黒木 貴啓|OMOTE PRESS
2022年11月、現代の面(おもて)にまつわる事象を、古今東西の仮面や覆面から見つめるリトルプレス『面とペルソナ20’s』を創刊しました。 このマガジンでは関連情報の発信や、同誌記事のWeb掲載。さらには世間で気になる「面」の話題やコンテンツをレビューしたり、おすすめの仮面や覆面に関する本を紹介したりしていきます。
これまで書いたマンガに関するレポート、レビューなど記事をまとめています。
海外のレイブパーティーに負けない、日本人が踊りを愛する原始的な姿を紹介します。
執筆した日本の奇祭のレポート記事や考察記事をまとめています。男根だらけでごめんなさいね。
地元・鹿児島のへんてこなものについて執筆した記事をまとめています。垂水フェリーの月見うどんが好きです。
出版レーベル・OMOTE PRESSは2022年末に、現代の「面(おもて)」にまつわる事象を、古今東西の「仮面」「覆面」をテーマに、インタビューやエッセイ、評論、マンガなど様々な形態から見つめる雑誌『面とペルソナ20's』を創刊しました。 このたび2号目となる特集号「アバターと仮面、その狭間」が完成しましたので、お知らせいたします。 本特集では、VTuberやメタバースにおけるアバター、SNSのアイコン画像など〝仮想世界における面のようなもの〟について、カメルーンの秘密結社
それは演劇と呼ぶよりは、仮面を使った憑依、変身の儀礼のようだった。 四畳半の空間で、石川朝日という役者は、確かに人間ではない何かに成り変わっていた。 2024年7月19日、三鷹SCOOLにて公演『1(忘)LDK - 連続上演』の第1回が上演された。手掛けるのは、演出家・劇作家の山田カイルが代表を務める演劇団体「抗原劇場」。 本公演に参加するアーティストたちは、鴨長明「方丈記」から山田が着想を得て書いたという“指示書”(インストラクション)をベースに、それぞれの解釈のもと、3
日常を過ごしていると、その時その場で足りない感情を埋め合わすように自然と聴いている音楽がある。 特にシャムキャッツの楽曲はそうだ。秋から初春、夕方に冷え込んできて人寂しくなったとき、笹塚から甲州街道沿いを歩いているとふと、イヤホンから「AFTER HOURS」をかけている。コロナ禍で一人家にこもっているとき、好きな人に会えなかったり元カノを思い出したりすると「逃亡前夜」に浸ったりした。 中でも「渚」という曲は私の人生に欠かせない風物となっている。 6月のある日にカラッと晴
2019年7月1日に東京・五反田の編集プロダクション・有限会社ノオトに入社した黒木ですが、このたび2024年5月31日をもって退社しました。 この5年弱、Web媒体を中心にさまざまな記事やイベントを制作しましたが、ご依頼させていただいたライターさん、イラストレーターさん、デザイナーさん、フォトグラファーさん、取材協力者のみなさん、本当にありがとうございました。 退職理由は完全に前向きなものでして、短期的には、 という気持ちが強くなったのが主な理由になります。 大学卒業
『スタジオジブリの仮面と覆面』というZINEをつくりました。 ナウシカの瘴気マスク、もののけ姫のサンの仮面、千と千尋の神隠しの河の神様など、宮崎駿監督作品にでてくるいろんな面(おもて)を、仮面と覆面の民族学や、宮崎駿の資料から読み解く考察本となっています。 目次と書誌情報はこんな感じ。 ▼目次 『風の谷のナウシカ』 ・瘴気マスクがもたらす異世界と覆面効果 『もののけ姫』 ・サンの仮面はなぜ山犬っぽくないのか ・憤怒のもののけにトランスする半仮面 『千と千尋の神隠
宮崎駿の監督作品『君たちはどう生きるか』が、7月14日に公開された。 公開初日の朝一番に観に行った。宮崎駿が自分自身、そしてわかりあえる者のためだけに、この現代社会に抱いている危機感、渦巻く理不尽を、奇怪かつ珠玉のアニメーション表現に落とし込んだ『不思議の国のアリス』というのが率直な感想だった。 イチ宮崎駿ファンとしてはもちろん堪能し、圧倒された。 一方で、これまでの宮崎駿作品にあった、楽しくて心が躍る、愉快でわかりやすいエンターテイメント性を期待して観に行った人は、難
2022年末になりますが、現代の“面(おもて)”にまつわる事象を古今東西の「仮面」と「覆面」から様々に見つめるリトルプレス『面とペルソナ20's』を創刊しました。 創刊号のテーマは「コロナ禍と面」です。 2020年2月頃から日本で新型コロナウイルスが流行し始め、衛生マスクを着ける生活が始まって早3年。 「顔を半分覆っているだけなのに、なぜちょっと安心するんだろう」 「相手の顔が半分見えないだけなのに、少し不安を覚えてしまうのはなぜなのだろう」 マスクに感染予防の効果があ
●アルバム●宇多田ヒカル『BADモード』 最高でしたね。朝起きてしんどいときは必ずA面に針を落として1曲め「BADモード」をかけるという、自分にとって白湯のようなアルバムでした。飲んで帰ってきてからなんとなく家で物思いに耽りたいときはB面に変えて「気分じゃないの (Not In The Mood)」にまみれたりと、LP版の構成が生活にぴたっとハマり、人生を通して日常に欠かせぬ1枚になった気がします。 あと配達がめっちゃ遅くなってもいいからLPをしっかり予約生産し続けたソニー
遅くなりましたがあけましておめでとうございます。 2022年は仮面のリトルプレスづくりに追われてあんまし読めなかったけど、広まって欲しい作品もあれば、自分の心に刺さった理由をちょっとでも言語化しておきたかったので、この1年で好きだったマンガを備忘録として書き記しておきます。 ●持田あき『ゴールデンラズベリー』(3巻、以下続刊) りぼん作家としてヒット作を生み出してきた持田あき先生が、女性誌『フィールヤング』で連載している仕事×恋愛×芸能界マンガ。 高学歴高身長にもかかわら
今年の振り返り ふだんWeb系編集プロダクションで働くかたわら、マンガに関するレビューやインタビュー記事を定期的に書いたり編集したりしています。 2021年は4月に出た『BRUTUS』のマンガ特集号で「何かここ数年ですごかったマンガ表現を紹介して下さい!」とご依頼を受け、「目に見えないものを描いた傑作マンガ」として『シオリエクスペリエンス』『バジーノイズ』『BLUE GIANT』の音楽表現を紹介させていただきました。 シオリとバジーノイズは何かしらの賞をもらってほしいと
●告知と前置き2021年12月15日(水)の夜に、自分が所属している編集プロダクション・㈲ノオトの主催で、この1年にインターネットで公開された記事のなかから"推し”を紹介し合うトークイベントを無料生配信します。 「2021年あなたの推し記事は? ネット文章大好き編集者&ライターと振り返る【無料生配信】#推し記事2021」というイベントです。 ゲストはネット文章に精通したライター、編集者さんの4人。 オモコロ編集長の原宿さんと、デイリーポータルZの編集者であり文筆家の古賀
2020年は副業でマンガレビュー仕事もぽつぽつ再開し始めました。 スポーツ誌『Number』のWeb版で『ハイキュー!』と『鬼滅の刃』の最終巻発売にあわせて1本ずつ書かせてもらったのですが、どっちもデイリーランキング1位とれてよかったです。 ▼大人気バレー漫画『ハイキュー!!』は、なぜ“立体的”に見えるのか? 「他で見たことない!」3つの表現法 https://number.bunshun.jp/articles/-/845682 ▼なぜ炭治郎はこんなに痛がるの…? 『鬼滅
シャムキャッツと初めて出会ったのは、2010年に下北沢のライブハウス「CLUB Que」で行われたオールナイトイベント「club SUPERNOVA!」だった。 SUPERNOVA!は、くるり、ナンバーガール、スーパーカー、中村一義をメインに1997年から盛り上がったオルタナティブロックを特集するDJイベントだ。当時ぼくは大学4年生で、就活で1社も内定をもらっていないにもかかわらず、邦ロックにずっぽりはまってしまっていた。 もともと洋楽ばっかり聴いていたのだが、邦オルタナが
カードをめくると「コマ割りがかっこいいシーン」というお題が表示された。好きなマンガを1冊ずつ持参した11人。それぞれ必死にページをめくって、かっこいいコマ割りを探す。 一番いいプレゼンをして、このマンガ読書会ゲームに勝つために――。 2月28日(木)、マンガ専門書店&カフェバーのマンガナイトBOOKSで「マンガ読書会ゲーム」を開催した。 考案したのは、「ぷよぷよ」「はぁっていうゲーム」など数々のゲームをつくってきたゲーム作家/ライターの米光一成さん。 ぼくがマンガナイトBO
去る1月27日(日)、文京区茗荷谷で親子三世代にわたって営んでいる銭湯「大黒湯」さんで、”銭湯とサウナを題材にしたマンガ”の魅力についてトークするイベントを開催した。 お客さんには会場で銭湯サウナマンガ16タイトルから、好きな1冊を買うことが約束付けられている――という変わった催しだ。 題して「マンガで入る銭湯サウナ」。 主催は、昨年10月に後楽園にオープンしたマンガ複合施設「マンガナイトBOOKS」。今は珍しいマンガ専門の書店であり、カフェ&バーという憩いの場でも
ニュースサイト「ねとらぼ」で、初の同人誌「ねとらぼん」をつくりました。特集は「ネットと銭湯サウナ」。最近人気がじわじわ高まっている銭湯とサウナについて、インターネットがどのようにかかわっているのか、コラムやインタビュー、エッセイなどさまざまな記事を通して見つめる一冊です。 こちらではぼくも寄稿したエッセイ「獣の帰り方」に若干の修正を加えて公開します。なお、ここに出てくるM氏とは、下北沢のソウルメイトでありライターの世界に導いてくれた一人、宮崎智之さんです。 ●獣への帰