日本の美学 2
続きです。
「今は、肉体が大切にされる社会なので、肉体を痛めるものがすべて悪いと思われています。しかし、実は人間は肉体を痛めるものが価値が高いことも多い、ということをわかって頂きたい。(中略)肉体に苦痛を与えるものが、精神的には素晴らしいものとなる。」とありました。少し体調が悪ければ、休むことが可能ですし、休むことを促される昨今ですが、それでも無理して働くくらいで良いのかなと改めて思いました。昔は無かったアレルギー症状は、自律神経、つまり交感神経と副交感神経のアンバランスから来ており、副交感神経に偏った場合に発症するといいます。交感神経はやる気があってテンションが高い状態、副交感神経はちょっとダラっとした休息の状態。この二つにしっかりとメリハリがつけられることで、健康状態が保てるそうですが、少し交感神経に偏るくらいの方がよいのかもしれません。情けない話ですが、私のアトピー症状は副交感神経に偏っていることからくるものですが、交感神経が出しゃばりすぎて、急激に副交感神経の方に振れてしまうとも言われています。この辺りのメカニズムはきちんと理解しきれておりませんが、著者のお話しに通じるところがあるように思えました。
続いて、「何かを信じてそれに向かってボロボロになっていくのが、一番良い人生を創る。」ともありました。続けて「人生というのは愛が一番大切なのです。」、「愛とは、自分の命を何かに捧げ尽くすということなのです。」とありました。「何か」とありましたが、この先を読んでいくと、この「何か」は何でもよいようで、善悪でもない、とにかくどんなことでも何かに捧げ尽くすことができれば良い人生だと読み取れました。
著者は大変な読書家で、読書のやり過ぎで何度か死にかけて、トインビーの「歴史の研究」を読破した時は一時的に失明したとのことでした。これだけ聞くと「いやいや、そんなバカな」となってしまいそうですが、著者の本を何冊か読むとそうはなりません。「読書は、ただ『好き』なのでは駄目なのです。命を賭けなければならない。」ともありました。私などはぬるま湯で読書しているようなものですから、著者ほどまではいかなくとも、もう少し必死に読むようにしなければいけないと思いました。
さらに続きます。