各家庭のカレーライス事情。
隠し味の難しさの一席。
なんとなしにつくってみたら、クリティカルヒットで美味かった。
今日の朝も、口の中がこの味でいっぱいだ。
さて本日のキーワード「隠し味」について。
各家庭のカレーライス事情が気になってしょうがない。
家によって隠し味が変わるから。
醤油にケチャップ。ソースや梅干し、チョコにバナナとさまざまだ。
各々の味が主張しないギリギリの味付けをするから味に深みが出るのであって、いれすぎるとびっくりするくらいに不協和音になる。
実に難しい世界である。
そんな世界を掘り下げる一品。
さて本日は「鯵」「梅」「生姜」「味噌」「塩」「薬味」をご用意くださいまし。
材料
鯵 1匹
●味付け●
梅 1粒くらい(家にある梅の酸っぱさをチェック)
生姜すりおろし ひとかけ
味噌 スプーン半分くらい
●お好み●
オニオンスライス、茗荷、ねぎ、胡麻、などなど。
作り方
1、捌けるならばレッツラゴー
鯵を3枚におろしましょう。骨の部分はあら汁につかえるので、大事に残しておくとよし。鯵には「ぜいご」と呼ばれる尻尾のようなものがついておりますゆえ、ここも綺麗に落としてあげましょう。
中骨を抜くのもお忘れなく!
(捌けないあなたへ)
捌けなないあなたもご安心!鯵の切り身をご用意すれば問題なしでございます。
2、毎度!お塩をふるのをお忘れなく
何度も申しておりますが、この下味が大切。
身をキュッと締めて、魚の余分な水分をだしてくれるのです。
さらには、もやっとした味付けになりにくい!
油断して変なこと言ったら、見えないところでお尻つねられ、「あ、やべ」と背筋が伸びる、そんな感じのイメージ。
3、梅と生姜をたたいて、すって
梅は包丁の背側で優しくたたいてあげましょう。
生姜はすりすり。ボウルにスッと流し込みスタンバイ。
4、たたきすぎない!(鯵をたたく)
たたきすぎない。誹謗中傷同様に、たたかれすぎると、心が折れる。鯵もシュンとしちゃいます。程よい大きさを残しつつ、やさしくたたきましょう。
5、隠し味のすすめ
隠し味として「味噌」を投入。
ここでガツンと味噌味にしてしまうと、梅がララバイしちゃいます。隠し味のつもりが、まったく隠れていないなんて出しゃばりな子っ!と味噌がならぬよう、ほんのちょっぴり足してあげるのがコツでございます。
6、味見と称してガッツリ食らう
隠し味の塩梅がうまくいったなら、きっと美味しゅうございましょう。あとは味見と称して、ガッツリつまんで自分を褒めてあげましょう。
以上。
今日のツボ
・鯵の骨は残しておいてね
・お塩をふるのをお忘れなく
・たたきすぎないで!
・隠し味の意味を噛みしめる
・上手くできたら褒めてあげる
以前、父親がカレーつくってくれた。
隠し味はバナナ。
食べてみてもバナナ。
そんなバナナ。
母は一口食べて、たちまちご機嫌が斜めになり、その感情の起伏はさすがAB型、天晴れ!という感じであった。
隠し味とは実に奥深い世界である。
もうカレー味のバナナは食べたくない。
お後がよろしいようで。
食べたいものをつくる人 高橋 拝。