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【フリーランスエンジニアが仕事もせずに巡礼してみた2023】§1 巡礼1日目 ゾウさん


§1-1 出発

あまり寝られなかった。
指定されたベッドの位置が部屋の隅だったこともあり、空気も悪い気がする。

2段ベッドが9個ある部屋だからしょうがない。

まだ6時。準備を始める。

7時にチェックアウトができるので、それまで待機。

羽田空港からずーっとサンダルだったが、ようやく靴を履く。

「カミーノ?」と声をかけられる。同じ部屋だった背の高い人だ。
この人も巡礼者だろうか。不明だ。

受付でチェックアウト。
デポジットで預けていた€10も帰ってきた。

それでは、去年の続き。巡礼のスタート。

去年巡礼を終わりにしたポイントはポルトゥガレテなのでそこまで行く。

去年は「街の中なんて巡礼で歩いても面白くない」と言って地下鉄乗ってポルトゥガレテまでショートカットした。

今年もそうしよう。街の中、つまらない。

ホステルを出ると、さっきの背の高い人に話しかけられる。
ポルトゥガレテに行きたいらしい。
巡礼者だった。
地下鉄に乗ってポルトゥガレテまで行くことを伝えると、

「いい案だ、一緒に行こう。
カミーノで街の中歩くの面白くない。
インダストリアルな感じ、つまらん。」

と言われ一緒に向かうことに。

リチャードさん、アメリカ人。背が高い。

さて、地下鉄。
チケットが買えない。選ぶべきボタンがわからない。
昨日はATMをクリアしたというのに。

既に買い終わったリチャードに助けてもらう。

去年はどうやったんだ、、、?

去年もおそらく助けてもらったのだろう。


去年はポルトゥガレテに行く際に、乗り換えに失敗して違う方向へ行ってしまった。

今年はリチャードがいたおかげで無事たどり着いた。

ありがたや。


リチャードは朝ごはん食べてから行くらしい。
僕はもうちょっと先で食べたいのでお別れ。

§1-2 スタート

さて、ようやく巡礼スタート。

黄色い矢印を見つけて進む。

道路、すごい。

ふと、
「こんなに道路も出来て自動車も走っているところで、なんで歩いてるんだろう」

なんで歩くの?
何がしたいの?
歩きたいだけなの?

なんなの?

日本にいて、巡礼に行きますと伝えると聞かれる当然の質問。

仕事もせずに歩きに来た。夢があるとかそういうものあるけど、歩き切らないと人生先へ進めない。
そんな気がしている。

巡礼路にいるヤツら。
猫と馬と牛。
そして散歩されてる犬。
これが巡礼に登場する動物たち。

そして今日も山登り。
舗装された道なので歩きやすい。

気づくとリチャードに追いつかれる。

そして追い抜かれる。

初日なのでなるべくゆっくり歩く。今日は距離も短くてよい。

今日は山を越えると海沿いに出るはず。

頑張る。

今日のゴールはここではないので眺めるだけにする。

2回ペットボトルを落として登り直した
海沿い
カストロ・ウルディアレスまで行く人
アルベルゲ到着

もっと海に近いところを歩くのかと思っていたら、かなり高いところを歩いていた。

思ってた海沿いと違った。

§1-3 アルベルゲ

アルベルゲは14時からオープンだけど、今の時間は12時。

2時間待つ。

さっき会った、カストロウルディアレスまで行く人もアルベルゲに来た。

足痛いから今日はここまで、とのこと。

追い抜いた韓国人2人組もやって来た。

この韓国人、英語はほとんどわからないらしく、どちらかというとスペイン語の方が伝わるらしい。
それはそれですごい。
きっと巡礼するからと、勉強したんだろうなぁ。すごいなぁ。

13時にアルベルゲの人がやって来た。

荷物を預かってくれるらしい。

身軽になったがあと1時間暇になった。


ボーっと座っていると、女性が話しかけて来た。
ドイツ人。モニカ。

頑張って英語を話す。
あぁ、去年もこうやって色んな人が話しかけてくれて、自分でも何を言ってるかよくわからない英語を聞いてくれて、話をしてくれる人がいた。
こういう人たちのおかげでなんとかやっていける。

ドイツのケルンに住んでること。
6時間以上のフライトは乗りたくないこと。
幼稚園で働いていること。
20km以上は歩けないよ!などなど。

「大丈夫、ちゃんと英語話せてるよ」と言ってくれた。
そんなはずはないのだか、伝わっているならよかった。
言語の勉強はすぐモチベーションを失ってしまうので、積極的に頑張れないけど、頑張ってみよう。
スペイン巡礼中は色んな言語を使う人がいるので、留学に行くより「会話をする」という能力だけなら伸びると思う。
毎日歩いて次の街に行かないといけないし、日本人や日本語話者なんてほぼいない。

「留学行って日本人とずっと一緒にいました。」
とか
「寮やホテルなどに引きこもってました。」
みたいなことにはならない。
というか、そんなことできない。

まぁ、留学したことないから知らんけど。


14時。

チェックインしてシャワーを浴びて、ちょっと休憩。

周りには何もない。スーパーもレストランもバルも。

ビーチがあるとのことなのでモニカと行ってみる。

ビーチ?

たくさん質問されて、答えようと頑張る。
単語が出てこない。わからない。
モヤモヤする。

モニカさんの類稀なる理解力により、会話が進む。

「日本の観光地の写真見せて」
ということで、自分の写真フォルダから函館と松島、河口湖の写真を見せてみる。

景色より食べものの写真が多く、笑われる。


20時の夜ご飯までまだ時間がある。


アルベルゲに戻りなんとなく過ごす。

20時になるとみんなでご飯。

アルベルゲの管理人のダニエルから最初のひとこと。

聞き取れたのはこんな感じ。

「せっかく集まったのだから自己紹介をしよう。
みんなに合わせて英語でなくて良い。わからなくて良い。フィーリングなんだ。

そして、この機会にご飯を食べながらたくさん巡礼者同士で会話してほしい。」

そうしてダニエルのスペイン語による自己紹介から夜ご飯は始まった。

ここにいるのは、オランダ人夫婦、ドイツ人3人、韓国人2人、そして日本人、ということがわかった。

韓国人のうち、1人は韓国語しか話せないみたい。
もう片方が代わりに英語で紹介しようとして、

「そうじゃない、自分で話すんだ。英語じゃなくていい」

と注意が入る。

オランダ人は「カンパイ」「アリガトウ」と知ってる日本語を話してくれる。
そしてちゃんと乾杯してくれる。

ひと通り自己紹介したあと、モニカが幼稚園で働いていることもあり、

子供が幼稚園で歌う歌を歌ってみよう

ということになった。

§1-4 歌を歌おう

オランダではこんな歌、と言って歌い出す。
ドイツはこんな歌。
こんな感じの意味だよーって解説もしてくれていたみたいだけど全然わからなかった。

そして韓国人2人組、歌えない、無理だと言って断った。
友達同士来てるから恥ずかしいとか、そういう気持ちなのかな。
2人で巡礼にくる弊害かもしれない。


英語話せないから2人で来ている。
2人でくるから母国語だけで、その2人だけで会話する。
他人に何か言うつもりはないけれど、いいのかそれで?
さっきの留学の話と同じことをまた思った。

巡礼は、1人で行って、その場で誰かと会話して一緒に歩く。
これがいい楽しみ方だと思う。

いつか何かで成功するときのために、自らたくさん失敗しに行く旅なんだと思う。
巡礼は人生のようだと。誰かが言っていた。

さて、日本人の順番がきた。

こんなとき、何を歌えばいいですか?

なるべく短い歌、リズムが難しくない歌。
そして歌詞の翻訳が自分の英語力で可能な歌。

すぐ思いついたのは

「ゾウさん」

だった。


今年、33歳になります。
異国の地で、1人でゾウさんを歌いました。
(1番だけです)

頑張った甲斐あって、興味を持ってもらえました。

さて、来ました。翻訳の時間です。

Elephant nose is long.

Mother elephant nose is long.

えー、これが私の限界です。

そして気になる反応は、、、

外国のみなさま、大爆笑です。

たくさんの「いいね👍」をもらえました!

§1-5 難題

食事が終わり、なんとなく話をしているところに残っていると

カミーノを一言で表すと何?

という話題に。

transformation。

人生。

愛。


こういう話題は、日本語だったらすぐ答えらるわけでもない。

困った。自分の番がくる。

choice、選択

これかな。上手く言えないけど、今日はどこまで行くか、どこに泊まるか。毎日選択している。日々の生き方を自分で選択する。

面白い視点だ。と言われる。

§1-6 反省

決定、の方がしっくりきたかもしれない。
いやでも、「歩き切らないと人生先へ進めない気がする」と朝考えていたのにそれはどこへいったのか。examとかだったかな。合格しないと次に進めない、みたいな。

歩き切ったらちゃんと言えるようになることだろう。

色んな話が22時まで続いたけど、1/4ぐらいしかわからなかったなぁ。

ゾウさんよりもっといい歌あったのかなぁ。

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