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スカラベ(食事時注意)

※こちらは2012年に他ブログに書いたものの転載となります  奈良の若草山は、美しい芝に覆われている。  その様はゴルフ場とみまごうばかりだが、年に1度の山焼き以外は人間による手入れはあまりされていないそうだ。  若草山に生息するノシバの種は堅い殻に被われていて、それを食べた鹿の体内で消化液によって殻が軟らかくなり、発芽しやすい状態になる。  フンと共に排出された未消化の種は、フンを食べる昆虫のフンコロガシによって土中に運ばれる。  また、フンコロガシは土を耕すことで芝の

    • 映画『モンキーマン』を観た!

       デヴ・パテルの初監督・主演作『モンキーマン』初日ということで、早速劇場に駆けつけた。本作は元々ネット配信用に制作されたものだったが、あまりの面白さに「これは劇場公開するべき」とプロデューサーのジョーダン・ピールが買い取ったというもの。  そんな逸話も納得。序盤からラストまでグイグイと引っ張られ、あっという間の二時間だった。  前半の疾走感が凄まじく、しばしば主人公目線で映し出される光景は酔いそうなほどの臨場感だ。所々に挿入されるコメディとの緩急バランスも素晴らしい。  そ

      • Ponniyin SelvanⅠ・Ⅱ(PS1 黄金の河・PS2 大いなる船出)の極めて個人的な感想

         塚口サンサン劇場さんの粋な上映スケジュールのお陰で『PS1 黄金の河』と『PS2 大いなる船出』を通しで観てきた(本当にいつもいつもわかっていらっしゃる。ありがとうございます🙏)  1は先月公開されており14日は2の公開日だったのと、私の推しマカランド・デシュパンデが2に出演しているので、主に2の感想を。  原作は5巻からなる長編小説で、そのあまりのスケールの大きさから長年映画化が実現しなかったという本作。さすがに衣装やセットが大掛かりで素晴らしく、登場人物も多い。  そ

        • マカランド・デシュパンデの出番はコスパ◎

          『Guzaarish』(2010年)はリティク・ローシャンとアイシュワリヤー・ラーイ・バッチャン主演のヒンディー映画。  マジック中の事故が原因で四肢麻痺となった元マジシャンのDJとその介護をする看護師の物語で、安楽死という重いテーマながら古いヨーロッパ映画のような美しい映像で綴られる、静かに流れる時間が目に見えるような作品。  そこに飛び込んでくるノイズとして、我が推しマカランド・デシュパンデが出演している。  役はアイシュワリヤー演じる看護師のDV夫。主人公の寝室までズカ

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          『サイラー ナラシムハー・レッディ』をもっと上映して欲しい件(ネタバレ有り)

           日本各地の映画館で『熱風!!南インド映画の世界』が開催され、『サイラー ナラシムハー・レッディ』にハマる人が続出している。かく言う私もその一人だ。  本国での『サイラー』は興収で制作費を回収しきれず、テルグ語圏以外では商業的に成功しなかったとwikipediaにあった。  たしかに徹底的に主演のチランジーヴィの見せ場が盛り込まれていて、せっかくの豪華キャストが活かしきれていない印象はある。  だが映像や衣装などヴィジュアル面はほぼ文句なく素晴らしく(CGだけはちょっと残念

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          象の像を検索したら転がり出たもの

           ここ数ヶ月、毎日ドリパスで映画『ガネーシャ マスター・オブ・ジャングル』に投票し、それをTwitter(現X)に投稿するのが日課となっている。  正直、票は全然伸びていないので上映候補までたどり着けるとは思えないのだが、愛しい我が推しマカランド・デシュパンデも大活躍する日本語字幕付き作品は貴重なので、宣伝も兼ねて毎日何かしらの小ネタを付けて投稿するようにしている。  だが、さすがに数ヶ月続けているともうネタが尽きてしまった。切実なネタ不足に、私はヤケになって「象の像」で画像

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          珍しく本気で「ガネーシャ マスター・オブ・ジャングル(Janglee)」のオススメ文を書いてみた

          「ガネーシャ マスター・オブ・ジャングル」がAmazonプライムの見放題リストに入った。是非この機会に観て欲しいという願いを込めて。 映画は「『象牙はゾウのものである』トーマス・シュミット」という画面から始まる。これは象牙を取るための密猟を巡るストーリーだ。そこに主人公と父親の確執や、幼馴染親子の異変などが絡む。ヒロインが2人いるが、ロマンス要素は少ない。 随所で披露される古武術カラリパヤットは、個性的な型や武器が興味深い。私はビョンビョンしなる鞭のような剣ウルミがお気に入

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          誰かとの関係性だけに己の価値を見出してはいけない

          誰かとの関係性だけに己の価値を見出してはいけない。 誰かの友である自分。誰かの恋人である自分。誰かの伴侶である自分。誰かの子である自分。誰かの親である自分。誰かの兄弟姉妹である自分。 特定の誰かより成績が良い自分。特定の誰かより収入が多い自分。特定の誰かより高価な物を持つ自分。 フォロワーが何人いる自分。いいねがいくつもらえる自分。 誰かに好かれている自分。誰かを好きでいる自分。 その関係性を誇りやモチベーションとして自らに付随するものにするならいいが、関係性そのものに己の価

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          ペッダイヤとマカランド・デシュパンデ

           前回note記事を書いたのが8R後だったのに、いつの間にやら17Rである。その間に少しづつ変わってきたもの、変わらないものなどをつらつらと。  実を言うとRRRを観れば観るほど、マカランド・デシュパンデにハマればハマるほど、マカランドとペッダイヤの乖離が大きくなってきている。  一言で言えば「らしくない」のだ。 普段のマカランドはもちろん、彼が他の映画で演じてきたキャラの匂いもしない。  私が辛うじてマカランドらしい演技と感じるのは、ジャングが殴られた時の焦った表情と、「

          ペッダイヤとマカランド・デシュパンデ

          マカランド・デシュパンデの演技に見るペッダイヤのスタンス─『RRR』8回目の感想として─

          【序】 博識な諸先輩方やインド関連有識者の方の考察には遥かに及びませんが、中の人のファンの視点からというのは私にしか書けないことかなと思うので拙文をしたためます。  ペッダイヤって森のシーンは高めの声だけど、それ以外は低音で喋るじゃないですか(みんながペッダイヤの声を認識してる前提で話し出す強火ガチ勢)  中の人の素の声に近いのは高めのほうで、ついでに言うとペッダイヤは一回も笑わないけど、中の人は大抵ニコニコしています。  つまりペッダイヤはかなり意識的に抑えた演技をしてる

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          インド映画『Dagadi Chawl』感想

          『Dagadi Chawl』は2015年に公開されたマラーティー語のアクション・スリラー映画。  主演にはアンクシュ・チャウダリ、マカランド・デシュパンデ、プージャ・サワントの3人がクレジットされています。  ここからは英語字幕すらないものをWikipedia他からかき集めた僅かな情報を頼りに見た感想なので、内容についてはふわっとしている(もしかしたら細部は間違っている)ことをご了承ください。  ムンバイが街中の犯罪者の間で起こる継続的なギャング戦争に悩まされていた1996

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          キメラアント編のこと

           蟻編は全編に渡って表裏とか二面性というものが散りばめられてる。  異形のキメラアント達に人間だった頃の記憶があったり、不気味極まりないパームが実は美女だったり、ヤンキー小僧みたいなナックルが大人でクレバーで現実的な一面を持っていたり、メンタル激弱シュートが追い込まれるほど美しいまでの強さを発揮したり。  討伐隊はゴンやキルアも含めて、超人的な力でサクサク成功する人が誰もいなくて、みんなどこかで頭ぶつけたり地に膝ついたり、挫折や無力感や劣等感を抱える。  あのネテロ会長です

          キメラアント編のこと