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〜「ただの人」として生きる〜「傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考」

こんにちは

早速ですが、「図太い」人ってどんな人でしょうか?
そしてそうなりたいと思いますか?
どうでしょう。

私の場合は、昔から臆病で度胸がありませんでした。

言いたいことが言えない、いざという時に立ち向かえない。
意見を言われるとすぐ怯んでしまったりビビってしまったりする。

そんな生涯を歩んできたので、図太い人に憧れを持っていました。

そして手に取ったのが今回読んだこちらの本。
「傷つきやすい人のための 図太くなれる禅思考」です。

今回書評として説明するために、ちょっとこの本の本質的なところにも
がっつり触れているので、ネタバレ要素多めです。
そのため、タイトルを見て”自分にドンピシャだ!”と思った人は
先に自分で買って読むことをお勧めします。

それでは、いきましょう!

〜目次〜
○そもそも”図太い人”の定義とは?
○長所には敏感に、短所には鈍感に
○前後裁断 いちばんの「仕返し」は堂々と生きること
○反省は、ピンポイントでいい
○〜最後に〜 「ただの人」として生きる

○そもそも”図太い人”の定義とは?

僕に取って、良いな!と思う本の特徴があります。
それは、筆者の言葉への定義が特徴的で、スッと腑に落ちることです。
ここで射抜かれた本は大体買ってます。

この本で言えば、「図太い」と言う言葉。

読む前の私の「図太い」のイメージは、
何事にも動じない、どっしりとした人。

著名人で言えば、堀江貴文さんとか、作家の佐藤優さんとか。
そんな人に憧れを持っていました。

ただ、同時に、自分はそんな人にはどうせなれない、と諦めを持っていたのが事実です。

それが良い意味でストンと腑に落ちさせてもらったのが、この本での「図太い」の定義。

それは、”しなやかな心を持っていること”

著者は、堅い木と竹の違いでそれを例えています。

”堅い木は風が吹くととそれに抗して真っ直ぐに立ち続けようとします。しかし、
風がもっともっと強くなれば、耐え切れずにポキリと折れてしまう。これに対して”竹は風に逆らうことなく、幹をしならせます。そうすることによって強風にも耐えきり、風が止めば、しなやかに元の姿に戻るのです。”(P54より抜粋)

これが図太さの神髄です。
嫌なこと、辛いことに押し潰れないたくましさ。どんな状況にも折れたりへこたれないたくましさ。
その瞬間は凹んでも、すぐに立ち直るしなやかさ。

筆者はこのことを禅用語で”柔軟心”と説いています。

このしなやかな心こそが、この著書のメインテーマではる”図太さ”です。

この言葉に感じられただけでも、素晴らしい一冊に出会えたとおもいました。

○長所には敏感に、短所には鈍感に

みなさんはどちらが重要でしょうか?
ちなみに私の会社では、短所を徹底的になおすことがよしとされています。

ただ著者の意見は、それよりも長所を伸ばすことに注力する。

現代において、短所を補うための情報には事欠かない。
(6ヶ月で英会話をマスター!とか)
でもそれには落とし穴があり、苦手やマイナスを平均レベルにまで引き上げるのは大変な労力がかかる。
それなら目の向けどころを普段鈍感な長所に注目しない手はない、と言うことです。
長所だけにフォーカスする”図太さ”を持ちましょう。と言うことです。

このテーマに関しては、さまざま意見があると思いますが、
今私がなんとなく感じているのは、

・会社・組織での出世や、仕事はそれなりでプライベートとして充実させる人生を歩みたい場合は短所を徹底的になおすべき
・個人として生きていきたい人は、長所を徹底的に突き抜けるべきだと思います。短所でさえも、無理やり長所にしちゃうくらいの勢いです。

皆さんはどちらになりたいですか?
(もちろんマナーや礼儀を身につけることは別ですよ。
それを短所には目を向けないと都合よく解釈する人がたまにいますが、一部の天才を除きそれは違うと思います)

○前後裁断 いちばんの「仕返し」は堂々と生きること

いつかあいつを見返してやる!

私は、よく思うとがあります。

いわゆる、復讐の一つの在り方ですね。
ただ、結局超えられないんです・・・。それでさらに自分が嫌いになる。

筆者はこの「仕返し」について疑問を投げかけています。

”どんな相手でも、人を恐れたり、傷つけたりするのは、決して心地よいものではありません”

この章で説かれている禅用語が”禅語裁断”です。

道元法師(多分禅業界の偉い人です)の解説によれば、
四季は決して、春が夏なった、秋が冬になったのではなく、
移ろいの中で季節がつながっているようでも、実はそれぞれが切り離され、独立してその季節を現出させている。

つまり、今に集中して生きればいいと言うこと。
仕返しを考えている状態は、すでに過去から切り離された現在を、相も変わらず過去の嫌な思いをした自分として生きること。
になると言うことです。

”仕返しは過去に葬って、いまを、ただ、生きる”

道元先輩、うまいこと言うなあ〜と思いました。

ただ一個個人的に引っかかるのは、対して仏教には、因果応報という言葉をあります。
多分禅では、過去現在の繋がりを”縁”として捉えているのかと思います。
ここら辺の考え方は、今度知り合いの僧侶さんに聞いてみようと思います。

○反省は、ピンポイントいい。

反省する人、失敗から学ぶ人は成功する。
そうなんです、その通りなんですが、この反省の仕方がやり方によっては危険ですと言うのが、
この章のテーマ。

正しく反省するならよいんですが、
「自分ダメだな〜」といのは反省のしすぎだといいます。

”必要なのは、全てについて反省するのではなく、その段階のどんな部分に問題があったか、そこが足りなかったか、を検証し、問題があった、不足していた、と言う点を見つけて、そこについて反省すると言うことです”(P 153より抜粋)

つまり、反省は問題箇所、不足部分にピンぽいんで焦点を当てたもので、いつまでも
ひきずっていてはダメと言うことです。

ここで、ふと思い出したのが、
ホリエモンが、近畿大学の卒業式のスピーチ(ユーチューブに上がっている有名な動画です)
で失敗したときの対処法について述べている部分。

”失敗した時にいい処方箋というは、失敗した段階で、再発防止策をとる。二度と同じ失敗をしないように、どうやったらいいのか、その場で考える。そして、考えたら、酒でも飲んで、騒いで忘れる。次の日にはすっぱり忘れる。”

まさしくこの本で述べているのはこのことだな〜と思いました。

※ちなみに、いろいろ本を読み進めて行くと、このように、著者が本で言っていることは、言い方色々あれど、結局本質は同じことなんだな〜とつながる時があります。
(他の本で、他の本で言っていことが繋がるイメージです)これがどんどんわかるようになると楽しいし、知識も体系化していくのでお勧めです。

○〜最後に〜 「ただの人」として生きる

筆者は他にも、

・落ち込みの沼から抜け出す、「図太い視点」とは?
・七走一座 「一人の時間を持って、自分を見つめ直す」
・大物と親しくなるには、ポジションではなく、プロセスに目を向ける
・自分の「心の声」を聞く

などなど、生きる上での禅的メソッドをいくつも説いています。
本当にここで書くと終わらなくなってしまうので、続きは書店かインターネットでお買い求めください(笑)

さて、そろそろまとめます。

「詰まるところ、図太く生きたうえで、どのような人生を
歩むのか」

もちろん図太くなることが目的ではありません。
これについて筆者は一つの見解を説いています。

”人生に幕を下ろし、旅たつときに、
「ああ、いい人生だったなぁ。やることはやりきった」と感じることのできる
人生が一番素晴らしいと言うことです。”

そのために、周りがどうかではなく、自分の信条を貫いてしなやかに「図太く」生きる。

そんな人生が、幸せということでないでしょうか?

う〜ん、深いですね。
素晴らし本に出会えた喜びと同時に、禅の世界というものにもっと触れてみたくなりました。

以上、お読み頂きありがとうございまいした。

書籍の詳細・インターネットでのご購入はこちらより


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