大陸合理論とイギリス経験論が陥った問題
これまで語ってきた通り、大陸合理論は、ライプニッツの「モナドロジー」がそうであったように、結局は「独断的推論」に陥ってしまった。
そしてまた、イギリス経験論のほうは「経験」の基礎を突き詰めて、結局ヒュームのように「懐疑論」に陥らざるをえなかった。とすると次の問題は、この「独断論」と「懐疑論」の両者を批判し、より高度な次元の「哲学」を論ずることが待たれることになる。その期待に応えたのがイマニュエル・カント(1724〜1804年)の批判哲学であった。次回、カントについて紹介する。