かもめんたるの槙尾さんなど有名な芸人さんも闇営業ではなく、事務所を通して来ていただけることになりました。
全部決まった時は、すでに選挙期間中でした。
プレスリリースは、たかまつななのfacebook、twitter、ブログ、今まで名刺交換をしたメディアの方々、地元のテレビ局をリスト化しFAXをする(メルアドをあまり公開していない)というもの。
多分、「仕立て」まではよかったのに、地元メディアにうまく情報を伝達しきれなかった。あーもったいない。
今思えば、各都道府県出身の芸能人やインフルエンサーにメンションをとばして、「あなたの出身県 若者の投票率全国で1番低いですよ」ってメッセージをブロックされるまで送れば良かった。
例えば一番低いのは高知県ですが、高知にはイケダハヤトさんが住んでいるし、和田正人さんとは人狼をよくご一緒にしているし、島崎和歌子さん、西川きよしさんは共演させていただいたことがあるじゃないかーー。
知事にプレッシャーをかける
あとは、それぞれの首長や自治体の選挙管理委員会にインタビューしたり、質問状を送って、その言い分を公開するってことができたんじゃないかなぁ。そしたら、投票率が低い理由なども見えただろうし、より立体的に伝えることができただろうな。
何より、この巨大プロジェクトを弊社代表の相川美菜子がほぼ一人でまわしていたから、慶應を首席で卒業するほど優秀な彼女にも限界がある。もちろん、たくさんの人が助けてくれたが、やはり常勤のメンバーが一人というのは中々厳しい。
弊社はお金がないが、選挙期間中だけ臨時で派遣会社から人を派遣してもらうなども考慮すべきだった。彼女が熱を出してしまい正直、私としては「私やろうか?でも、まだ退院後お腹が痛いの」みたいな非現実的なことしか言えなかった。一人欠けたら会社が回らない。これが中小企業の現実だ。。
優秀な人材を確保するって、やっぱり相当難しい。。だから、本当に笑下村塾に彼女が来てくれたことが奇跡だと今も思う。ありがたい。
ということで、投票率が低すぎる県に住みたくないし、なんか恥ずかしいし、え?隣の●県に負けているの?みたいなプレッシャーのかけ方は有効だと思った。
真面目な新聞社しか食いつかない現実
しかし、私はやり方が真面目すぎた。この企画に最初に興味を持ってくださったのは、昔私を取材してくれた朝日新聞の記者さんだった。テレビ映え・何より、バラエティを振り向かせることはなかなかできなかったのだ。。これこそが大事なのに。政治の話を全くしなさそうな番組で、家族団らんの場で急にラフな感じで選挙の番組が流れる。私たちのやり方が真面目すぎると気づいたのは、SNSでバズった後だった。
結果、笑下村塾は、選挙期間中、13校の学校へ出張授業をした。
②選挙をバズらせる
私はいかに普通の人がニュース、特に政治について距離を置いているか知っている。お笑いの舞台で、政治のワードが出ると、一気にあるあるの尺度が狭くなることを体感している。
ライバルは、読売新聞や朝日新聞ではない。
ライバルは、ディズニーランドやYouTube、カラオケなのだ。
これだけ趣味が細分化された現在において、時間を割いてもらう、目に触れてもらうには、とにかくバズらせなくてはならない。
「選挙に行こう」大真面目に言ってもダメだ。「うぜぇーーー」って感じだろう。
「若者が損をする」でもダメだ。
「はぁ?実感できないんですけど。。」
まず、説明を理解しようとしないんじゃないかな。私じゃわからないという政治への拒絶感ですね。
もちろん学校の教室現場で強制力がある中、45分とか時間が与えられれば、私たちはできる自信があります。
だが、ここは貴重な時間の争奪戦。
見られるか、見られないか。
前回の選挙でバズったツイートなどを調べ、100個ぐらい案を出して、選挙期間中、私が責任者としてやることに決めた。
私たちは諸派を含めて伝えるべきだという考えにいたり、取材するところからはじまった。
結果としてバズったのは下記2つ。
<若者よ選挙に行くな>
高齢者が出て来て、「若者よ選挙に行くな」と逆説的に選挙啓発する動画は378万回再生された。
アメリカで、トランプへの批判する動画がバズったのだが、それをシルバー民主主義に絞り、日本の文化ではどうか徹底的に議論した。
フェリス時代の同級生、アメリカに留学していた元相方に頼み、アメリカと日本の政治文化や意識の違い、言葉やニュアンスなど教えてもらった。英語がまったくできない私にとっては、助かった。台本は比較的すぐにできた。
本当は漫才協会の先輩に出演していただきたく、内海桂子師匠、おぼんこぼん師匠でやっていただきたかったのだが、漫才協会に入ったばかりで関係性や時間的に難しいと断念し、そこから、キャスティング会社に電話をし、趣旨を説明した。全員エキストラの皆さんである。
編集は大尊敬する先輩にお願いした。
かかった予算は2万5千円。
アメリカの本編は大きなスタジオのようだったが、私たちはめちゃくちゃ小さな事務所で2時間撮影、編集もその日中にしていただき、次の日に公開した。
若者よ選挙に行くな
瞬く間に再生回数は伸び、次の日から1日メディアから30件ぐらい問い合わせがくるようになった。そして、これが嬉しかったのだが、地元メディアが出張授業の現場までロケに来てくれ、動画とセットで放送してくれた。これで、ローカル局にコネクションがなかった私たちでも、なんとか、その県の投票率が低いということをその県民の方に伝えられたのではないかと思う。
テレビにおいて選挙報道の時間が減っていると危惧される中、「若者よ選挙に行くな」動画は、news zero や スッキリ、バイキングを始め、民放40番組以上で放送された。
選挙報道が少ない本当の理由
民放のスタッフの方とロケの合間にこんな話をした。
「本当は政治のことやりたかったけど
放送できないから助かります」
「政治的中立性からですか?
政治部とかのチェックとか厳しいんでしょうか」
「いや、数字がとれないんですよ」
そうかー。でも、選挙って本当に数字とれないのかなぁ。こんな人間模様があらわれ、泥臭いところが見えるなんて、ちょう面白いのになぁなんて、帰りの電車でずっと考えていた。
ただ、選挙に関することをテレビで1分でも多く、そして選挙啓発についての動画をただで、流せるなんて、すごいリーズナブルな啓発のPRだったと思う。スタジオのゲストの人が、政治の知識がある人もない人も、自由に意見をしてくれて嬉しかった。
知識がないから議論に参加できない。私は政治のそんな雰囲気がとても嫌だ。だから、嬉しかった。
あと、私たちの動画がバズったからかは、わからないのですがCOWCOWさんが当たり前体操の期日前投票〜の動画をアップされていました。すごく素敵です!!せっかく私はピン芸人なのだから…芸人さんとコラボネタとかどんどんできないかなぁ〜と思っています。私が頑張ってネタを書くので、15分ぐらいの撮影で完了するようなものを考えお手間をとらせないようにしますので、今後協力するよって芸人の先輩方、ぜひぜひコラボお願いします!!
<1分でわかる政党の選び方>
恋占いのようなフローチャート「1分でできる 政党の選び方」は594万人の方が、twitter上だけでも見てくれた。
これは賛否両論だが、毎回選挙の時にやっている。簡単にしすぎてポピュリズムを招く的な批判が毎度ある。
このぐらい、謙らないとダメなんだ。若者の感覚まで、情報をあわせて伝えてほしい。選挙にいけとかいうのに、いけるような選べるようなツールがない。前回、やまもといちろうさんに、ボートマッチ紹介すればいいとご指摘をうけたが、ボートマッチではダメだ。憲法9条についてのあなたのスタンスは?とか言われても、普通の若者の生活では、選べるわけがない。早くそのことに、報道関係者は気づいてほしい。ボートマッチを作った人に、学校で一回生徒にそれをやってもらってリアルな意見をきいてもらいたい。
これでポピュリズムを招く...?若者をバカにしすぎていると思う。私のチャートを見てから、その政党のことを調べたという意見が多く届いた。なにか行動をおこす一つのきっかけになるなら素敵ではないか。
たしかに、どの政策が今回の争点か私たちが決めてしまうことになる。しかし、チャートの特性上意見がわかりやすくわかれるものを選ぶことになるから、作ってみたらわかっていただけると思うが、似ているものをピックアップすることになると思う。
野党に恣意的に誘導しているのか
与党にも野党にも誘導するつもりはない。野党に本当に誘導したいなら、最初はLGBTか夫婦別姓にするだろう。世論調査で関心が高いもので、一言で白黒はっきり比較的つけやすいもので、違いがでているものを探した。
そりゃ消費税だって、増税したときに使い道や減税した時の財政確保はどうするのかみたいなことや、昔増税賛成していたことなかったけ?この人たちみたいな背景も大事だ。しかし、それらを全て理解してから投票にいけ!とか変なこと言い出すから、投票率が低いし、政治について語りにくいんだよって思う。。
ただ、たしかに、フローチャートをいろんなバージョンを作る。先頭をかえ、複数アップすることも可能だったと思う。とにかく、みなさんの想像以上に、何度も検証し、どの文言だったら大丈夫なのかという議論をずっとしている。だから、今の人数だとアウトプットの量産ができない。悔しい。次回から検討したい。
もっとクオリティを高めるため、若者に届くような情報発信で、でもできるだけ背景や構造を切り落とさないようにすることを心がけたい。
選挙当日はいつも渋谷で街頭インタビューをしている。たくさんの若者が、フローチャート作った人ですよねと声をかけてくれた。届いている・・!本当に嬉しかった。この1枚のチャート作るのにも、30~50時間かかっていますから。。本当によかった。
次、こんなの作って欲しい!というアイディアやご意見も、ぜひください!あと協力してくださる方いませんか。。人が足りない。。。
<SNSで足りなかったこと>
一番よくなかったのは、参加性を文化として醸成できなかったことだ。情報を受け取るって受動的。だから、政治や選挙の情報発信を気軽にしてムーブメントを作りたかった。
思いつかなかった。。。
以前、教育現場がブラックであることを伝えるときに #先生死ぬかも というのを作った。
これは、瞬く間に広がり、twitterでトレンド入りした。学校の先生がいろんな告発や本音をどんどんしてくれた。
そして、先生が大変なことが知れ渡った。
この運動は、流行語対象まではもっていけなかったし、そのあとあまりメディアがのってくれなかったので、草の根の広がりから次の展開までは壁があり、悔しかった。
だが、現場の先生一人一人が動き出す、うねりみたいなのは作れた気がする。自分たちが苦しいといってもいい。同じく苦しんでいる人がこんなにいる。それに理解を示してくれる社会がある。
これがSNSの良さだと思う。
今回の選挙でいえば、自分たちが参加していると、それが楽しいと思わせるような共通の 「# 」が作れなかった。
#若者よ選挙に行くな という#を動画のときにつけたのだが、これは瞬間的な話題をとる以上の効果はない。
あとに続く、遊びがない。#選挙 とかじゃストレートすぎるし、#選挙いけ だと上からだし、、、
いまだに結論がでていない。
センキョ割にいくと、割引をうけられるというのを考えた方たちは、これをお祭りにしたいという。
それに似ていると思う。
参加している感じ。当事者だって盛り上がれる感じ。それが欲しい。
特定の候補者のファンになると、そうなりやすいんだけど、それだけじゃなくて、選挙自体にそういう付加価値がほしい。
うーん。。思いつかない。
これも少し受け身だけど、「投票所にいったら、たかまつなながネタやっていてすべっていたんだけど!うけるww」みたいな感じでインスタのストーリーのっけてもらって、会いにきてもらうみたいな感じとか。お笑い芸人のライブとか面白そう。
トップYouTuberが突如いろんな投票所に現れるとか。
なんかゲームっぽく、インスタに投稿したくなるようにできないかなぁ。。。
アイスバケツチャレンジ的な、参加することを表明したくなるような仕掛けがあるといいですよね。
思いつかない。思いつきたい。思いつきたい。できる。きっと。深夜のテンション、ごめんなさいっ。
いつも出張授業にいっていただいてる芸人さん、みのるチャチャチャ♪さん、ぶらっくさむらさいさん、エルシャラカーニさん、きくりんさんなどから、アドバイスも伺い、あとはアンケートを読み込み、先生方からもフィードバックをいただきながら、出張授業のブラッシュアップをしつつ、出張授業の現場にいっていただいた作家さん、笑下村塾のインターン、社長はじめ皆で次の選挙に向け、対策したいと思います。
どのようなコンテンツが必要なのか、若者に届くコンテンツをSNSで今後も発信していきたいと思います。
<自治体とがっつり投票率を向上するプロジェクトを>
今までやったことのブラッシュアップも、もちろん大切ですが、今後やってみたいこととしては、とある地域限定で若者の投票率を7割とかにあげる試みです。
私たちのたった1回の授業で、とある高校の投票率が84%まであがったことがあります。
それだけのコンテンツをもっているという自負があります。
だからこそ、どこかの地域で投票率を向上し、特区のような形でどんどん横展開できるプログラムを自治体と考えたい。
興味ある首長さんや役所の方いませんか…?
ずっとずっとやりたかったのですが、
なかなかできていません。
ノウハウはあるのに、悔しい。これをちゃんと実現したい。。
以上。
悔しさと今後やりたいことの決意表明でした。
今後も応援してください。
そして、
クラウドファンディング残り4日です!!!
https://camp-fire.jp/projects/view/166465
「笑いの力で若者の投票率を向上したい」
よろしければ、ぜひご支援・ご拡散お願いします。
若干、お金が足りず…助けてください…!!
出張授業の内容を書籍化しています。
宜しければ、こちらもご一読下さいませ
政治の絵本