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ペッダイヤとマカランド・デシュパンデ

 前回note記事を書いたのが8R後だったのに、いつの間にやら17Rである。その間に少しづつ変わってきたもの、変わらないものなどをつらつらと。

 実を言うとRRRを観れば観るほど、マカランド・デシュパンデにハマればハマるほど、マカランドとペッダイヤの乖離が大きくなってきている。
 一言で言えば「らしくない」のだ。
普段のマカランドはもちろん、彼が他の映画で演じてきたキャラの匂いもしない。
 私が辛うじてマカランドらしい演技と感じるのは、ジャングが殴られた時の焦った表情と、「石炭を焼け!」と言われ身を翻して走り去る姿、花畑でラーマとビームを見る表情くらいだろうか。

 でもだからと言ってペッダイヤの魅力は1ミリも失われないし、あの役がマカランド・デシュパンデじゃなくても良かったとも思わない。やはりペッダイヤはマカランドが演じているからこそ魅力的だと思う。
 寡黙で長台詞もなく少ない出番であれだけの存在感を出せるのは、やはりベテラン・バイプレイヤーの真骨頂と言えるだろう。
 何よりあのルックスだ。ペッダイヤはマカランドのこれまでの役の中でも指折りの美形だ(と私は思ってる)。あれはもうイケおじと言うよりは美おじの域だろう。
 彼の細くしなやかな体躯は、白髪白髭の割に若々しく、森の部族の年配の精鋭という難しい役どころにぴったりだ。所謂「動けるデブ」みたいなアレで「動けるジジイ」枠として、実年齢より老けて見える彼はかなり有利な俳優だと思うし、彼のベースあってのペッダイヤの美おじぶりなのだ。

 これを読んでくださる方の中に『PS-2』をご覧になった方がおられるかもしれない。本当に短いカメオ出演で、マドゥラーンダガン王子が同盟を結ぶカラムガルの指導者を演じているが、強烈なルックスと存在感で「こんな激烈な指導者が歓迎する同盟者の為なら、勇猛な戦士達はさぞや大きな力を発揮してくれるだろう」と思わせる。彼の後押しを得た王子の表情も自信を湛えたものに変わる。
 あれは正にマカランド・デシュパンデでなくてはならない役だった。
 ペッダイヤも同様に、彼だからこそできる強すぎず弱すぎない絶妙な存在感、これはどうやらただの痩せた老人じゃないぞと思わせる「伊達にチーム羊飼いにはいない」という説得力。森を支配する虎が弱音を吐ける唯一の相手だ。そう誰でも彼でもできる役ではない。
 以前も書いたが、とにかくペッダイヤは意識的に抑えた演技がされている。マカランドの演じるペッダイヤというキャラクターのポテンシャルはあんなものではない。
 もしRRRの続編にペッダイヤが出てくるのなら、もしかしたら大化けするかもしれないなと思っている。

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