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【仏教は人間学】

【仏教は人間学】

仏教は本来、人間学です。

これについて、

原始仏教の研究者で元駒澤大学総長・名誉教授の水野弘元文学博士(1901−2006)は、著書

『仏教の基礎知識』(春秋社)

の中で、こう述べています。
(3頁〜7頁)

「仏教は、

人間が社会生活をなすにあたって、

『人生はいかにあるか』

ということを正しく知り、

そこから

『人間はいかにあるべきか』

という社会・人生の理想を見出し、

その理想に向かって進んでいくことを説くものである。

それは広い意味での人間学であるということができる。

(中略)

今や日本においては、

物質文化は日進月歩の発達をたどり、

物資は豊富になり、

文明の利器はますます多く登場して、

すべてが便利になってくる反面、

物質経済の面での競争は一層激しくなり、

それにふりまわされて、

静かに魂の問題を考える余裕もなくなってきている。

物や機械に動かされて、

人間の自主性を失ったロボットになりつつあるのが今日の実情である。

自ら満足する自主性が得られないために、

瞬間的な享楽や娯楽でまぎらしたり、

周囲を考えないマイホーム的なレジャーの楽しみで満足したりして、

深く自己に沈潜しまたは社会・人生の問題を真剣に考えようとしない。

(中略)

今日の日本の社会では、

宗教一般について、

とくに伝統的な旧仏教については、

それは人生に無関係なものであり、

無用なものであるとして、

多くの人々によって見られていることが知られる。

しかし本来の仏教は社会・人生の平和と幸福を願い、

それに到達するためのもっとも合理的な手段方法を説くものである。

(中略)

実際において、

世の中の真の平和と幸福は、

まず人々が自己に目ざめ、

自己をふくめた社会・人生のあり方を正しく思いめぐらし、

理想社会に導くための方策を真剣に講ずるようにしなければ、得られるものではない。

今日のようであるならば、

社会は競争や闘争に明け暮れ、

不安と焦燥にかられるようになり、

今日の東西の対立やインドシナ半島、

中東地方などの紛争に見られるような、

果てしない混乱の泥沼に落ちこむであろう。

かくては人類はますます堕落し、

人間性を失って、

不幸の状態に沈むばかりである。

人間性を回復させ、

心に平和と安らかさを持たせるものが宗教であり、仏教である。

世界の多くの宗教の中でも、

仏教は人間学として、もっとも理想的なものであることは、次第に明らかとなるであろう。

仏教は人間学であるから、

それは人間全体を向上させ、

それによって人々の心に平安を与えるものである。

(中略)

人間学というものは、

個人的・社会的のあらゆる人間の営みにおいて、

人間が、

『社会・人生はいかにあるか』

ということを正しく知り、

『社会・人生はいかにあるべきか、人はいかに活きるべきか』

を検討し、

それに従って行動することを説くものである、

ということができる。

このように、

仏教は人間学を説くものであるから、

狭い意味での、

いわゆる宗教だけのものではない。

人間である以上は、

誰でもそうなければならないことを説くのが仏教であるから、

それは宗教とか仏教とかという名を使用しなくてもよい。

そこに説かれるものは、

古今東西を通じ、

人間が人間として守らなければならない規範であって、

仏教では昔からこれを法(ダルマ)と呼んでいる。」

本来の仏教は、

『世界平和と人類全体の幸福を願い、それに到達するための最も合理的な手段・手立てを説くもの』

です。

『人間性を回復させ、心に平和と安らかさをもたせるもの』

が仏教です。

仏教は本来、

人間学であり、

人生哲学であり、

精神修養です。

仏教を学び、

人格を磨き、

徳を積みましょう。

悟りは人類を救います。

瞑想を日課とし、

悟りを開きましょう❗

来たよ

来たよ

覚者の国に

悟りを開いた皆んなと一緒に来たよ

悟りあれ

幸いあれ

『仏教の基礎知識』
(著者 水野弘元 春秋社)


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高原茂
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